2002年 北京特集 第ニ部

最近の北京事情

2002年11月


北京 2000年 vs 2002年

前回の特集で、詳しく北京を紹介した
そこで今回は、前回との差分を中心に説明する。

中心部の開発は一段落

徳勝門の北側

綺麗な公園になった。

中心部から離れると大型の
箱もの建築が続いている。

2000年には北京の中心部でも、道路などの工事が続いていた。しかし 今回見て回った結果 中心部での工事は 一段落し、少し離れたところへと移って行った。徳勝門の横からは、万里の長城(八達嶺 パーターリン)へ行くのに便利な市バスが出るが、この当たりは以前は工事中だったものが、今は綺麗な公園になった。長城(チャンチャン)へ行きの高速道路に入るまで、道は渋滞していたが、今は高架になり 信号無しの道が通じ、渋滞も解消された。 西直門など 各所で立体交差が完成し、渋滞はかなり減っている。

ゴミが消えた!
北京のシンガポール化?


町の中心から離れると相変わらずだが、北京の中心部ではゴミが消えた。あるのはタバコの吸がらくらい。そして、至る所に ゴミ箱が設置された。これだけ綺麗になると ゴミのポイ捨ても気がひけることだろう。

検索エンジンに 「北京 ゴミ 法律」と打ち込んでみたが、シンガポールのような法律については特に引っかかってこなかった。代わって、行政でいろいろな取り組みが行なわれていることが分かった。現地で見つけたのは清掃車。天安門の前をきれいに掃除をしていた。

自転車天国 王府井

北京の繁華街と言えば、ここ王府井(ワンフーチン)か、西単(シータン)。その王府井は、今や自転車天国になっている。もちろん歩行者も歩道を歩けるので地獄ではないが、障害物が無くなり 豪快に飛ばしていく自転車に注意しないといけない。お洒落な町並みと自転車軍団。中国ならではの光景で、とても楽しい。

地鉄13号

これまで北京の地下鉄は、東西に走る1号線と環状の2号線の二つだけであったが、最近、これらに加え 地鉄13号線が営業を開始した。西直門と東直門を結び、北京の北部を周回する路線。今のところ西側半分だけ営業している。
これに乗れば何処に行けるのかと聞かれても、困ってしまう。私の場合は、西直門から2駅だけ乗り、そこから歩いて、北京のシリコンバレー(? それとも秋葉原?) そんなふうに呼ばれている中関村へ行ってみた。

地鉄13号線

地鉄13号線 西直門駅

京華飯店は今

北京で安宿と言えば 京華飯店。多人房(ドミトリー)に25元〜40元で泊まれる。私の場合、北京に来ると 毎回 ここに泊まっているのだが、毎回 様子が変わる。沢山の外国人バックパッカーで賑わい儲かったためか、拡張と改装が繰り返されている。裏の方にできた新しい多人房棟(ドミトリー棟)のさらに 裏に もう一つ多人房棟ができた。そして部屋は広くなり、私の主観ではあるが 十分快適になった。2つ目の中庭もでき、池には中国風の休憩場所ができていた。

ここに泊まるメリットは安いこともあるが、食事で中華のフルコースを食べたい時に、人を集めやすいことが挙げられる。一人二人だと、食事に行っても2、3品しか頼めないが、ここでメンバーを集めて、食事に行けば、庶民派中華のフルコースを一人200円ほどで楽しめる。大抵5人以上の日本人が泊まっている。

京華飯店の多人房(ドミトリー)

布団やシーツも新しく綺麗になり快適だ

拡張して できた二つ目の中庭

新ユースホステルが多数開業

北京では、これまで京華飯店の専売特許であった多人房(ドミトリー)だが、最近になってユースホステルが多数オープンして、状況が変わってきた。どれも協会に所属する準正のホステルで、会員でないと10元高くなる。全部で10箇所以上 あり、探せば安くて良い場所がみつかりそうだ。

