普通のCOMDEXレポート

2000年11月


一般的なレポートは巷に氾濫していそうなので、必要ないかもしれないが、参考までにまとめておく。

パソコンは姿を消し、PDAが主役に

パソコンがコモディティ(日用品)になったと言われて久しいが、それが現実味を帯びてきた。もはや展示会に出すまでもないものになったのである。5つまとめて安売りされるティッシュペーパーに近いような存在になりつつあり、わざわざ展示会に出すまでもないということだ。実際には、一部のメーカーのパソコンは、今も展示されているが、以前と比べ極端に減った。小型化した装置の御三家として、PDA、MP3プレーヤー、パーソナル・ジュークボックスの3つを挙げておきたい。会場の至る所で見かけた。

カラーのpalm III

palm用の拡張キーボード

昔、ザウルスを使っていた者として一言。やっぱりキーボードがないと苦しい。

PDAの種類は多い

PDAは、完全独自OSという信じられないメーカーもたまに見かけるが、palm OSとWindows CE3.0のものが多い。組み込みLinuxのものもあった。

MP3プレーヤーも多くのメーカーが展示していた。

オーディオカセット型のものは単なるパロディかと思っていたが、カセットプレーヤーの中に入れても使えるそうだ。納得。

パーソナル・ジュークボックス
の例
日本では御馴染みだが、CASIOの腕時計型の製品の数々。100枚撮りのデジカメまであった。この形の物はPDAとは呼ばないのだろう。

PDA、MP3プレーヤーはかなり安く開発できるのか、以前MPEGボードを開発していた小規模なメーカーが、こぞってこれらを製品化していた。MP3プレーヤーは写真以外にも、かなり小型ものも多かった。日本ではSONYの製品等が良く出回っているので、改めて紹介するまでもないであろう。

パーソナル・ジュークボックスも音楽をMP3で録音しているので、これもMP3プレーヤーと言ってしまえばそれまでだが、ハードディスクを内蔵し、沢山曲をしまっておけるところが通常と異なる。仕様は各社とも似ていて、ディスク容量が6GB程度。100時間、1500曲程度を記憶しておける。USBでパソコンからMP3データをダウンロードできるようになっている。MP3への変換ソフトなどパソコン上で使える各種のユーティリティが付いている。

SONYのタブレット型のパソコン Windows98を搭載したCASIOのキーボード無しのパソコン

キーボード無し、タッチパネル型のディスプレイをもつ機器もたくさん展示されていた。Portable Pad, WebPAD, タブレット型等色々な呼び名がある。以前NECの人はコタツトップと呼んでいた。

ワイヤレスの覇権争い

Bluetooth

最近はテレビでもよく、耳にするBluetooth。その関連メーカーをまとめて展示するBluetooth Pavilionは、COMDEXで、すっかり馴染みになってしまった。
中でもERICSSONのモジュールは、トランシーバもサイズは33mm x 17mm x 3.65mm現物を見ると、かなり数字よりかなり小さく感じた。また、受信機だけだと指先から落ちそうな大きさ。  http://www.ericsson.com/microelectronics

Bluetooth Pavilion ERICSSONのモジュール

Home RF

Wi-Fi

IEEE802.11bをベースにしているが、IEEE802.11bが5GHz帯なのに対し、Wi-Fiは2.4GHz帯。

Wi-Fiのカタログによると、Wi-Fiは、Bluetoothより高速で、Bluetoothはローエンド、Wi-Fiはハイエンドという住み分けになっている。また、HomeRFは家庭専用で、主にビジネスをターゲットにしたWi-Fiとは用途が異なる、ということらしい。
従って覇権争いしているわけではない?
素人目には、ほんとに全部必要なのかと気になって仕方がない。

台湾と韓国

以前はパソコンのハードと言えば、台湾メーカーの独断場だったので、COMDEXでも台湾メーカーを沢山見かけた。今でも多くの台湾メーカーが出展しているが、単純なマザーボード、ケース(筐体)、電源などパソコン部品の展示は激減したので、その結果、台湾メーカーの展示も以前より減った。

これに対して、韓国メーカーの展示は、台湾と同じくらい豊富で目立っていた。

台湾メーカーのブース 韓国メーカーのブース

面白そうな製品

MP3で語学を学ぶ

Laser Publishing Group
http://www.nioct.com

MP3で録音された教材を、Webでダウンロードして来て、MP3プレーヤーで聞く。超小型のMP3プレーヤーを使えば、走ったり、歩いたりしていている時でも持ち運びに便利で、使いものになりそう。

インクジェットプリンタのインクのリフィル
JR inkjet
http://www.jrinkjet.com

日本でも売っているのか不明。私の近くのパソコンショップでは見かけない。代わりに、非常に高いインクのカートリッジが売られている。インクで良い商売をしているのに、その横でリフィルのセットなんか売るはずないことだけは明らかだ。

もしかしたら、米国のマイル修行で買ってくるべき、かなり有望な品物かもしれない?

