台湾特集 2011 

第六部 鹿港

  2011年 5月作成    
2013年7月最終更新
 


(2013年7月更新) 鹿港の豚まん、その他を更新しました。

鹿港は台湾中部、西海岸沿いの町。寺社や古い町並みがあり、多くの人が訪れる観光地である。台北からの直通バスに乗るのが便利だが、台中、彰化からのバスも多い。

町の様子

老街

店が並び鹿港観光の中心と言える場所。確かに雰囲気が良い。

昼間行くとこうなり、店が開いている。

早朝行くと、ひっそりしている。

日曜日に行くとこうなる。
(2011年12月)

(以下2013年7月追加)

始めて鹿港に来た20年くらい前に比べ、町のイメージは大きく変わった。残念ながら、前デジカメ時代で初回の写真が残っていないが、今後どのように町の様子が変わっていくのか興味深い。

老街に新しく出来た喫茶店風の店。 
なかなか雰囲気が良さそう。

老街の様子(2013年6月)

寺社仏閣

20年ほど前にも鹿港に来たが、その時バスは天后宮の前に停まったように思うが、とにかくあまりにも様子が変わっているので正確ではない。道路も舗装されていなかったように思うが それもうろ覚えだ。蛤のスープを飲んだのだけは、はっきり覚えていて、それは、今でもその辺りの店でも売っていた。三箇所写真を紹介しておくが、他にも寺社仏閣が沢山ある。ただし、小さな建物が多い。

天后宮

龍山寺

城隍廟

巷は ここでは日本の路地であろう。あまり人も来ないし、何か発見がありそうで、散策するのが楽しい。

九曲巷

後車巷

(以下、2011年12月追加分)

観光案内所には日本語が堪能な人がいて、その人に薦められたのが摸乳巷である。ここは、幅が狭くて、両側から人が来るとすれ違うのが難しい。実際にも現地でそういう状況になったが、こちらは、何人も列を作って歩いているので、反対側の人に戻ってもらった。途中で壁だけでなくて、家の様子も見れるのだが、前から、後ろから待っている状態なので、ゆっくり途中を見る余裕はなくて、ほとんど前の女性だけ見て通り過ぎた。

摸乳巷
前から人が来ていたら、巷に入らず待つしかない。

追い越す幅はなく、
歩くペースは前の人次第だ。

鹿港民族文物館 

台湾にしては、少し入場料が高過ぎる(NT$130)気もするが、展示が充実しているので、お奨め。特に、向かって左側の建物は たくさん部屋があり、迷路のようになっていて面白い。もちろん部屋ごとに展示がある。

鹿港民族文物館
洒落た洋館
メインの中山路から、鹿港民族文物館への通路。細長い家とも言える。

日本の建物

花蓮で日本式の建物を探してもなかなか見つからなかったが、ここでは二箇所日本の建物がある。といっても、観光案内にも載っている場所だ。

鹿港鎮史館 鹿港街長宿舎
昭和10年に建てられた鹿港街長の公館。役場の横に建っている。

鹿港日式宿舎(鹿港桂花巷藝術村)
日本風の建物による藝術村。
家の中は工房になっている。

鹿港藝文館 (2013年7月追加)

老街の並びにある藝術作品の展示会場。期間で入れ替わり、いろいろな作品を無料で見られる。

鹿港藝文館

藝文館の前にあり、竹でできた屋根のような オブジェのようなもの。

鹿港車站 (2011年12月)

駅舎の跡があるだけで、ここから鉄道に乗れるわけではない。建物は現在観光案内所として利用されており、日本語ができる人もいて、熱心に町の説明をしてくれる。外には、機関車が展示されている。

台糖鹿港車站

機関車

その他の様子

町の名前から どこかに鹿がいるはずと思っていたが やっぱり見かけた。

中山路

台北行き Uバス乗り場。

明治40年に東京の博覧会で賞をもらったという
お菓子屋の看板。親日の台湾ならではのものだろう。

鹿港で食べる 

2011年6月

今回の台湾では、自助餐、快食、米国のPanda expressを少し小汚くしたような中華のファーストフード店に通いつめる方針であった。しかし、鹿港では結構いろいろなものが食べられるので、ちょっと守備範囲を広めてみた。

麺線糊

竹仔米(米+羔):NT$25 ケチャップをかける。 四神湯:NT$30 腸と雑穀

酸辣湯と魯肉飯のような麺

自助餐 NT$55

2011年12月

前回の鹿港では、一泊二日の間にやたらといろいろ食べたが、今回も 半日の間に やはりいろいろとBC級グルメに走った。しかしながら、短い時間にいろいろ試して食べるには、普通の食事では無理で、台湾では小吃、英語やフィリピンでならsnack、日本ならおやつか間食ということになろう。