今回は 試しに国際飯店裏のホステルに泊まった。(写真右) 料金は会員価格で50元。 ところが、残念ながら、私が泊まるや、その後すぐ閉鎖されたそうだ。同じ敷地内に、高級な国際飯店と ホステルが並んでいて、そのミスマッチが災いしたのだろう。 

北京ダック 一羽 28元

北京の中心部では、北京ダック 一羽28元という値段が、広く定着していた。日本だったら20倍は払わないと、中華料理屋で北京ダックを食べることはできないだろう。こちらは地元なので安い。

北京のレストランまで 28元のところは 多いのだが、その一つに入ったところ、さすがに裏があった。予想通りではあったが、薬味や包んで食べる皮など、北京ダック以外はすべて別料金。全部で40元払わないと食べられない仕組みになっていた。

一方売店で買って、持ち帰りの場合は28元である。同じ28元でも、意味合いが違うところが、いかにも中国風だ。

吉野家 大繁盛

前回某外資系牛丼店と紹介していた吉野家。前回来たときは、ほとんど客が入っていなかった。そのため匿名にしていたのだが、大繁盛していたので名前を出した。100以上ある席は満席。列を作って客が買っていた。
大繁盛の理由は 場所が前回より便利なところに移動して、その効果もあるが、庶民の財布の中身が一気に増えて、牛丼にも、手がとどくようになったことが大きい。牛丼の定食は20〜25元。ケンタッキーや、マクドナルドも20元程度。同じような値段だが、どこもよく流行っていた。前回、店の中がガラガラで、ゆっくりするのにちょうど良いと思っていた
星巴克珈琲(スターバックスコーヒー)も、今回は混んでいた。値段は、当日珈琲が、サイズにより9元〜15元。外資系の この程度の値段のものにも手がとどくようになったことによる繁盛と言える。 

一方、地元の庶民的なものは、相変わらず安い。例えば、刀削麺が3元程度。北京銘柄の燕京ビールは店で飲んでも大瓶で2元〜3元。これらに比べると、外資系のものは とても割高に思えてしまう。

庶民的な食べ物は、裏通りにあり、昔ながらの店構えで、お世辞にも綺麗とは言えないが、安くて美味しい。一方、吉野家、ケンタッキー、マクドナルドに代表されるような外資系のファーストフードは、綺麗な表通りや、一等地にあるデパートの中にあり、店も綺麗だが、値段は高い。綺麗さや目新しさに価値があるということだろうが、現在のような状況がとても定常状態とは思えない。

この先、今は庶民的な値段の食べ物が値上がりし、店も綺麗になるのか? はたまた、一等地のデパートのファーストフードは駆逐され、フランス料理などの高級料理店が並ぶようになるのか?

今後の動向が楽しみだ。

手机が普及

携帯電話は中国語では手机。日本語の「機」の字を、北京語で使われる簡体字で書くと「机」になり、「手机」という日本人には紛らわしい書き方になる。携帯電話は 2年前にはほとんど見なかったが、今回は幅広く使われていた。フィリピンでも携帯電話は普及を始めているので値段を比べてみた。フィリピンだと、安いもので7000円〜10000円程度だが、北京でその価格帯のものを見つけることはできなかった。倍以上の値段をしていて、もちろんその分、コンパクトで高級そうなつくりであった。

空港に展示さてていた手机の新製品

北京の山奥

北京の山奥に住んでいる知人の家を訪ねることが、今回も第一の目的なので、延々バスに乗り継いで、山奥に出掛けた。途中に万里の長城(八達嶺)を通過し、観光には便利なところにある。

都会は変化が激しいが、知人の住んでいる北京市延慶県の山奥では、昔ながらの景色が残っている。両側に高い山がそびえ、小川に沿って、田畑が並ぶ景色は、普通の観光客にも十分お奨めしたくなるほど 美しい。ただし、通常の外国人には 自家用車でも無ければ、行くのは難しい。

