市バス一日券の旅

第一部
San Diego 〜 La Jolla 〜 Carlsbad

December 2001


市バス一日券

Carlsbad(カールスバッド)付近を走る
市バス

米国は広い。ニューヨークやシカゴといった地下鉄等の交通機関が発達した大都市に行く場合の除いて、レンタカーがないと 旅行者には不便なことが多い。ところが、レンタカーを借りるとなると、これはこれで難しい点が多い。慣れない左ハンドルは嫌だとか、標識が分かり難い等々。
さらに、大切な費用の面でも、レンタカー代と現地での保険代だけでなく、安心のためには日本でも、海外での自動車運転をカバーした保険をかけることになる。ところが、クレジットカードに付いた保険では、残念ながら自動車の運転をカバーしていない。そこで、始めから保険をかけ直すことになり、最低でも1万円程度余計にかかるであろう。レンタカーというだけで、旅の予算は2万円以上アップ。一週間借りるとなると、通常5万円は費用が増える。
それでも、レンタカーを借りるメリットは十分あるのだが、私のように、アジア、特にフィリピンに行くために、米国に行ってマイルを貯めている者にとっては、費用がかかり過ぎては、何のためにわざわざ、米国に行くのか分からなくなってしまうのである。

前置きは これくらいにして、今回は、わざわざレンタカーを借りなくても、市バスの一日券を使って、十分楽しめるところを紹介しようという趣向だ。

米国の太平洋沿いは、景色の良い所が多い。
第一部では、その中でも、バスの便が充実しているSan DiegoとCarlsbadの間を取り挙げる。一日券なので、気にいったところで何度でも降りて、景色を堪能できる。小銭を用意する必要がないのも 一日券のメリットだ。

San Diegoから、United Expressが飛んでいるCarlsbadまで市バスに乗る場合を想定してみたが、実際の旅の経路としては、いくつかのバリエーションが考えられる。

(1) UAに乗りCarlsbadでストップオーバーする。 例えば午後の便でCarlsbadまで行き、バスと電車(Coaster)を乗り継ぎ、さらにSan Diegoまで行き、そこで安宿に泊まる。次の朝早くSan Diegoを出て、市バスで1日ゆっくり観光して、CarlsbadからUnited Expressに乗る。
(2) UAでCarlsbadに行き、しばらく そこに滞在して、現地をバスで回る。
(3) UAやNWなどでSan Diegoまで行き、しばらく そこに滞在して、La Jolla, Carlsbad方面を市バスで回る。

San Diego

まずは、ダウンタウンのチケットカウンター(Transit Center)で市バスの一日券(5ドル)を買う。この券でSan Diego近郊だけでなく、Carlsbadまで行けてしまう。他にも、トロリーの一日券があり、バスにも乗れるが、Carlsbadまで行く場合は、市バス専用の一日券を買う。
必要な路線図や冊子をもらって作戦を練り、まずは34番の市バスに乗って、有名な観光地La Jollaを目指す。
San Diegoの様子は、以前紹介しているとおりだ。

La Jolla (ラ・ホヤ)

La Jollaの海岸

La Jollaの町並み

観光地でお土産屋が並んでいるところ

La Jollaは綺麗な海岸を持つ観光地。観光客で混み合っているが、それでも、景色を見に行く価値は十分ある。

La Jolla 〜 Carlsbad

UCSD 
(カリフォルニア大学サンディエゴ校)

La Jollaの中心からすぐのところにある。

La Jolla、Carlsbad間の海岸

綺麗な花が咲いているところが多い。

Carlsbad

Carlsbadは、La Jollaほど高級感はないが、それでも、安宿指向派は、お呼びでないことに変わりは無い。しかし、旅の予算が十分ある人は、しばらく泊まって、ゆっくりする価値が十分ある雰囲気の良い町だ。

ビーチ沿いのモーテル街

安モーテルと言うより、ビーチリゾート風の宿が並ぶ。

雰囲気が良いレストラン

タイムサービスもあるそうだ。

メキシコ料理の
ファースト・フード

庶民的な店が少ない中、唯一見つけた安メキシコ料理屋で 腹ごしらえする。市バスの安旅にふさわしい食事だ。

ショッピング・モール

市バスのトランジットセンターとして、ショッピングモールが選ばれていることが多い。Carlsbadでもそうなっている。
トランジット時に、バス一台分見送れば、しばらくモールの様子を見て回ることができる。
写真は 「テレビで見たよ」ショップ。中には腹筋関連のアブ・アブ商品がたくさん並んでいたりして楽しい。

空港

こじんまりとした、空港だ。

空港前のバス停

空港のすぐ近くまで、市バスは来ている。しかし、空港から外へ出る歩道はなく、空港は、飛行機とバスを乗り継ぐ乗客のことは想定していない様子だ。

参考) 市バス利用ノウハウ集

参考のため市バスに乗るためのノウハウを まとめておく。ただし、乗り降りの方法、料金の払い方と言った基本的なことは省略する。
日本でもそうだが、不慣れな土地でバスを利用するのは難しい。しかし、インターネットの普及によって、情報が得やすくなり、米国の市バスは使いやすい存在に変わりつつある。

インターネットで路線やダイヤを調べる
 米国では、日本とは異なり、路線図やダイヤをバス停に書いていないことが多い。従って、直接バス停へ行っても、いつバスが来るかわからないので、結局バスは使えないことが多い。しかし、今や米国なら、小さな町のバスの路線やダイヤも、大抵インターネットで調べられる。現地に行く前に、あらかじめ調べておいて、必要なものを印刷して持っていけば安心だ。
市バスのホームページについては、UAやNWが就航している町なら、
(北米)都市・空港ガイドでも紹介しているし、検索エンジンでも容易に調べられる。ROUTES INTERNATIONALと呼ばれる便利なリンク集もある。

Yahoo Map等インターネット上の地図も参考にする
市バスの路線図だけでなく、さらにYahoo Map等を使いインターネット上で、自分の行きたいところの地図を出して、バスのどの路線を使えば良いのかを確認する。

System Mapや案内用の冊子を手に入れる
バジット e-travellerとして振舞うだけでなく、現地でもSystem Mapや冊子など必要なものは手に入れて活用する。バスの中やトランジットセンター、案内所などで手に入る。

常に一日券利用を考慮する
特に空港から市バスに乗る時に、その日ただの一度しかバスに乗らないかどうかを、常に考え、複数回バスに乗るなら、一日券を買うことを検討しよう。 

途中で経由するショッピング・モールを利用する
ショッピング・モールを通過するバスは多いし、そこがトランジットセンターになっている場合もよくある。そこで、ショッピング・モールで途中降車して、フードコートで食事したり、しばらくウインドウ・ショッピングを楽しんだりできる。


# 今回の記事の取材は、一日券にパンチされているとおり、2001年4月のもので、海岸には沢山の花が咲いていました。都合により、記事の公開が遅れて、申しわけありません。

第二回は、 " Monterey 〜 Pacific Grove 〜 Carmel " です。

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