ラーニング・センター・プロジェクト

進捗報告 2011年4月

2011年 4月作成



最近のラーニング・センター

製作中で手前にあったモバイル教室は、無事最初の設置場所へ移動済。

概要

・ラーニング・センターを開設して3年経過したが、授業は継続して淡々と行われている。
・2011年4月2日に、ラーニング・センターで卒業式が行われ、のべ40人が卒業した。
・高校卒業資格試験の2010年の結果が発表され、126名が合格した。前回と比べ受験者数が減ったので、合格者数も減少したが、合格率は、大幅に上がって、過去最高の約62%となった。前回は、試験が難化したため合格率が下がったということもあるが、全体には順調な推移と言える。

    2010年10月 合格者 126名
            合格率 約62%
    2009年10月 合格者 150名
            合格率  約42%
    2008年10月 合格者 142名
            合格率 57% 
    2008年6月  合格者 17名 
            合格率 17%


モバイル教室は、大きさや組み立て方法など、設計にいろいろな課題があったが、なんとか別の場所に移動させて、授業を開始している。 

卒業式の様子

2011年4月2日、ラーニングセンターの卒業式が行われた。一人で複数のコースを受講している人も少なくないが、のべ40人が卒業した。ミシンのコースの受講者の一人がシキホールで行われた技能コンテストで優勝し、さらにセブで行われた地区大会でも2位になり、そのメダルも同時に授与された。

複数の来賓の祝辞があり、その中で、シンガポールへの出稼ぎの話をする人がいた。これまで目指してきたように、ラーニングセンターで身につけた技能をもとに、海外で仕事を見つけるということである。これについては、習得した技能によって、少しは前進して就職に近づいたであろうという見方と、まだまだはるか先の話という見方の両方ができる。ラーニングセンターを卒業した人に対する外国への出稼ぎの支援については、未だ手がつけれらていない。当初はミシンで台湾へという想定であったが、溶接などもニーズが少なく無さそうな気がする。

胸に手を当てて国歌斉唱。
どこかの国のように国歌を歌うかどうかもめるようなことは、ありえない。

卒業証書の授与

卒業式にはExerciseという文字が登場

ミシンの技能コンテストで2位になった
卒業生

全員で記念撮影

回りで近所の人が見物している。
近所のハイスクールでも同様で、
のんびりしたフィリピンの田舎の光景だ

最後に料理が出るのがフィリピンの
常識。これがなくては話にならない。


各コースの状況

ミシン

・日本から送ってもらった布を材料に使って、実習を続けている。
・近所のハイスクールの先生が、ラーニングセンターのミシンの先生を兼任しているが、ハイスクールの校長先生が、反対もしくは消極的なため、先生がほとんど来てくれないという課題がある。ハイスクールに交渉に行くと、金銭がらみの話になっていきそうで、それは、ラーニングセンターの管理をしている先生に任せているが、こちらとしては、できる範囲のこととして、電動ミシン1台をハイスクールに寄付して、関係改善に役立てようとした。日本人の訪問者の一人が持ってきてくれた天体望遠鏡も合わせて寄付した。
・着物のリメイクの取り組みも継続中。

近所のハイスクールにミシンと天体望遠鏡を寄付。
左がミシンの先生で、右は校長先生、日本で言うオカマ

パソコン

・タイピング、オフィスソフトの練習という、これまでと同じ授業内容で練習を続けてもらっている。
・パソコンに興味がある人は多く、受講希望者も、入れ替わりやってくるので盛況と言えるが、二年目以降の初級の次のコースが立ち上がっていないのが課題である。
・モバイル教室の方でも、パソコンの授業を受けたいという希望があるが、機材の管理とメンテに課題があるので、調整中である。

溶接

・溶接も、パソコンと同様受講希望者が少なくなくて、コースが終了するとまた新たな受講者が多く集まっている。
・材料費の問題は、パソコンとは異なり、こちらは永久の課題とも言えるが、自前で材料費を出すのは無理で、現状では、薪で料理する場合の鍋の台を作ってもらっていることが多い。特にフェスタ用に発注してくれる人が少なくないので、そこそこはこれで回っているが、私の家の窓の鉄格子も発注する必要が出てきそうである。

自動車整備

・受講者は入れ替わるが、これまで通りの授業が続いている。
・実習用の故障車の修理用の部品を探すことになっているが、あまり進展がない。

料理

・少し授業は行われたが、材料費の課題が解決できず現状は休講している。
・最初に材料を支給し、それで料理して、そのいくらかを売って、その代金で時間の材料を購入するという目論見があったが、売るより食べるというフィリピンで当然起こりそうな結果に終わり、支給もやめて、授業もストップした。

課題と対策

ラーニングセンターの課題は相変わらず多くて、対策をしていないわけではないが、それ以上に新たな課題が発生している。例えば、モバイル教室を新たに始めたが、そこでの運用・メンテナンス上での課題などである。離れているので確認に行きにくい。
基本的には、こちらはアドバイスするだけで、ラーニングセンターの先生が自前で課題をリストアップして、自前で対策してもらうのが狙いである。そのために、少し打ち合わせをした後、いろいろドキュメントを作成してもらっているが、うまくやり取りが進んでいないので、それを改善して、現地の人がまとめた情報をインターネットで公開したい。

その他

前回の報告で挙げた作業進捗のリストを更新し、新たに始めた項目を追加した。

項目

進捗

説明
本棚・保管棚

ほぼ終了
不足分を追加で作成し、現状必要な分は揃っている。モバイル教室の分や、今後必要となれば、追加で作成する。
教科書、問題集、辞書の調達

ほぼ終了
良さそうなものが見つかれば、さらに追加する。
図書の調達

未実施
中古のペーパーバックを調達して、蔵書としておいて置けば、役に立ちそうなので検討中である。数が必要なので、安い本を探してバーゲンを待っているところである。
ミシン修理

ほぼ終了
旧式のミシンの修理が1台残っているが、他は修理済み。
トイレの建設

未実施
バランガイホールと共用を検討しているが、専用で欲しいという希望も出て、調整が必要になっている。
モバイル教室

ほぼ終了
最初の設置場所にて授業を開始した。準備できていない備品があるのと、運用・メンテの方針が決まっていないという課題が残っている。建物がモバイルとは呼べない構造の部分もありその改善も残っている。
自動車整備実習車の修理

検討中
修理部品の調査中。
車庫の屋根の取り付け

未実施
部材をセブで購入予定。
課題のリスト作成と対策

検討中
各クラスの運営上の課題その他、ラーニングセンターのすべての課題と対策の取り組みについて、ラーニングセンターの先生にドキュメントをまとめてもらい、対策のフォローをする。


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