変わっていたのは、子供たちが大きくなったこと。前回まだ幼稚園に通っていた子供は、既に小学三年生になっていた。また、家々へ行く道は、セメントで舗装され、家畜に引かれた荷車が通りやすくなった。

大きくなった子供たち

山水は変わらない。

セメントで固められた道
突然の訪問なのに、沢山ご馳走してもらい申しわけない限りであった。



見て歩き、食べ歩き

中関村

シリコンバレーに例えられ、最近良く話題になる中関村。一体ここがシリコンバレーなのか、秋葉原なのか、どちらに近いのかを確かめるべく、中関村を訪ねてみた。

ところが、北京は広く、中関村も広い。地図で中関村を見つけ そのあたりまで行ってみたものの、中関村の中の何処へ行けばよいのか よく分からず、犬棒的アプローチで、ウロウロ。ようやく 電子城の一つを見つけ、登城してみた。

中関村の電子城

電子城の内部

場内はパソコンの展示会のようなところ。ガラス張りの小間になったお店。ガラス張りも無く、ガラスのショーケースを置くだけの小さなスペースで製品を売っているところ。予算に合わせ、売り場面積が分かれていた。

中でもらえる 漢字と英語の混じったパンフレットを読むのが楽しい。

電脳は日本でも良く使われるようになったし、多媒体(マルチメディア)は、そのものずばりなので分かりやすい。 ところが、

Intel 奔騰 4 2.4GHz   Intel 賽揚 1.2GHz

こちらは、前後があるので すぐわかるが、漢字だけでは、ちょっと無理。
それでも、奔騰などはいかにも速く走りそうなので、競走馬の名前にでもつけたら面白そうだ。

光電鼠標、軟件(Software)大礼包

なぞなぞのようで楽しい?


漢字の話題になってしまったが、肝心の話題である中関村は、シリコンバレーか秋葉原かという点については、電子城だけ見ていたのでは、秋葉原としか言えない。一方、本場のシリコンバレーにも、中国人が経営するパソコン屋は沢山あるのも事実だ。しかし、だからと言って結論は出ない。
シリコンバレーのようにハイテク企業が沢山並んでいるのかを調べないといけないのだが、残念ながら、時間切れで見つからなかった。巷で言われていることから、ハイテク企業は沢山あるのだろうが、シリコンバレーに例えるに相応しいかどうかは不明で、次回へ持ち越すしかない。

マックとケンタッキーの合いの子

マクドナルドとケンタッキーは、中国語でそれぞれ 麦当労、肯徳基と書く。そこへ新たに麦肯基(MAIKENJI)が登場した。

「外国にはマッケンジーというファーストフードのチェーン店が沢山あって、その中国支店が麦肯基。麦当労、肯徳基の猿真似をしているのではない。」
麦肯基側は、そのように主張したいのだろうと推測されるが、いかにも楽しいネーミングである。

名前からも推測が付くとも言えるが、ここでは、ハンバーガーではなくて、チキンバーガーが売られている。
牛肉よりも 豚肉(猪肉と書く)と鶏肉を好む中国人。その中国人が住む中国では、ハンバーガーよりチキンバーガーの方が、受け入れられやすいのは事実であろう。
「中国では麦当労は邪道で、麦肯基が正道。」 そのように麦肯基側が、主張しているかどうかは定かでない。

もう一つ、ついつい考えてしまうことがある。

以前、米国が中国大使館を誤爆した事件の直後、麦当労(マクドナルド)も肯徳基(ケンタッキー)も米国の企業だからということで、市民から抗議の焼き討ちを食らった。しかし、ピザハットは、イタリアの食べ物を売っているので、米国の企業とは認識されず、焼き討ちを逃れた。
それでは、この麦肯基(MAIKENJI)は、もう一度 そのような自体が発生した場合には、焼き討ちに遭うのかそうでないのか?

