特集 スターアライアンス特典旅行で行く
津波後のタイ南部

第二部 プーケット

2006年2月


プーケット・タウン

自分でも説明が難しいが、とにかく とんでもないハイ・シーズンにタイ南部に来てしまった。観光地であるビーチ沿いは、オフシーズンならホテルは、5割、6割引きは当たり前なので、ハイ・シーズンでは、割高感が先行し、まともなホテルに泊まるような気分になれない。バックパッカー御用達のピーピー島では、前回の3倍程度の値段になっていた。オフ・シーズンにもう一度来ようと思いつつ 予定を短縮して、次の町へと向かった。

さて、このハイシーズン対策として登場させたのがプーケット・タウンである。観光地であるビーチ沿いのホテルに泊まっていては、ハイ・シーズンでは、とても割高だ。そこで、ダウンタウンに泊まった。こちらは、ただの町なので、時期によって宿泊料金が変わることは少ない。食事も庶民価格なので割安感がある。島内を走るバスは、プーケット・タウンを起点に走っているので、バスで好きなビーチに行くこともできる。朝寝坊しなければ、1日二箇所も十分可能だ。
ただし、どうせならバイクを借りるのが良さそうだ。島は広いので、いろいろ自由に見て回るにはバイクが一番手軽だ。

ここでの課題はやはりホテルであろう。せっかく観光地に来ていながら、何もないただの町に泊まっていては、うら悲しい気分になるかもしれない。私の場合は割安感が一番なので、まったく平気だが、次回オフシーズンに再訪して、ピーチ沿いのコストパフォーマンスの良い宿を、徹底調査したいものである。
しかしながら、できればサムイ島やタオ島あたりにも行きたいし、次回のプーケット行きが いつ実現するかは、全く未定である。さらには、フィリピンには七千を超える島があり、これを全部制覇しようという野望は、まったく実現の目処が立っていない。

プーケットタウンのことを、ほとんど書いていないが、思ったより大きくて、綺麗なところだ。観光マネーが入ったお陰であろう。デパートもあるし、地図によれば、ホテルも30程度あって、選択の範囲は広い。安宿ばかりでなくて、そこそこのホテルに泊まってみるのも良さそうだ。

プーケット・タウンの町並み

夕方のロビンソン・デパートあたり

On On Hotel
歴史を感じさせる建物だ。

THAVORN HOTEL
On Onで薦められた安宿。一泊280B

津波の痕跡

津波後どうなったかを見てくるのが今回の最大の目的だったが、プーケットでそのような痕跡を見つけるのは難しかった。そういうと被災された方々に叱られるのかもしれないが、観光で復興するという観点からは、何の影響もないと言ってしまった方が喜ばれることだろう。いずれにせよ、観光客でごった返していて、1年余り前に津波の直撃を受けたというような印象は受けない。

唯一 見つけたのは 津波の避難経路の標識である。

パトン・ビーチ

ホテルも店の数も多くて、一番沢山の観光客で賑わっているのがパトン・ビーチだ。歓楽街で飲み屋も多く、夜になるとまた、別の賑わいを見せそうだ。ただし、ダウンタウンからのバスがなくなってしまうので、私は 明るいうちに帰ってしまったので、詳細は不明だ。

パトン・ビーチ

ネイティブ・スタイルの建物の飲み屋街


ビーチから300m以上離れた裏通りだが、飲み屋やレストラン、ホテルが並ぶ。 安宿は、ビーチから離れた路地裏で、狭い敷地に、4、5階建てくらいの建物になっている場合が多い。土地が高騰している様子が容易に伺える。
実際には、新しくて綺麗なので、これでも安宿ではないのだろう。


カロン・ビーチ

パトン・ビーチの隣ではあるが、こちらはヒルトンなどの高級ホテルが広大な敷地を買い占めて、散在しているだけなので、ビーチの人影もまばらだ。
ここのビーチ沿いの道路は結構高さがあるので、このビーチでは津波の影響は少なくて済んだのではないかと想像される。

