特集 日本からフィリピンへ その寄り道で行く雲南・ベトナム

第十部 ベトナムの古都フエ(Hue)

2009年10月作成
2016年 12月最終更新


(→2016年12月更新、旧市街サイクリング)

フエ(Hue)は、ベトナム中部の都市で、ベトナム最後の王朝 阮朝の王宮があり 世界遺産に登録されている。また、ベトナム戦争の激戦地としても知られていて、街中に爆弾の跡が残されている所もある。

王宮

フエ観光の目玉が阮朝の王宮である。内部は広くて いろいろな建物があり見ごたえがある。バックパッカーとともに、米国人の団体観光客を沢山見かけた。入場料55000ドン

王宮門

太和殿

手を加えた感じがなく、趣のある建物

その他の建物

中は まだ荒れている場所も少なくない

Under construction

王宮の中を歩き始めると、すぐ横で 欧米の若い女性が、「内部はまだ Under costructionのところが多い。」と言い出し、一体ここは王宮の跡地に建てたテーマパークのようなところか、もしくは、大阪城や名古屋城のように、戦後、完全修復で、再建したものなのか、そんなふうに聞こえた。しかし、それでは世界遺産には到底ならないので、おかしなことを言うなと思ったが、歩き回って、内部の様子を良く見ると、言っていたことが理解できた。壊れた部分をあちこちで修復していたからだ。しかしながら、荒地になっていたところに、以前の情報を元に、新たに建物を立てているところもあり、それは少しやり過ぎではないかと思ったりするが、多くの人が訪れる観光地なので、それもやってしまうのであろう。

修復中のように見える建物

新築のように見える建物

修復工事の進展(2011年7月)

二回目に王宮を訪れてみると、修復工事は一歩一歩進んでいた。しかし、前回ここに来てから2年経過している割には、それ程進んでいないとも思えた。

前回できていなかった回廊が
完成していた。

回廊の中。
カラフルに朱塗りされている。

まだまだ建築中の建物も多い。

入って左の奥の建物も庭園と共に、完成していた。しかし、建物は未開放。

修復ではないが、前回との差分で、太和殿に解説用のディスプレイがあった。
日本のメーカーでないのが残念。
こういう目立つ場所に寄付すべきだろう


フエ省博物館

フエ省博物館

博物館の外に展示された米軍の戦車

王宮の横にある博物館。外に、戦車が並べてあるのは壮観である。特に、上の写真の手前の巨大な大砲の戦車を見ると、これまで自分で持っていた戦車のイメージを大幅に上回り、ちょっとやり過ぎ、危険過ぎると、殺傷・破壊能力が行き過ぎではないかと思えてくる。こんな危ないものを見ては、平和主義、戦争反対と唱えたくなるが、最近のように、何をしでかすか分からないテロリストが暗躍すると、そちらの活動を封じ込める手段は必要だろうと思い直す。
本館には、古い土器などが展示されている。右側の別館にはベトナム戦争、左側の別館には、フランスとの抗争の歴史が展示されている。

自転車タクシーにつかまる

王宮の内部は広くて、炎天下だったこともあり、歩いて見て回った後は 結構疲れた。それを、見透かしたかのように、自転車タクシーから乗らないかとお声がかかった。旧市街を1時間ガイドして55000ドンとのことである。料金が王宮の入場料と同じなのは、同じだけ いい所に連れて行ってやると主張しているのか? とにかく、タイミングと日本人にとってはお手軽価格ということで、試しに利用してみた。そこそこ英語ができそうなので、いろいろ話を聞いてやろうという魂胆もあった。結果はどうかと言うと、それなりに満足できた。

今回利用した自転車タクシー

ホーチミンが子供の頃暮らした家

ベトナム戦争当時の爆弾の跡
城壁の一部が破壊されている。

雰囲気の良い建物と庭
無料で入れるが喫茶店のように
なっていて、日本並みの値段だった。

旧市街サイクリング(2016年12月更新)

フエに個人で観光に来れば、まずは王宮を目指し、次に郊外の廟を巡るという順番になりそうで、旧市街を回るのも、ここでも取り上げているように、まずは、王宮の近くで待機している自転車タクシーのお世話になりそうだ。しかし、せっかくなので、さらに飽き足らず、自分で自転車を漕いで回ってもらいたいものだ。町は面で広がっていて、行く度に いろいろな発見があるはずだ。観光客はほどんと来ないので、屋台で麺を食べても現地価格で安かったり、いろいろと期待できる。

王宮の裏側 旧市街に入る城門の一つ
軍事目的で、昔のままの狭さだ。
旧市街の通りの様子 城のお堀の蓮の中での撮影の様子(2011年)

