金があるから外国へから、金がないから
外国へのパラダイム・シフト

2002年9月



その昔は、テレビのプレゼントでハワイ旅行ご招待などと言えば 憧れの的。とても贅沢な代物であった。通常 海外旅行と言えば、お金持ちが行くものだった。

ところが、今や交通の便は発達し、安く海外に飛べるようになってくると、貧乏だから海外へという逆転現象が起こってくる。その典型的な例が私の場合である。

少しでも安くマイルを貯め、無料航空券を使って物価の安い国に行き、しばらく滞在しておこうという魂胆である。もちろん、それだけではなくて、他に沢山 目的があるから滞在しているのだが、とにかく安く暮らすことができる。

私の滞在しているのは、フィリピンのセブ島の近くのシキホール島で、そこでは、とても大きな家に部屋を借りて、家賃は月千円余り。数年単位で家賃を払いたくなる金額だ。立派な家で、ビリヤードもできる。
散髪は70円。ビールは一本30円。乗り物は10円〜20円程度で乗れる。それも高いので大抵 自転車で回っている。バナナやパパイヤは通常は買わなくても良い。
現地の人に言わせれば、月千円余りの家賃も高いので、自分の家を建てろということになり、小さな家を建てているところである。現地では 10万円程度で家を建てるのが普通だが、外国人用の家でも、50万円も出せば、土地付きで十分快適なものができる。
因みに、最初から外国人向け、ツーリスト向けに建てられたものを買おうとすると、とんでもなく高くつく。そこで 現地の人と同じ方法で、ぼられないよう注意しながら、家を建てないといけない。実際には外国人は豪邸を建てる傾向があり、それだともちろん金額は上がるが、贅沢しなければ十分安く済ませられるのである。

また、日本と同じだけ払えば、大きなことができるとも言える。日本で、プロジェクトにソフト屋一人を雇うのに月100万円ほど払わされていたことがあったが、それだけ払えば、こちらなら100人近くを雇うことができる。もちろん素人軍団だが、人海戦術で何か大きなことができる可能性がある。例えば、日本で墓をつくると高くつくが、こちらで、それに代わる巨大なモニュメントを人海戦術でつくっても、日本の墓代に比べ格安で済ませることが可能だ。

ビザ代やその他の費用もかかるが、それでも 日本にいるより とても安上がり。マイルを十分貯めて、何かあれば簡単に日本に帰って来れるようにさえしておけば、何かの折にも安心して暮らすことができる。

ただし、日本で高額の家賃を払い続けながら、海外にしばらく滞在するのはお勧めできない。現地で払う何倍ものお金を、住んでない部屋や家のために払うことになるからだ。また、日本に帰る場所が無い人にも向かない。行ってみたところが、自分の肌に合わないこともある。その時は さっさと帰ってくるに限るからである。

ここでお奨めしている海外暮らしは、現在普通にお勤めしている人には、ちょっと難しい。やはり、定年後のシルバー世代が最も相応しいだろう。さらには何処でも仕事ができる自由業といったところか。何処でも仕事ができるという状態は、e-workを始めれば、インターネットを道具にして、割とお手軽に、実現しそうな気はする。

余談だが、現地で 仕事が無くて困っている地域で、子供にパソコンの使い方を教え、その後 e-workを始めたらどうかと、提案しているところだ。しかし、やる気のある人(子供)を見つけるのが至難の業となっている。 日本から外国に出る人、そして、現地の人とも やる気があれば e-workは十分実現できるはずだ。