特集 デルタで行くナッソー

第一部 フライト、空港

2005年11月


DL55便 ATL/NRT

町のすぐ横でも完璧に透明な
バハマの海

デルタを利用して、バハマの首都ナッソーへ出掛けた。

私のように、急に日本に帰ってきて、すぐにまた外国に出掛けようとするような旅行者にとって、NWの格安航空券の遅割増料金体系は甚だ やり難い。仕方がないので浮気を考え、いろいろ調べたところ、デルタのナッソー行きが目に止まった。これが一番安いかというと、決してそうではない。 私のように関空ベースだと、デルタでは 成田までの運賃を余計に取られてしまう。それでも行こうと思ったのは、UA,NWはナッソーへは飛んでおらず これまで行ったことがなくて 魅力を感じたからである。

100% Platinum Elite Bonus

ところが、いつもよく失敗しているのと同様、今回も落とし穴にはまった。NWのプラチナから転落するのは悲しいので、今回の分が無事EQMにカウントされるかどうか そこをまず航空会社に電話で確認してみた。多分入手可能な一番下のクラスなのだろうと思うが、今回はデルタのLクラスで、NWのホームページでも確認し、さらにNWに電話して、このクラスでもOKか聞いてみたところ、100% EQMとしてカウントされるとのことだった。さらに、エリートボーナスマイルも100%付きますということだったので、安心して このチケットを買った。ところが帰ってきて、NWのホームページでマイルのサマリーを見てびっくり。100% Platinum Elite Bonusが付いていた。 そんなものは世の中に存在しないのではないかと、目を疑ったが後の祭り。NWに電話で確認したが、デルタ利用の場合だけ、125%から100%に割引されてしまうとのことだ。 乗る前に電話でも確認したし、ホームページにもそんな記述は見つからなかったと、航空会社にクレームとつけるようなことは、このご時世ではやってはいけないことだろう。航空会社も苦しい状況なので、ここで書いて、憂さを晴らすしかあるまい。
インターネットで 旅行代理店の広告に、「100%マイルを加算」という文句を何度も見かけた。これが頭にあって、100%に違う意味のあるのを見落としていたのである。

以前にも同様な失敗をした。SQでスペインに行った時のことだ。UAのEQMにカウントされるので利用したのだが、ボーナスマイルは加算されなかった。それでも そのルールは知っていたので、最初から諦めていた。しかしながら、Million Mile Flyerの方にはカウントされないというルールは、その時は 知らなかったので、帰ってからがっかりした。 UAに乗り続けていたら いつかはMillion Mile Flyerになれるだろうと、そう思っている人も少なくないはずだ。このルールは浮気封じの強力な縛りになっていることだろう。


今回は、ITM/NRT/ATL/NAS/MCO/ATL/NRT/ITMという経路を利用した。以下個別に説明する。

ITM/NRT, NRT/ITM ANA

デルタで行くと言いながら、成田便しかないので、日本の国内線はANAを利用した。これまでと同様、アップグレードしてもらえて、スーパーシートに座れた。航空会社によるとファーストクラスのシートだそうで、確かに以前のアップグレードの時より席が良くなったような気がした。残念ながらリクライニングを試すのを忘れてしまった。
行きのITM/NRTは良かったが、帰りのNRT/ITMは、アップグレードされなかった。 有料で いくらでアップグレードできると、アナウンスしていた。無料ではアップグレードしないということだろう。

さて、以前に上級者の方から、くれぐれも航空会社を刺激しないように という指摘を受けたことがある。

ITMの職員が これを読んで、自分のところも、無料にするのは止めようと思うかもしれないので、こんなことは書かないほうが良いという方もいるかもしれないが、反対に、たまには無料でアップグレードした方が、サービスの良さでユーザーを引き付け、囲い込めると、そうNRTの職員が思うことを、ここでは期待したい。
幾らインターネットで公開しているからと言って、ANAの職員が、わざわざこれを読むとはないだろうが、ナッソーには行くかもしれないので、Googleでナッソーをキーワードにして検索したところ、約54000ヒットした。そちらの線からも、これが目に付くことはなさそうだ。

