特集 UA Fクラス 2万マイルで行く台湾

第一部 超親日の国 台湾へ行こう

2005年6月


中正(蒋介石)紀念堂

夜市

反日デモで騒がれた別の隣国等と比べ、台湾は超親日の国である。台湾が国かどうかと言えば、正確には、ROC(中華民国)の方が国名で、台湾は省なのだろう。最近は台湾の教科書でも、南京が首都とは、書かなくなったそうだが、それでは首都は台北かと言うと、違和感がなくもない。こういう時は、Capitalとしておけば、米国なら州都も含むので、ごまかしが効きそうだ。

政治的な話を、あまり取り挙げるつもりはないが、なぜ台湾が親日かということについては書いておきたい。第二次大戦後、国民党が入ってきて、台湾を支配したが、「国民党による支配より、戦前の日本の統治の方がまだ ましであった。」 台湾の人々が両者を比べてそう思ったことが、今日まで 台湾の人々が日本を嫌っていない大きな理由であることは、一般にも言われているとおり、間違いないはずだ。
そして、この「日本の統治の方がましだった。」と台湾の人が思った その大きな契機になったのが、1947年に起こった2・28事件である。国民党が、抵抗勢力である台湾の気骨のある人々を軒並み粛清、虐殺したのである。その数は、数千から数万人といわれている。この事件で、抵抗勢力は一掃されたが、人々のうらみつらみは残って、相対的に、日本の方がまだいい、嫌いではないということになった。2・28事件のおかげで、日本は、言わば 棚ぼたの親日を勝ち取ったわけだ。

最近は、韓流ばやりで、東南アジアで外国からのテレビドラマと言えば、韓国という感が強くなった。私の住んでいるフィリピンでも、世界を制覇している日本のアニメは見れても、ドラマは日本のものはなくて、韓国ものが多い。これに対して、台湾では、ドラマも含めで日本のテレビ番組を沢山見ることができる。日本の番組専門のチャンネルもいくつかあり(緯来日本、JETTV)、時間によっては同時に4、5チャンネルで日本の番組が放送されている。CATVで100チャンネルほどあるので、その中の4、5チャンネルではそれほど多くないというかもしれないが、それでも、他の国と比べると破格の多さだ。通常は、あってもNHKだけだろう。テレビの状況からだけでも、台湾の人々の日本に対する思い入れの大きさがわかる。

町を歩いていても、赤坂拉麺、元町カレー、大阪焼など、日本の名前を沢山見かける。日本のデパートも賑わっている。台北のSOGOは人でごった返している。ダイソーも進出しているが、なんと「全部50元」という看板で勝負している。これだと日本の倍近い値段だ。中に入ってみると、値札はほとんど39元となっていて、これは、近くに39の数字を掲げた類似店があり、その影響を受けているようだが、それにしてもまだ日本より高い。この値段で十分 客が入っているのは、日本の企業だということが影響しているのは間違いない。

人がフレンドリーかというと、これは少し違う話になる。そういう面では、フィリピンの人の方がフレンドリーだ。特にフィリピンの田舎に行けば、外国人でも すぐに受け入れてくれて、あっと言う間に沢山の友達ができてしまう。そう言うと、異なる意図が見え隠れしてしまうので、台湾の人に話を戻すと、最初の取っ掛かりの敷居は少し高いと思うが、一度、友だちができると、そのつてで、次から次への友だちの輪が広がって行く。
私の場合は、必要がなければ、それほど積極的に人に話し掛けていく方ではないが、そういうタイプの人で、台湾で友だちをつくろうと思っているなら、普段とは態度を変え、積極的に人に話し掛けていった方が良い。とっかかりさえできれば、日本に関心を持っている人が多いので、あとは、うまくいくはずだ。

最後に、友だちの家でのエピソードを一つ紹介しておく。
台湾の料理も普通の中華料理と同じく、いくつもの大皿に料理を盛って取り分けて食べる。友だちの家でも毎日2、3品を料理し、前からの残りも含め、テーブルに沢山料理を並べて食べていた。そういう状況なので、料理を何人分用意するというようなことではなくて、毎晩のように、いろいろな友だちを呼んで来ては、一緒に食事をして、酒を飲んで愉快に暮していた。
そういうところに 入っていけば、一気に 友だちの輪が広がるというものだ。




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