マイル修行考

2002年7月


マイル修行という言葉をインターネットの検索エンジンで調べてみると、二通りの意味に使われていることがわかる。

一つは、マイルを貯めるのだけが目的で飛行機に乗り、空港から外に出ることもなく、引き返して来たり、各地を転々と飛び回わる旅。
もう一つは、マイルを貯めるのも大きな目的だが、観光やショッピング、知人に会ったり等々、旅本来の目的が主な旅

このホームページを読んでいる方の中には、時間が無いので、前者タイプに終始される方もおられるだろう。しかしながら、監修者である私の個人的な意見としては、これには反対だ。イミグレーションで疑われたり、航空会社の職員からクレージーだと言われたり、ろくなことがない。きっと飛行機も泣いているはずだ。

ストップオーバー地点や最終目的地では、必要十分な時間を取り 有意義に過ごし、航空券代のもとを取る。このような後者の旅をお奨めしたい。徹底的に航空券代の元を取るために、各地の見所やお買い得情報を紹介している次第だ。また、空港から外に出ると、宿泊費や交通費が必要だが、それらも できるだけ安く済ませる方法を提案している。

私の意見に賛成いただける方は多いはずだ。しかしながら、時間がないので無理だと言われる方もあろう。そこで、時間が無くても、単に飛んでいるだけではない日程・ルートを紹介する。マイル単価は最小ではないだろうが、そんなに悪くないはずだ。単なる事例でしかないが、これを参考にして、有意義な旅をして頂けることを期待する。


海外発券で旅を分割

以前よくサンフランシスコで航空券を買った。ディスカウントの航空券で、日本往復運賃に100ドルから200ドル足すと、日本・アジア間を追加することができた。これだと、米国往復とアジア往復を2回に分けることができて、週末だけの旅でも、現地でそこそこ時間を取れる。
サンフランシスコ行きでは、金曜の夕方の便で出れば、金曜の午後から土曜の午前、現地に 丸一日滞在できる。そして現地を土曜に出て、日曜に日本に帰ってこれる。しかし、これでは、現地滞在が短いので、もう一日増やしたい。二日あれば レンタカーで、いろいろ回れる。
アジア行きでは、マイルの関係で、最終的には、ほとんどシンガポールに行っていた。UAの場合だと、金曜の夕方 日本を出発して、深夜現地に到着。日曜の早朝発で、約30時間 現地に滞在できる。これだけでも、気合を入れれば、かなり回れる。シンガポールに飽きれば、香港などにも行けばよい。
ただし、米国発券では、ビザなし入国の場合、帰りの航空券を持っていないといけないので、ダミーの航空券をつくる等の対策が必要だ。例えば、マイルを使って日本とハワイの往復航空券を発券しておき、帰りの航空券を見せるなど。必要マイルから行き先はハワイが妥当だろう。そして、期限切れ直前にハワイへ行くか、手数料を払ってマイルに戻す。

米国発の反対で、アジア発の海外発券も可能で、特にバンコク発券はポピュラーだ。私の場合、香港、台北、ソウル、マニラ、クアラルンプル発券の経験はあるが、タイには行ったことがなく、バンコク発券の経験はない。人が行かないところに行きたがる性格のためだ。いずれにせよ、バンコク発券に関する情報は、インターネット上で 沢山見つかることだろう。価格、条件面で厳しくなりつつあるが、ピーク時の利用など、まだまだメリットはあるはずだ。タイ料理が好きな人ならそれだけでも十分か。

米国周遊 5日間

米国周遊なら、できれば1週間は欲しいところだ。ここでは少し削って、3連休等に前後して、5日間で米国を周遊する例を紹介する。UA格安航空券利用の実例だ。

成田 午後発 → 朝着 シアトル 夜発 → シカゴ → 朝着 ニューヨーク(ラガーディア) 翌朝発 → シカゴ → 昼着 ニューオリンズ 翌朝発 → サンフランシスコ → 午後着 成田

シアトルとニューヨークで丸一日、ニューオリンズでも半日時間を取れる。ニューオリンズは夜の町なのでこれで十分だろう。夜行や東から西への移動などを使って、現地滞在時間を捻出した。考え方だけでも参考にして頂きたい。宿泊は2泊だけなので、ホステルではなく、そこそこのホテルに泊まった。

日本発格安航空券と米国発券の組み合わせ

このパターンは、試したことがないので 最後に回したが、メリットがある人は多いはずである。年末年始、ゴールデンウイーク(GW)、お盆の三大ピーク時に安く海外に出れるようにするのが目的だが、さらに、米国周遊でも十分時間が取れるはずだ。ただし、夏場は米国発の航空券も高いので、お盆は除外した方が良いだろう。

例えばGWを例に取れば、以下のようになる。

まず、料金の安い4月の前半の週末に、日本発の格安航空券で米国に渡る。この航空券は、GW中に米国各地を周遊して、GWの後半に日本に帰るものである。ただし、別料金を取られる帰着日は外す。最初の渡米時に十分時間を取れるようにするため、西海岸のサンフランシスコかロサンゼルスで まずストップオーバー。ここで、米国発、日本経由東南アジア行きの航空券を購入する。マイル獲得のため、UA、NWともシンガポール行きが妥当だろう。
西海岸のストップオーバー地で二泊程度して帰国。1〜2週間後の週末にシンガポールに行き帰って来る。さらに、この航空券で、GWの始めに米国に渡る。その後、最初の日本発格安航空券を使って米国を周遊し、GW後半に日本に帰る。
この方法だと、米国入国時に、帰りの航空券を持っているので、入国審査の問題もない。

ただし、繰り返しになるが、私自身の実績がないので、何か課題はあるかもしれない。


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