旧市街のあちこちに外堀がある
旧市街の横、生協と並んで市場がある。 生協マート
旧市街の横にある。
スーパーがあって便利。食堂も割安。

麺類も現地人向けの屋台だと
安く食べられる。

本場フエのCHE  ちょうど良い甘さ


その他の様子

通りの様子

旧市街と新市街間に流れるフォーン川

安宿街

ツアー以外で、フエに行って有名日本人宿に泊まらないのは ほとんど、もぐりのような感があるが、今回はそうなってしまった。日本人宿はBINH DUONG(ビンジュオン)で、私はその目の前のゲストハウスに泊まった。故意にそうしたわけではないが、オープンツアーバスを降りて、同じバスに乗っていた日本人バックパッカーが、一人の客引きに付いていくことになり、私は客が付いていない別の客引きが気の毒になって、そちらに付いて行った。行ってみるとお向かい同士で、日本人バックパッカーが泊まるのが、当然のようにビンジュオンで、私の方はNGOC BINH という安宿だった。各階の中央に広い共用のスペースがあり、そこから、向かいの様子が良く見え、日本人の溜まり場になっていることが良くわかった。もぐりで結構だが、日本人宿があることは、なんとなく聞いていたような気がしたが、よく確認していなかったので、こだわりなく泊まったところが日本人宿の前だった。たぶん、また来れると思うので、その時は、日本人宿の方を試してみたい。

一泊7ドルと言われたが、バスタブ付きの部屋に案内され8ドルになった。バスタブ無しだと7ドルだが、1ドルプラスで風呂に何度もは入れるので、日本人なら当然8ドルの方を選ぶことだろう。部屋は綺麗で十分な広さがあり、エアコン、テレビ、冷蔵庫付きで、インターネットも使え、広い共用のスペースまであって、ローカルなHudaビールは宿で安く売っているし、こんな快適で、コストパフォーマンスの良い所はなかなか見つからない。 ただ、こちらの共用スベースの様子は、前の日本人宿からよく見え、同じフロアでは他に客がいなかったこともあり、そこは 今回は使いにくい雰囲気で、部屋の中でパソコンを使っていた。




BINH DUONGとNGOC BINHのある
安宿横丁

向かいの日本人宿の様子
レア物の写真かもしれない。

7ドルの部屋

共用スペース


(2010年9月追加)

フエ、二回目では日本人宿BINH DUONGに泊まったので、その時の写真を紹介しておく。振り返ってみれば、泊まった部屋の写真を撮っていなかったが、十分過ぎる綺麗さであった。角の部屋で 窓が二方向にあり 明るい部屋だったこともあってか、後から話をした他の日本人より2〜4ドル高めで1泊10ドルだったのが 少し不満の残るところだ。キャリーバックを持って行ったが、長旅でコストにシビアと思ってもらいやすいバックパッカーと比べて、カバンで判断され、どうも、高い部屋を割り当てられてしまったようだ。

前回、向かいの宿から写真を撮った
共用スペース

奥深くまであり、部屋数が多い
のが 泊まってみて分かった。

ちょっと高め(?)の安宿街

ビンジュオンのある場所からは少し離れるが、フォーン川の近くで、欧米人好みのお洒落なカフェなどが並び、宿も少し高めに見える場所がある。普通のホテル街で安宿とは言わないのかもしれないが、日本と比べれば、かなり安いはずだ。高めと言っても、そちらも狭い道に入っていけば、もっと安い宿もありそうだし、一概には言えない。


フエの名物料理(2011年7月)

フエにも ホイアンのような名物料理が幾つもある。一通り試してみるのが旅の楽しみであろう。

Nem lui - Grilled pork 35000ドン
ひき肉を焼いたものを野菜と共に生春巻きに包んで食べる。
ピーナツ、ひき肉その他いろいろ入った少しだけ甘酸っぱいタレで頂く。
超お奨め。

Banh Beo 30000ドン
片栗粉かタピオカスターチか何かのゼラチンの上に、シチャロン(豚皮の揚げ物)と でんぶ風のものが載っていて、薄味の酢醤油のようなタレをかける。

Bun Bo Hue 25000ドン
雲南の米線のような麺
これは、札幌や博多のラーメンのように全国版になっているので、ベトナム各地で食べられる。

Banh khoai - Pancake
18000ドン
肉や野菜を包んで揚げてある。

Banh Hue
15000ドン@生協食堂
エビ餃子、および芋か栗をつぶしたようなもの(不明)が入った餃子

ぶっかけ飯

インターネットで、バックパッカーの旅行記をを読んでいると、ぶっかけ飯という言葉をよくみかける。猫まんまのような感じで、あまり良い感じではないので、私は これまでこの言葉は使わなかったが、フエでご飯とおかずの店に行ったら、いつものようにご飯の上におかずをのせた後、最後に汁をかけた。そうか、これをぶっかけ飯と呼ぶのかと思って、取り上げてみたのだが、やっぱり、そうではなさそうだ。最後に汁をかけなくても、ご飯の上におかずが載っていればぶっかけ飯であろう。タイやマレーシアあたりでは、カレーも多く、カレーに加え 他のおかずも載せて、いかにもそれらしくなる。