「ピザハットは相変わらず焼き討ちを逃れ、麦肯基(MAIKENJI)は誤認で、焼き討ちに遭う。猿真似ばかりしているからこういうことになるのだ。 これが勧善懲悪というものだ。」 例えばこんな考え方もできよう。 とにかく、いろいろな想像をかき立ててくれる中国は楽しい。

麦肯基(MAIKENJI)の店の看板は、写真のとおり、類似ハンバーガー屋のそれに酷似している。店先に置いてある鶏のマスコットも怪しい。

麦肯基(MAIKENJI)

しかしながら、すべては未確認であり、 万一

麦肯基(MAIKENJI)は、実は 麦当労(マクドナルド)と肯徳基(ケンタッキー)が共同出資してできた第三の純正なチェーン店であったとしたら、

謝罪の広告を載せればなるまい。 
しかし、やはり決定的に怪しい。

万里の長城に裏口入門?

急な石段が続く、万里の長城(八達嶺)の南側の長城
南側の長城の山頂にある入り口。ここから強引に入れる??

前回 北京に来たときに、万里の長城に安く入る方法を検討すべく、少しだけ入場料を割引している裏口を見つけた。しかしながら、もともと、

「万里の長城は延々つながっているが、随所に多くの入り口があるはずだ。観光客が沢山訪れる八達嶺等は有料だが、それ以外のところは、地元の人が勝手にやってくるだけだろう。そこから入って 延々歩き、入場料がかかるところに来たとしても、出場する分には料金はいらないだろう。」

そのような仮説をもとに、遠くにある無料の出入り口を探していたのであった。

従って、前回の課題は 残っていて、今回も無料で入れる出入り口を探し求めた。延々と続いている万里の長城のこと、一番端に行かない限り、ニ方向に進むことができる。今回は、前回と反対側である、南側へと進んだ。急な坂を登り、山頂まで来たところで、上の写真のように、外から入ってこれる場所があった。
しかしながら、この入り口に外から来ようとすると、長城の横にある通路を延々と歩いて上がって来なければならない。これでは、侵略してくる異民族のようにいかにも怪しい。そんなところを歩いていると、長城の石段を歩いている観光客から丸見えで、疑われること間違いない。従って、この入り口も、探していたものとは言い難く、またまた次回へと課題は持ち越した。

北京のチンドン屋

中国式のチンドン屋を見かけた。百貨店の開店セールで、店の前で、踊りと笛太鼓が繰り返し披露された。
日本では、チンドン屋は、今では珍しくなってしまったが、それでもれっきとしたビジネス。職業チンドン屋である。ところが、ここで見かけたチンドン屋は 少し雰囲気が違っていた。なんとなく近くのおばさんたちがやって来て、踊りを楽しんでいるという風であり、仕事でやっているのかどうかは、甚だ疑問であった。公園や空き地に集まって沢山の人が踊りを楽しんでいるのを、中国や台湾では良く見かけるが、同じようなノリであった。

火鍋に挑戦

以前、昆明で火鍋を食べたことがあるが、今回は北京の火鍋に挑戦した。北京の冬は寒い。巷には火鍋の看板があふれていて、鍋が流行っていることがすぐわかる。

こちらでは、鍋にスープの入ったものを鍋底と呼んでいて、鍋底と具を別々に注文する。鍋底には、野菜や春雨などまでは含まれることもある。
北京の田舎の方だったので、値段は安めで、肉類以外は含まれてる小鍋底が16元。羊肉(ヤンロウ) 500gが10元。ご飯が1元。燕京ビール 2元。 全部で30元ほどだったが、一人で500gの肉を食べるのは かなり大変だった。鍋だけでなく 他の料理も注文し、3、4人で食べれば、種類、量、値段ともに充実した食事になることだろう。羊肉は好き嫌いがありそうだが、かなり薄く切ってあるし、鍋のタレも工夫してあるので、私だけでなく、大抵の日本人にも、美味しく いただけるはずだ。


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