NRT/ATL DL56, ATL/NRT DL55

成田・アトランタ間のDL55/56は777だ。機内誌によれば、デルタには747はないそうだ。フィリピン航空でも747を持っているのに、こんな大きな航空会社に747がないのは、随分不思議に思われたが、考えてみれば、米国の航空会社で747を持っているところは、ほんの一握りだ。737しかない航空会社が一番の優良企業だったりして、機材の種類が少ないことは良いことだとも言えるのだろう。

DL56便 777 NRT/ATL

国際線もアルコールが有料

インターネットの噂にもあったが、エコノミーでは、国際線でもアルコールは有料である。料金は600円か5ドル。値段が値段だけに、周りでアルコールを注文している人は見かけなかった。私は 成田でチェックイン時、アルコール飲料の引換券を二枚もらっていたので、行き帰りに一枚ずつ使った。帰りには引き換え券はもらえないだろうと思っていたが、やはりその通りだった。成田で 「帰りの分はもらえないでしょうか?」と聞いてみたら良かったのかもしれないが、ちょっとあつかましいと言えそうだ。

インターネットで検索してみたところ、COは2002年7月1日から、デルタは2002年10月15日から、AAは2002年11月1日から有料化が始まったそうだ。UAとNWは競合しているので、どちらかが有料化すれば、もう一方も追随するのは容易に想像できる。なんとか無料を続けて欲しいというのが、万人の願いかと思ったが、インターネットの検索結果では、「無料だからと言って飲み過ぎるのは周りに迷惑。飲みたければお金を払って飲むのが当然。」という意見もあるそうだ。これを航空会社が取り上げ、飲み過ぎの酔っ払いのために、無料がなくったらとんでもない話だ。一部のテロリストのために、空港のロッカーが閉鎖され、難儀にしているのと同じ様なことになってしまう。 飲み過ぎて周りに迷惑をかけるのだけは止めたいし、止めてもらいたいものだ。

最後列を初体験

UA,NWばかりに乗っていれば、格安航空券でも席は大抵前の方になる。ところが、デルタではSkyteam Elite Plusでも、他社のマイレージのカードでは、恩恵は少なそうだ。行きは、なんと これまで座った経験がない、最後列の席にされてしまった。そのためか 豪快に揺れた。また、私の前の人までは、行きの便の夕食は選択ができたが、私だけは残りが無くて、自動的にパスタになった。

食事抜きを初体験

帰りの便で到着前に食事が出るはずだった。ところが到着前になって、機体が揺れ出し、結局揺れは収まらず、食事は抜きになった。こんなことは今まで無かった。 どこへ行ったか あの食事。


以上は、マイナス面ばかり並べ、いかにも浮気は止めようと言わんばかりであったが、良い面も沢山ある。

食事の量が多い

太平洋線の場合には、2回目の食事は、朝食など軽いメニューの場合が多いが、今回のデルタの場合には、距離が長いこともあり、2回目の食事もタップリな量であるし、その間にもスナックとしてサンドイッチが出た。さらには、行きのDL56便では、夕食とスナックの間に、カップヌードルまで配っていた。

夕食のパスタ @DL56

昼食 @Dl56

エンターテイメント・システムが充実

747のエコノミーで、映画を同時には1つしか上映しないのと比べると、ビデオのチャンネルが揃っていて、選択の範囲が広く、格段優れている。NWのA330の方がシステムが新しいので、それには劣るが、これでも十分だろう。

あまり、パッとしないようにも見えるが、何事も経験してみる価値は十分にある。そして、やはり、初めての土地に行ってみるのは価値がある。UA,NWではナッソーへは行けない。

