2000年11月

1ドルが50ぺソということで、とても愉快な話がある。

先日、シキホール島に住む知り合いの家を訪れた時のこと。
そこの女主人は、最近のドル高、ペソ安について話出した。ドルを持っていると非常に得である。ぺソに替えると50倍になる。ペソはダメだ。ドルさえあれば金持ちだ。 彼女はそのように主張していた。

そして、私が日本人なので、円とペソのレートについてたずねられた。「1円は0.5ペソくらい」と答えると、その女主人は、「そんなに悪いのか? ドルならペソにすると50倍になるのに、円では半分になってしまうとは。あんたも大変だね。」
私が、「例えば、ウォンなら、1ウォン0.05ペソで20分の1。何倍になろうと何十分の一になろうと、金持ちかどうかとは別問題。」 そう説明しても理解してもらえない。
そこで、あきらめて反対に、「レートが悪いので、あんたも、私も貧乏だ。」と答えると、妙に納得してもらえたのだ。

貧乏な島なので、外国の普通の人が金持ちに変身してしまう。しかし、金持ちと思われることは、ボラれる、盗難に合うなど良くないことが多い。そこで、上のような冗談も、たまには良いかもしれない。

実際に金持ちでもない私まで金持ち扱いされるのも嫌なのである。