そう言うと、フィリピンでのいつもの食事は、お皿にご飯を盛り、その上に焼き魚や野菜等を載せて食べている。これは現地の標準的な盛り方で、私の方は、お皿が1枚で洗う手間が省けてよいと思って従っているが、何のことはない、毎日ぶっかけ飯を食べていたということになりそうだ。フィリピンの普通の場合、中華の大皿のように おかずが別々に皿に盛られ、別途 一人に1枚取り皿をもらって、ご飯とおかずを自分の皿に取って食べる。マレーシアも同様だ。

台湾の知り合いの家で食事を出してもらったら、こちらは、日本に近くて お皿ではなくて ご飯をよぞったお茶碗で食べるが、日本のような取り皿はなくて、お茶碗の上に 大皿から取ったおかずを、そのまま載せて食べる。さら食べろと、人のお茶碗に、家人がおかずを載せてくれることもある。 取り皿がない分、こちらもぶっかけ飯と言えそうだ。日本人には乱暴に思えるが、鳥の骨などの食べかすは、テーブルの上にそのまま載せる。

今回のベトナムでは、ドットのない ただのCOMと書かれている店が、飯屋で、ご飯に載せるおかずが店頭に並んでいる。

日本の場合は、ご飯に味噌汁をかけて食べるのが主にぶっかけ飯というようで、私のイメージでは、何かの汁を、普通の丼以上に、たっぷり、どっぷりかけたものがそれと思える。 オンラインの辞書を検索しても、現状では出てこないし、フィリピンで食べているのは、毎日 ほとんど ぶっかけ飯ということだと、あまりにも工夫がなく、怠慢しているようで面白くない。元に戻って、ぶっかけ飯という言葉は、今後は また使わないようにしたい。

台湾で、お茶碗のご飯の上におかずを載せるのまでは、そうは呼ばないかもしれないし、誤りがあれば指摘願いたい。

フエの市場の近くで食べた夕食
22000ドン
ぼっているという感じがなく良心的な値段と思えたので取り上げた。周りはちょと汚くて、外国人が来そうではないのが、ぼらない理由と思えた。

Huda Beer
COM屋にビールが置いてなかったので、店の人に近くで買ってきてもらった。7000ドン
手数料はとらず 良心的。


(2010年9月追加分)

フエ観光でまず向かうべきは王宮であろうが、今回は2回目のフエだったので、前回とは違う所を回った。

DMZツアー

ツアー代金は安くないが、折角なのでDMZツアーに参加してみた。DMZはDeMilitarized Zoneの略で非武装地帯。しかし、インターネットで検索すると、原義から派生したネットワークの用語の方が先に出てくる。すなわち、ファイアーウォールで 内部・外部の両方のネットワークから隔離された場所で、そこに外部に公開するサーバーを置くそうだ。それは余談だが、このツアー、行く値打ちがあるかどうか意見が分かれそうだが、とりあえずは写真を見ておけば十分というのが私の感想だ。

ツアーバスとツアー客

断崖絶壁の上の要塞

ダクロン橋
ここから先がホーチミン・ルート

ゾゥクミエウ基地
今は、記念碑が建てられている。

ケサン基地

戦争の遺品を展示している中央の建物

大小、さまざまな展示がある。

中にも入れるが生々しい。

やっつけたという主張であろう。

ヴィンモック・トンネル(VINH MOC TUNNEL)

トンネルというので、山にトンネルを掘って、幹線道路を通して、戦時中の物資の輸送に役立ったというような話かと思ったが、そうではなくて 地下要塞だった。中は迷路のように分岐して つながっている。何年もの間、近所の何百人もの住民がこの中に隠れ住んで、米軍の攻撃から避難した。

通路が延々続く

途中に部屋もある。

フラッシュ無し、通常の明るさがこれ。
中は、かなり暗くて歩くのは大変だ。

複数ある出口のうち、海の近くに
出るところ。



フエ郊外の廟(2010年9月)

フエ郊外には、皇帝の廟がいくつも建てられている。自転車を借りて巡ったが、道は埃っぽく、片道10km以上あり結構距離もあり、サイクリング好きの人でないと厳しいかもしれない。自転車を盗まれないかという不安も付きまとった。

ミンマン帝廟

いくつもある廟の中で、ここが一番規模が大きく、見ごたえがある。

大きな池もあり、敷地はかなり広い。

カイディン帝廟

自転車で前を通り、写真を撮るだけにさせてもらった。


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