特集 スターアライアンス特典で行く中国古都巡り

第四部 宋の都 開封

2012年8月作成


開封は宋の都として有名だが、特に明代に、黄河の氾濫による洪水に度々見舞われ、宋代に比べ、現在は8〜10mほど地面が高くなっているそうだ。ポンペイのように、火山の噴火で急に埋まったのなら、掘り起こせば良い物が沢山出てきそうだが、何度も洪水で流されたのでは、掘ってもあまり期待できそうにない。

洪水で埋まってしまったので、歴史のあるものは、あまり地表に残っていないというが、開封の正直なところであろう。それに、中国の商魂が重なって、やたらと見かけるのがテーマパークである。そういうと、あまり行く価値が無さそうに聞こえてしまうが、他にも見所があるので、できれば最後まで付き合って頂きたい。


開封 テーマパーク編

テーマパーク、テーマパークと嫌味なほど 書いているが、現地ではそのような注釈は見かけない。そのため、こっそりと模造品を売りつけようとしているのではないかという感覚になってしまうのは、日本人なら普通なのではないかと思う。

テーマパーク 清明上河園

上海万博のCGアニメでも有名になった清明上河図。名前から、明代と清代のもので、日本だったら河上さんの方が普通なので、どこかの河上の絵なのかなと思っていたのは、私だけではないだろうと勝手に思ってしまう。しかしこの絵は、宋の都 開封の繁栄を現したものである。その清明上河図の世界をテーマパークにしたのが、清明上河園である。開封にあるテーマパークで一番人気があるのがここであろう。

ところが、最初に取り上げながら、ここには入らなかった。開封の町の特徴を端的に現しているのがここなので、最初に登場させたわけだが、例によって、外から写真を撮っただけである。

清明上河園の入り口付近

テーマパーク 開封府

開封府もテーマパークであるが、なんとなくこちらには入ってみたくなった。昔の衣装をまとったスタッフがあちこちで、寸劇をやるので、映画村のようなものだが、それなりに楽しめた。一応歴史がテーマなので、昔の人物の紹介などのパネルが充実していて、博物館のような役割も果たしている。

開封府の正面

一番高い建物の上から見た全景

庭園

餌をやったら錦鯉がうじゃうじゃ
北京のバス乗り場で我先に乗ろうと
する様子を連想してしまう。

宋代と言えば、王安石の新法(変法?)というくらい王安石が宋代を代表する人物だろうと、ずっと思っていたが、開封の町に行ってみると、王安石の露出度が行く前の期待と比べて極端に低い。場所によっては、名前が出てこないところもあるくらいだ。政治の改革派というのは、今の中国には受け入れられにくいのではないかと想像するが、とにかく、評価が低いのでこうなるのであろう。王安石と、その師匠の欧陽脩、政敵の司馬光。それくらいは名前も思い出し、現地でもパネルで紹介されていると立ち止まって少し読んでみたりもする。


テーマパーク以外の有料観光施設

龍亭

龍亭は、清代に建てられたものが起源だそうだが、多くは復元されたもので、残念ながらここもテーマパークに近いのかもしれない。
開封の町の真ん中あたりの広い湖に隣接し、公園も含め敷地は広く、見ただけでこれは大変と退散する人が出てきてもおかしくないような場所だ。反対に健康のために歩こうと思っている人には、一通り見て、最後に池を半周して帰ってくれば、3kmくらいは歩くことになろう。 湖も含め雰囲気は良くてお薦めだ。

龍亭

龍亭の上から眺めた様子

時代劇を繰り返し演じている

雰囲気の良い庭園

山陝甘会館

18世紀に山西、陝西、甘粛省の商人たちが建てた会館。繊細な彫刻がいたるところにある。

山陝甘会館内部の様子

屋根の下側を中心に繊細な彫刻が施されている

個人的には、彫刻よりも奇岩による盆栽の
ようなものに興味を持った。この写真以外にも
いろいろな奇岩が揃っている。

大相国寺

6世紀に創建された歴史がある寺院だが、現在ある建物は、18世紀に再建されたそうだ。開封の町では、なかなか古い建物にはたどり着かない。日本の相国寺と友好寺院になっている。相国寺が開封の大相国寺の再興に大きく貢献したことが、相国寺のサイトに紹介されている。


開封無料観光編

宋都御街

宋代の町並みを復元した通り。商店が並んでいる。

宋都御街を南から見た様子

通りの様子

中山路の裏通り(南書店街)

昔風の造りで雰囲気が良い。

水路沿いの公園

清明上河園の東側を流れる水路沿いが雰囲気の良い公園に整備されいて、住民の憩いの場になっている。

城壁ジョギング

西安の城壁のように整備されているわけではなくて、そのまんまのところが多い。当然入場料も取られない。観光地でない町の様子に触れることもでき、ジョギング好きな人には特にお薦めだ。城壁の上を走れるところは少なく、ほとんどは城壁に沿って走るということになる。

城門

手付かずの城壁

城壁へ上がってみたら
踏み分け道ができていた。

城壁の上や横を通れず、途中でうら悲しい場所を通過。

お手つきの城壁
盛り土も綺麗に整備されていた。

城壁の横が公園になっている所もある

胡洞

道で散髪していたり、近所の人が駄弁っていたり。路地裏を見て回るのも楽しい。





町のその他の様子

開封駅

開封駅横
バスターミナルの待合室

町の中心付近にある百貨店
歴史のある街風の形をしている
地下にスーパー(超級市場)がある。

中山路

新しいマンション


靖康の変

1126年、宋が金に破れ華北を失い、これ以降南宋の時代に突入した事件。教科書には、さらっと書かれているが、インターネットで検索するとWikipediaでも裏話のようなことまで説明してある。この事件で、宋室の皇女全員が、金の皇帝・皇族の妾にされるか娼婦にされてしまったそうだ。皇帝の母や皇后まで娼婦にされたということで、相当な仕打ちである。

これは、興味本位で取り上げただけの話で、それよりも重要なことは、新法派と旧法派の政権闘争が北宋滅亡の主原因であるという事実で、現代の日本が参考にすべきことであろう。


開封で泊まる

天波網絡賓館 

今回泊まったところを紹介しておく。シャワー、トイレ、インターネット、一通り揃っていて68元。ホステルがあればそちらに行くが、見当たらなかったのでここに泊まったが、十分割安感があった。町の中心付近で、西門大街にあり、中山路と西大街の交差点から西へ、一つ先のバス停付近である。

温泉賓館

ここには泊まっていないが、何箇所か温泉宿を見かけたので、泊まりたい気になった。

開封で食べる

灌漑小龍包
大相国寺の前で10元だったが、横の老人には6元と言ったように聞こえた。西安では16元になった。値段はいろいろだが、味はどこでも良好。

朝食の包子と酸辣湯

焼きうどんのようなもの
油が多いのが難点だが、油を取りながらビールとでなんとか食べきれた。
味は良い。


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