霧のサンフランシスコ

99年12月

霧のためサンフランシスコ空港のダイヤはよく乱れる。新聞・テレビでも頻繁に取り挙げられ、現地では常識となっている。

天候が悪化するとどうなるか? 通常、4つの滑走路がフル稼動しているのに対し、悪天候時は、安全のため1つの滑走路だけで、離発着を行うようになる。成田や関空並の処理能力に落ちてしまうのである。すると、成田や関空のように着陸待ちの飛行機が、空港上空で無駄な旋回を始める。離陸も待たされ、滑走路前に、発展途上国のATMの前並みの長蛇の列ができる。さらには、サンフランシスコへ向かって飛び発とうとしている飛行機が、空港で待たされる。特に、ロサンゼルス、シアトル、デンバー等、近くの空港からの出発便が狙われ、出発待ち空港待機処分を食らい易い。

大抵、午前中で天候は回復するが、それでも午後もダイヤの乱れが続き、遅れやキャンセルが続出する。年間を通じて乱れる可能性があるが、特に11月、12月は乱れることが多い。

最近、遅れを経験した例を紹介してしておく。すべて99年11月と12月のことである。

■デンバー発サンフランシスコ行き

朝8時にデンバーを出ることになっていたが、デンバーで空港待機処分1時間を食らってしまった。その後乗り継ぐ関空行きまで、十分時間が在ったので、何とか乗り継ぐことができた。しかし、天候が乱れても、国際線は優先されるので、出発も通常遅れない。乗り継ぎ客を、少しは待ってくれるものの、サンフランシスコでのきわどい乗り継ぎは避けたいものである。

■シアトル発サンフランシスコ行き

おり返しの前の便で、サンフランシスコ発の機材の到着が遅れていて、20分遅れの予定になっていた。そのうち予定が立てられないDELAYEDという表示に変わった。と思ったら、すかさず私の乗る便もDELAYEDに変わり、サンフランシスコの天候が悪く、出発停止処分を食らっている旨のアナウンスがあった。幸い天候が回復し、1時間遅れで、出発することができた。この時も、もともと乗り継ぎに時間があったので、なんとか次の目的地Montereyに、予定どおり到着することができた。

■サンフランシスコ発シアトル行き

関空からサンフランシスコに到着し、シアトルに乗り継ぎ、さらにバンクーバーまで行く予定であった。例によって前倒しして、シアトルに行き、少しでも早くバンクーバーまでたどり着くつもりをしていた。ところが前の便が40分ほど遅れるとのことであり、それなら、前倒ししてもあまり意味が無いので、当初予定の便に乗ることにした。すると乗る予定の便もずるずると遅れ出し、結局1時間遅れで、出発することになった。さらに、ゲートを出てからもペーパーワークがあるとか何とか言って、空港をうろうろし、結局シアトルには予定の1時間半遅れで到着。バンクーバー便まで2分あるので、何とか乗れたと思いきや、さっさとゲートは閉じられ、乗り遅れてしまった。3時間後のエアー・カナダ便でバンクーバーに着いたのは、午後9時。すでに両替所も閉まっており、初めての土地で苦労する羽目になった。この時は、関空からサンフランシスコに到着する時も、サンフランシスコの天候の悪化で、遅れるとのアナウンスが機内で流れたが、国際線のためか、こちらは、なんとか遅れずに到着できた。

■対策

乗り継きはサンフランシスコを避ける。季節を選ぶ。どうしてもサンフランシスコで乗り継がないといけない場合は、十分時間の余裕を見ておく。少々遅れても大丈夫な時間に最終目的地に着く便に乗る。以上のような対策しておいた方が良い。