混雑がなく落ち着いた雰囲気の
カロン・ビーチ

波で砂が段になっている。
砂の細かさをあらわしていそうだ。

海沿いの道は、海面からは結構高さがあり、津波に強そうだ。

カタ・ビーチ

カロン・ビーチのすぐ南側にあるのがカタ・ビーチで、この二つは歩いて行ける範囲である。

パトン・ビーチは、歓楽街でケバケバしていて、カロン・ビーチは、静かで落ち着いた感じなのに対し、カタ・ビーチの方は庶民的な雰囲気であった。それぞれ違った感じなので、ビーチ巡りをしてみるのは悪くない。
パトンや、カロンに比べるとビーチはそれほど広くなくて、端から端まで歩くにはちょうど良い。米国人が多そうだが、健康のため、特に朝方 ビーチを歩いている姿を多く見かける。これは、どのビーチも同じである。

リゾート客で賑わうカタ・ビーチ

島の写真を撮ろうとしたら、トップレスがアングルに入ってしまった。

確かにプーケットではトップレスを沢山見かけた。欧米の女性にとっては、普通とも言えるのだろう。

そこで思うのが、それなら最初からトップレス用の水着を買えば、値段も男性並になり、安くて良さそうだということだ。しかしながら、実際には そんなものを扱っていては儲からないので 売っていないのだろう。買う側も恥ずかしいので買い難いことだろう。

熱帯の植物をふんだんに植えてある
シーフード・レストラン

プーケット水族館

〜 外国人価格 〜

ダウンタウンからバスが出ているので、試しにプーケット水族館に行ってみた。ここに来て、まずひっかかったのは、悪名高き外国人価格である。タイに外国人価格ありという噂は聞いていたが、初めてそれを経験した。現地人は50バーツで、外国人は100バーツだった。外国人価格といっても日本の水族館よりは安いので、そのまま入ってしまった。

外国人価格というと、まず思い出すのは中国だ。中国語を駆使して、何とか中国人に仲間に入れてもらおうと、あの手この手で試してきた。香港同胞の値段にしてもらった時もあったし、故宮では、表口ではうまくいったが、裏口から入ると外国人だと言われてしまったことがあった。しかしながら、それも今は昔。経済発展とともに、外国人価格は消えてなくなった。

カンクンの横の小さな島であるイスラ・ムヘーレスでも、観光客と現地の人が払っている船の値段に違いがあることを発見した。今回行ったピーピー島でも、船の値段は値上がりを続けていて、これでは、現地の人たちが買出しに出かけるのには高くて使えない。二重価格になっていそうだ。なぜ、そう疑うかというと、もちろん高いからだが、近くのクラビーからの島巡りの料金と、ピーピー島へ行く片道の船の料金とがほとんど同じなのである。これではバランスが悪い。ピーピー島では最低の部屋で600バーツ。一方のクラビーの方は、100バーツだった。立地や部屋の差もあるが、人気商売であり、人気の高いピーピー島では、すべてが割高。船の値段も二重価格になっていそうに思えた。オフ・シーズンならピーピー島の宿代も高くないので、出かける季節を選ぶべきだ。

プーケット水族館

水族館の方は、ごく普通のレベルで、時間があれば行ってみるという程度と言えそうだ。バスの本数が少ないので、出かけるならバイクをレンタルした方が良さそうである。逆にバイクを借りたら是非ついでに立ち寄りたい。周りの雰囲気も悪くない。ここのすぐ横にもビーチリゾートがあり、結構高級そうだった。

VISA RUN/ VISA WALK

プーケットでよく見かけた看板にVISA RUNがあった。通常の観光ビザだと1ヶ月しかタイに滞在できないので、一旦隣国に出て、すぐに戻ってきて滞在期間を延長しようということだ。米国でもI-94Wで入国した場合に同様の話がよく出てくる。プーケットは観光地なので長期で滞在している人も多くて、滞在期間を延長するためのパッケージツアーになっているのである。

それではと、貧乏人のために考えたのがVISA WALKだ。マレーシアの国境近くのタイのどこかに、小さな家を建てて、そこに住んで、毎月マレーシアに歩いて行けば、このパッケージツアーに参加する必要もない。

ネイティブな材料でコテージ風の建物にすれば、フィリピンと同様とても安くできるはずだ。コストダウンの一番の秘訣は暑い国なので、防寒のための費用がかからないことだ。壁に隙間があっても平気で、蚊に刺されないよう対策すれば良いだけだ。

これから先は、日本でも年金が期待できなくなるかもしれないので、食いはぐれた場合の究極の安上がり生活のノウハウを、検討しておくのも悪くはあるまい。さらには、日本に帰るためのマイルを数十回分貯めておけば、かなり安心と言えそうだ。




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