無人島に泊まれればいいなと最初から少しは思っていたが、それよりも今回のメインはサイクリング。自転車で島の端の端まで行ってみることであった。しかしながら、例によって旅はトラブル続きであった。

出発前から、、、

以前は、自転車での遠出は少なくはなくて、輪行することも珍しくなかったが、最近は、全く輪行していなかったので、出発前からトラブルが続いた。持って行くつもりの自転車が不調で、もう一台のマウンテン・バイクに変更したのだが、そちらは、これまで輪行には使っていなかったので、なかなか分解できない。なんとかごまかしながら、家から出発する
予定時刻の20分前に袋に収まった。

またまた失敗、自転車サーチャージ

旅の失敗は何度も繰り返しているが、今回も失敗談は続く。

燃料サーチャージという忌わしい言葉は、ここ数年耳にするようになったがその前は聞いたこともなかった。
自転車サーチャージも同様である。始めて、海外へ自転車を持って行ったのは、1987年の夏、始めて中国に行った時でもあり、広州から桂林まで、自転車で走ろうという大胆な計画を立てた。しかしながら、二日目で行き倒れしてしまったという失敗談がある。機会があれば　別途紹介したい。その時も含め、台湾、グァム、ハワイなどへサイクリングに出掛けたが、２０ｋｇをはるかに下回っている自転車を預けるのに追加料金を請求されることはなかった。

しかしながら、今回は違った。航空会社があの手この手で乗客に追加料金を払わせようとしているご時世なので、自転車も追加料金が必要と言われてしまった。マジュロまで片道30ドル。往復60ドル。フィリピンなら60ドル払えば、安物のマウンテンバイクが買えてしまう。高過ぎると言いたくなったが、折角空港まで自転車を持ってきたので、諦めて30ドル支払った。

空港に着いたら、ブレーキが故障

失敗は続く。マジュロの空港に着いて、自転車を組み立て始めたら、今度はブレーキのワイヤーが切れてしまった。それも２本とも切れるという惨事である。それでも、田舎の島で、向かい風なのでゆっくり走って、何とか泊まる予定のホステルにたどり着いた。

自転車を盗まれる

ホステルの中は、結構広いが、道路に面した入り口は小さくて、勝手がよくわからず、入り口に自転車を停めておいた。到着してから二時間ほどそこに停めておいたが、問題なかった。その後買い物に行って帰ってきたが、小さい島なので大丈夫だと期待して、先ほどと同じく入り口に自転車を停めた。しかし、大丈夫ではなくて、次の朝見に行くと、自転車は無くなっていた。
やられたという気持ち。泥棒くんを利するような不注意は良くないという反省。そして、15年ほど経っている古いマウンテンバイクなので、これ幸い、古いのが厄介払いできて、新しいのが買えるという気持ち。　　この三つが交錯した。

フィリピンのシキホール島では、いろいろな物を盗まれているが、マウンテンバイクまでは、まだ盗まれていないので、
マジュロでの盗難事件を、言いわけに使おうとした。とか、古い自転車を盗まれれば、保険で新しい自転車が買えるとか、そんな邪まなことは考えていなかった。

宿屋のスタッフに相談しても、どうにもならず、自転車は諦めて、バスと乗合タクシーでの移動に切り替えた。こちらはタクシーが乗合なので、ダウンタウンで数キロ行く分には、均一の75セントで行け便利である。

警察へ報告に行く

自転車を盗まれたのがわかったのが、日曜日の朝だったので、その次の日に警察に届けに行った。すると、フレンドリーなお巡りさんで、こんな手口で泥棒が入ったとか、いろいろ紹介してくれた。
極めつけは、同じく日本人が遭遇した盗難事件である。　つい2週間ほど前に、日本人女性が、無人島に歩いていき、荷物を岸に置いて、スノーケリングをしたあと、帰ってきたらお金が盗まれていたということだった。これは余りにも古典的で、どこでも聞く話なので、間抜けとしか言いようがないが、それは、私の場合も全く同様である。自転車にチェーンのカギはかけてあっても、日本の常識を持ち込み、米国のようにどこかにくくりつけるところまではしていなかったので、簡単に持って行かれた。トラックの荷台にでも載せていったのだろう。

もう一つ日本人が盗られた話があり、1年前、ほとんど同じ場所で、日本人が自転車を盗まれたとのことだ。

マジュロのイメージダウンにならないよう言っておきたいのは、お金を盗まれた日本人女性と、私の場合には、二人とも　単純に間抜けと一蹴してよい事例である。類似の例は世界中で枚挙に暇が無い。外国人がビーチで　海に入っている間に、現地の悪者から盗難に遭ったという例は、フィリピンの私の自宅の近所でも少なくない。お金を盗まれた例が2件。懐中電灯が1件ある。