初回に来た時にも、アサリ汁を飲んだ。その時は、貝殻も入って日本と同じように料理して出されたと記憶している。しかし今回は、貝殻はなくて身だけが沢山入っていた。値上げの口実に具沢山にするため、貝殻は捨てて、身だけにしたのではないかと疑いたくなる。昔は20元、 今回は50元。 しかし20元は 20年前の話だ。インフレの影響もあろう。片栗粉か餅粉もしくはコーンスターチ、それともタピオカスターチ、その手の親戚をまぶして、周囲をプリプリにして、身を水増ししているようだった。

市場周辺
手っ取り早く台湾小吃にありつくには、ここに行くのが一番だ。

大根餅とアサリのスープ 
アサリのスープを出す店は、
天后宮の前に集中している。

芋丸
鹿港では他にも蝦丸が有名。日本びいきの台湾なら、歌丸、蝉丸もあって良さそうだが、さすがに見かけない。

芋丸の山
左の写真のように上から、タレなどをかけると、芋丸本体が良く分からないが、上のようなものだ。刻んだ芋を蒸し固めてある。中に肉も入った具が入っている

肉圓
新年快楽(Happy new year)のように、日本人には意味深な名前のようにも思える。台湾では漢字でいろいろ楽しめる

肉圓の山
芋丸に比べ、具は肉のみで、その分値段が少し高い。

2013年6月

待ち歩きで見つけた二品を紹介する。

龍山イカ肉粳
(中国語のイカの漢字が出ないので
カタカナにさせてもらった。)
あんかけのスープ

三色湯圓
カキ氷も入ったあんみつのようなもの。
切り餅、あずき、金時豆、緑豆、粒が大きめの白い穀物(不明)が入っている。
ほんのりした甘みで日本人好み。

鹿港の豚まん 

鹿港の豚まんは世界的(?)に有名で、食の中でも別途取り上げて紹介しておく。

2011年12月

鹿港の豚まんは有名だ。(現地では肉包(ローパオ)と書いて、現地でもらえる日本語のパンフレットには肉まんと書いてあるので、そう書いても良さそうだが、中身は豚肉なので、豚まんと書いてみた。 )
鹿港では、休日、有名店の前には長い列ができる。私も列に加わって買おうかとも思ったが、面倒なのでそれはやめて、人が並んでいない店で買って食べてみた。それでも、非常に美味しかった。これまで食べた経験のあるものとは異なり、具をジューシーにするためと思える、ぶち切れビーフンのような形で、中身は水分の多いものが入っていて、それが美味に一番貢献しているように感じた。

中国の朝飯で、小龍包と小龍湯包があれば、迷わず小龍湯包を選ぶ。値段は倍ほど違うが、味は天と地の違いである。日本では小龍包と言えば、スープ入り肉まんと訳されるが、中国の小龍包でスープ入りを食べた経験はない。小龍包と書いてあれば、日本の豚まんを小さくしただけで、少しばさばさしていて、しょうゆなどをつけて食べるが、それよりも小龍湯包の方が圧倒的な美味しさであろう。それでは、日本でスープ入り豚まん(肉まん)と訳すように、通常のスープ入りの小さなものと相似で、日本の豚まんの大きさのものに スープが入っていたらどうなるか。スープが多過ぎて、食べたら大やけどしそうだ。スープ入りは現状あるような小さいのがイメージしやすい。大きい豚まんを、小さなスープ入り豚まんのようにジューシーにするには、新たな工夫が必要になって来るはずで、鹿港の豚まんはその一つの答えであろうというのが 私の今回の見立てである。

しかしながら、鹿港で有名どころの肉包をまだ食べていないので、鹿港の豚まんについて云々するのはまだまだ早計で、今後の調査が必要ということになろう。

今回の豚まんを 現地で買ってすぐ食べた時には、非常に美味しかったが、台北に持って帰り 冷めたまま食べたら 別物のようになり、味も落ちてしまった。
以前、日本の自宅でうなぎ料理店をしていて、うなぎ百選にもリストアップされていたので、私もそこそこの味は分かるつもりでいるが、生きているうなぎを割いて、蒲焼にして、熱いうちに食べないと味は落ちて行った。豚まんにも同様のことが当てはまるはずだ。
日本なら、豚まんは季節商品で、鍋と同様冬場に食べてこそ美味しい。鹿港の豚まんも、夏場でなくて、セーターが必要に感じる頃に食べた方が美味しそうだ。しかし、タイすきやシンガポールの鍋料理のように、エアコンを効かした部屋で食べるという選択肢もあるのかもしれない。

