【良い話】ある日本好きの米国人

2000年9月

いつも安宿ばかりを紹介している。旅費全体を、少しでも切り詰め、トータルのマイル単価を下げる方法を紹介しようとしているからだ。格安航空券で米国を4都市周遊、しかも、各都市で観光等の時間を十分に取るのが理想的なマイル修行と言えるだろう。

この安宿で泊まる場合のメリットとして、いろいろな人々と知り合いになれることが挙げられる。5つ星ホテルに泊まっていては、そうはいかないだろう。もちろん、飛行機でファーストクラスに乗っていれば、有名人と知り合いになれる可能性はある。余談だが、私の知り合いで、UA809便のファーストクラスに乗っていて、テニスのアガシ選手の横に座った人がいた。その人は、アガシなんて聞いたことが無いと言い切ったそうだ。かなりのやり手だ。

さて、飛行機に関係する長い前置きを終わり、本題に戻る。安宿で知り合った人の話だ。残念ながら、こちらは、マイレージ・飛行機とは直接関係はないが、良い話なので、あえてここで紹介することにした。

先日泊まったラピッド・シティ(Rapid City)の安宿で、インディアンのことを大学で教えている先生に出会った。メリーランドのカレッジで教えているが、時間ができると、車であちこちのインディアンを訪ね回っているとのことであった。ラピッド・シティのあるサウス・ダコタ(South Dakota)でも、インディアンがたくさん住んでいて、居住区が点在している。しかし、これらのインディアン居住区は以前は、今とは比べものにならないほど広かったそうだ。それが、どんどん押しやられ、今ではわずかばかりで、しかも、水も無い不便なところがインディアン居住区になっているそうだ。

さて、良い話は、この先生のずっと以前の経験談だ。この先生は、朝鮮戦争で戦った退役軍人である。彼は、戦争が終わると、休暇で日本に来る機会を得た。そして、京都にやって来た。そこで、伝統工芸の飾りを見つけた。彼は、それに興味を持ち、
たまたま知り合った高校生に、どこで見れるのかとたずねた。すると高校生は、その場所に案内してくれ、お小遣いを全部はたいて、その飾りを買ってこの米国人先生にあげたと言うのだ。この米国人は、自然にそのような行動をとる高校生と、そのような日本の風土に感激し、それ以来日本が好きになったそうだ。

この高校生がまだ生きていれば、二人を再会させてあげたいものだ。


マイル修行といっても、いろいろな旅の方法があるだろう。
例えば、時間がないのでマイアミなどを単純往復するだけの場合。
この場合には、宿泊も1、2泊だけのはずなので、それなら高級なホテルに泊まって、現地で十分休養することをおすすめする。航空券代とのバランスを考えても、そうすべきだろう。しかし、マイル単価は割り高だ。