透明な椅子、机

2、3年前から流行リ出した透明が、椅子、机にまで波及した。この製品は結構楽しめる。

おしゃれな筐体(ケース)
EUPA

この製品も楽しめる。


会場でのソフト販売

お買い得のソフト
Surplus CD-ROM
http://www.surplus.com
いかにも安そうに聞こえる名前だ。会場の中でも一番の出物があったような気がする。ただし、Websiteを覗いたところでは、かなりガードが堅そうに見える。会場でCDを買った時も、なぜか後ろの方でコソコソしながら売り買いした。

COMDEXで売られていたCDの題名と値段のリスト
http://www.surplus.com/list.html


UPS内臓のパソコン電源
JAGER
http://www.ups2.com


電源UPS一体型とUPSが分離し、5インチのデバイススロットに入る形にしたものがある。日本ではあまり関係ない? 私のような電力事情の悪いところにいる人向き。

プロジェクタ
TATUNG

http://www.tatungusa.com
値段は1500ドル程度とのこと。台湾製で安くなった?

ボード2枚

DUAL CPUのマザーボード

パソコンショップでも稀に見かけるCPUが2つ載せられるマザーボード。展示会では普通でないものを展示するので、良く見かける。CPUを沢山載せるのが好きなので、写真を撮って見た。ただそれだけ。

Slot 2のマザーボード

大量の電解コンデンサ(右下)に圧倒されて、思わず写真を撮った。ただそれだけ。


e-learn or CAI関連

LearnKey
http://www.learnkey.com
パソコン・ソフト学習用ビデオ、CDを販売。品揃えが多い。値段は高め。例えばWindows2000のコースがCD3枚組で$175

KeyStone
http://www.keystonelearning.com
パソコン・ソフト学習用ビデオ、CDを販売。品揃えが多い。値段は高め。例えばWindows2000のコースCD4枚組で$199.95

ONLINE University
http://www.omniworldwide.com
インターネット、イントラネットを使ったインタラクティブなパソコンソフト学習コースを提供。1000以上の科目がある。

Laser Publishing Group
http://www.lp-group.com
MP3の音声ファイルを使い、語学学習する。Windows, Windows CE, Mac, Palm, Pocket PC上で使える。
http://www.nioct.com
online interactive learning

ATOMIC MEDIA
http://www.atomiccdrom.com
語学学習用のCDを販売。 How to build your own PCなどパソコン関連もある。

EduNet
http://www.netsupport-inc.com
教室でパソコンを接続しての授業をサポートするソフト

ilearning
http://www.ilearning.com

INgeNIO
http://www.ingenio.com
語学学習ソフト。 学習の方法論を研究している。Memorizerという暗記もののためのゲーム

e4help
http://www.e4help.com
e4Learnというバーチャルセミナーのためのソフトを販売。離れた場所から双方向でセミナーに参加し、学習できる。


場外編

さて、COMDEXを見に行ったわけだが、最もすばらしいと思った製品は、実は、会場の中ではなくて、宿で見たテレビのニュースや通信販売の番組であった。

ACOUSTIC WAVE SYSTEM

パイプオルガンのパイプを、巻貝のようにして、オーディオ装置に詰め込んだもの。これまでのスピーカーと根本的に異なる新しい方式である。音の広がりがすばらしい。日本にも入って来ているのかは不明だが、もちろん私の家にはない。テレビによれば、番組だけの限定販売だと言っていた。そのうち東南アジア当りで、類似品が沢山作られそうな気がする製品だ。

電動式の壁登り

ルームランナーを縦型にしたようなもので、壁が縦にぐるぐる回る。壁には手で持ち、足をかける所が沢山付いている。価格は2万ドル。
さすが米国。何でも発想するところが偉いと感心した。

digiscent

パソコンで臭いを出す。
ユーザーの例 ecandy.com

→ 目次に戻る