NAS便

ナッソーまでは、現状のスケジュールだと、日本から行きは同日乗り継ぎが可能だが、帰りはそれができず、どこかで泊まる必要が出てくる。それならオーランドに行こうと思い、NAS/ATL/MCOという経路を想定していたのだが、オーランドへの直行便があるとのことであった。それは、コートシェア便で乗れないのかと思っていたのだが、Delta Connectionで乗れるとのことであった。直行便ではマイルが貯まりにくいと そんなことを言っても、航空会社に嫌われ却下されるだけなので、便利な直行便を利用した。行きのATL/NASは、米国人が多かったが、帰りのNAS/MCOは、ほとんどバハマの人たちだった。米国を中心とした観光客が多いお陰で、バハマの一人当たりのGDPは韓国や台湾よりも大きい。

Delta Connection
儲かっているので、外国へ観光する人も多いのだろう。また、オーランドは、バハマから出掛けるのに手軽な観光地なのだろう。


ナッソー国際空港

予想に反して、かなり小さな空港であった。バハマへは、飛行機よりもフロリダから船で来る人が多いのだろう。UAのホームページでも、クルーズの情報が沢山見つかるし、特典旅行でもクルーズができるそうだ。ちなみに、これまで私がクルーズに対して抱いていたイメージは、ドレスコードがうるさいとか、お金持ちが行くもので、私のようなバジットトラベラーは関係ないというものだったが、クルーズ船から降りてきた米国人の団体さんを見ていると、そんな雰囲気はサラサラなくて、いかにも普通であった。高級リムジンで有名ホテルに乗りつけ、ホテルの中の 普通より1桁ほど高そうなレストランで食事するというのではなくて、私も乗っていたポンポン船で対岸の島に行き、ウロウロ歩いて散策しているだけの人も多かった。

空港に話題を戻すと、一番驚いたのは、セキュリティーチェックへと進む通路である。道無きを進まないと、セキュリティーチェックの場所に たどり着かない。場所が足りなくて、セキュリティチェックの前まで チェックインカウンターを作ってしまい、通路をふさいだのではないかと想像するが、とにかく、チェックインカウンターの隙間を通り抜けないといけない。天下の観光地のナッソーがこれでは頂けない。多分、改築の予定があるのだろう。
これとは反対に、これまでの経験で、予想に反して立派だった空港は、先日紹介したタイのチェンライである。山奥のあばら家空港かと思って行ったら、とんでもない立派な空港だった。しかし、数百人座れる国際線乗り継ぎ客用の待合室で、客は私一人だったというおちが付く。

ナッソーの空港の良いところは、カナダの空港と同様、米国への入国審査を、こちらで済ませてしまうことである。日本に帰ると言えば、すんなり入国審査を通れるので、とてもやりやすい。
アトランタでは、米国を出国する時にI94Wを置いて行けと言われたので 指示に従い、こちらで再度I94Wを書いた。

チェックイン・カウンター
待合室は、一箇所に集中している。SFOやLAXのUnited Expressのターミナルのような感じ

ラウンジ

今回は、ITMでANAのラウンジ。NRTでJALとANAのラウンジ。ATLとMCOでデルタのラウンジを利用した。NASではラウンジは見当たらなかった。ANAのラウンジは、ITMでは国内線用のラウンジなためアルコール類は置いていなかった。NRTも同様に国内線だが、国際線からの乗り換え客が利用するので、こちらはアルコール類も置いてあった。NRTのJALのラウンジでは、先日NWの出発が遅れ、そちらで待つようにと連れて行かれたNGOのJALラウンジと同じような飲み物、食べ物が置いてあった。同じ会社なので当然だ。デルタのラウンジでは特筆したいのはMCOだ。とても高級感の漂うラウンジで、私のようなGパン姿では、場違いな雰囲気があった。それでも門前払いされることはなく、立地な気分にさせてくれた。

JALラウンジ@NRT

デルタ・ラウンジ@MCO


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