今回買って食べた肉包
これまで経験したことのない
美味しさだった。

肉包を買ったお店

行列なし

老龍師肉包
2店舗あったが、どちらも長い列で、わざわざ並ぶ気にならなかった。

巧味珍肉包
台湾百名店と書かれていた。しかし、長い列はできていなかった。

2013年6月

前回は、ハイシーズンの週末で、有名豚まん店の前には長い行列ができて、人気店の豚まんを食べることができなかった。今回は、暑い時期で、しかも平日だったので、行列はなくて、どこの豚まんも簡単に買うことができた。前回できていなかった、味の比較のため、三店で買って比較してみたが、残念ながらどれも旨いということで終わってしまった。共通しているのは、それなりの大きさに切った肉がしっかり入っているということだが、味は例えば胡椒がしっかり効いているものがあったりとか、店によっていろいろである。
タケノコが細長く切っているか、大き目に切っているか、入っていないか、それぞれに食感が違う。

現状での推測では、この激戦地帯では どこもレベルが高くて、大きな違いは無さそうだ。しかし、一通り食べてみれば、ずば抜けた味の店が見つかるかもしれない。

ということで、詳細な比較は、また行くことができた場合の宿題としたい。

その時のために、気がついたことをまとめておきたい。

利き酒と同じで、並べて同じ時に食べてみないと、とちらがより美味しいか、比較するのは難しい。今回は、三店で買ったが、食べ歩きで、お腹の空き具合もあり、そのうちの二つは台中で泊まっていた宿に持ち帰ってから食べた。熱々と冷めた豚まんを比較してもダメであろう。

歩きながら味わっても、比較するためには限界があり、豚まんが美味しく感じる秋風が吹く頃の平日に、鹿港に泊まって、腰を落ち着けて比較するのが良さそうだ。そして、予め評判などをもとに、4、5店の候補を絞り、一つづつ豚まんを買ってきて、宿に持ち帰り、一個一個、中身を分析しながら 味を比べれば、それなりの結果が得られるはずだ。

比較にGoogleを介在させ、それを予選にしてしまうと、ここでも写真を挙げている老龍師肉包と阿振肉包の二つを比較しておけば十分なようだが、私の経験では、最初に食べた別の店の方が、さらに美味しいように思える。次の機会を見つけて、自分なりに比較してみたい。

値段は通常は15元が多いが、人気有名店では、20元のところもあり、売れ出すと値段を吊り上げるという良くあるパターンになっていないかどうか、その辺のところも比較の項目に加えたい。

今回食べた豚まんの一つ

シーズンには行列ができる店の一つ
阿振肉包

菜包 (2011年12月)

鹿港で肉包を買った店に、菜包もあるように書かれていたが、その時は売っていなかったので まだ食べていないが、台北では食べてみた。大陸の中国では、菜包と言えば、当然のように肉など入っているはずがないが、台北では野菜だけでなくて豚肉も入っていた。日本ならこれも豚まんのうちであろう。野菜を入れだしたら、豚まんの可能性は一気に広がる。野菜の味、食感、組み合わせで無限の可能性がありそうだ。日本だったら、豚まんには竹の子に加え、にんじん、たまねぎぐらいが入っていそうだが、意識して食べているわけではないので、正確ではない。中国だと、朝飯に包子を食べようとすると、私なら機械的に安いものを選ぶので、菜包になってしまう。その中にはチンゲン菜が入っているイメージが強いが、実は大根葉だったかもしれない。中国では安かろうの菜包だが、台湾のように豚肉も入れ、野菜もいろいろ加えれば、無限の可能性が広がるはずだ。

シューパオ (2011年12月)

鹿港からは、さらに話が飛んでしまうが、豚まんの話題を付け加えておくと、フィリピンの豚まんはシューパオと呼ばれる。香港飲茶では、叉焼包と言って売りに来るので、日本で 勝手にインターを省略してネットになっているように、チャーが消えてシューパオになったのだろうと、適当に解釈しているが、どうせ その程度のことであろう。シューパオもいろいろな味があり、先日知り合いからチャイナタウンのとある店のシューパオが美味しいという情報をもらったので、買ってみたら肉が角切りになっていた。ミンチ肉に、すり潰しの肉、豚肉に関しては、角切りも加えカテゴリーが三つに分かれそうだ。スパゲッティのミートソースなら、ミンチ肉しかあり得ないように思うが、豚まんの場合には、この三種類はどれも可能性がありそうだ。豚の角煮を入れるのは少し難しそうだが、かなり柔らかくすれば、それも可能かもしれない。流石にポークチョップまんは駄目だろう。

鹿港で安宿に泊まる

メインストリートである中山路に二箇所旅社があり、その一つの和平大旅社に泊まった。安い部屋にしてくれと言ったが、値引きしてもNT$700と言われ、もう一箇所の旅社があるのに気付いていなかったので、そのまま泊まってしまった。予算オーバーで、部屋は広過ぎ、綺麗過ぎたが、コストパフォーマンスは良く、12時前まで居てやろうという気持ちになった。
台中に行けば、NT$400くらいの旅社も見つかるので、そちらに泊まった方が安いとは言えるが、何事も経験、一度は鹿港に泊まってみるのも悪くない。

和平大旅社@中山路

全忠旅社@中山路
こちらは泊まっていないが、検索の結果NT$700という料金が見つかった。




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