万里の長城の裏口を探す

以前中国では、外国人料金と中国人料金が分かれていた。場合によっては1桁以上値段が違い、何たる差別かと憤慨していたものである。ところが最近は、値段が一緒になった。その結果、以前の外国人料金よりも少し安くなった。ところが中国人からすると、値段が何倍にも跳ねあがった場合が少なくない。
北京付近の万里の長城で最も有名な八達嶺の入場料金は30元。これに対して、その近くの町に住む知り合いの家賃は月120元。そこの家の子供に聞いてみたが、やはり万里の長城には行ったことがないとのことであった。さらに、そこから50kmくらい離れた山奥に住む別の知り合いのところでは、年収が100ドル程度と言われていて、とても長城には行けそうにない。
そこで、安く入れる裏口がないものかと、長城の端目指して歩き回ってみたのである。

長城(八達嶺)は、北京の中心部から50km以上離れているが、路線バスで行くのが安くて便利だ。高速道路ができていて、町中での混み具合にもよるが、1時間半くらいで長城に到着する。路線バスは919番。頻繁に走っている。料金は5〜10元。
バスは、長城を越えたところで止まる。バス停から少し登ってきたところがこの写真。

さらに進むと、お土産店が並ぶなか、山の上に長城が見えてくる。

正規の入り口から入ったとところ。料金30元+保険1元を取られた。はるか彼方まで続いていて、どこまで登るか、ここでしばし検討する。

最初から、急な登り坂。

坂は延々と続く。
さて、ここの一番上まで登って、まんまと引っかかってしまった。

長城の切れ目

なんと長城は切れていたのである。どんどん上がって行くと行き止まりになってしまった。どうなっているのかさっぱり分からないまま、引き返すと階段があった。なんの標識も出ていないのだが、ここを降りて行かないと前には進めない。そして、さらに進んで、ぐるっと回って見て、やっと状況が飲み込めた。崖があって長城が途切れていたのであった。

ここを降りて行かないといけない

長城の頂上付近まで来てゴンドラに出くわす。なんとそんな楽な手があったのか?

これが長城の頂上

長城の頂上へは来たが、まだ先は続いている。頂上の反対側に降りて行けるのだ。こちらは貸切状態。人影が見えない。ここを降りて行く人は千人に一人いるかいないか位だろう。とんでもなく急な坂なので、万一袋小路になっていて、戻ってくる羽目になった時のショックは大きいからだ。不安はあるものの、裏口発見のため、めげずにどんどん進んで行った。

途中で小さな建物があった。なんと、この2階の部分を強引にこじ開け、よじ登って、休憩している輩がいたのだ。ここならほとんど人も来ないので、勝手に住んでいてもわからないだろう。

長城の外側

長城の内側

当たり前だが、長城の内側と外側では大違いである。外側は高くて険しいが、内側からは簡単に侵入できそうなところがある。長城の内側の写真の部分は、傾斜部分はわずか1mくらいの高かさだ。

行き止まり

NO VISITOR

残念ながら、これ以上は進めない。仕方ないので、少し引き返しそこにあった裏口から出た。

これが裏口だ。

裏口は、簡単な作りなので、値段もかなり安いか無料かと期待したが、正面の入り口より5元だけ安い25元であった。御自由にお入り下さいとは書いていなかった。残念。

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