ラーニング・センター・プロジェクト

進捗報告 2012年10月

2012年 10月作成



最近のラーニング・センター

ラーニングセンターはバランガイ・ホールの敷地で地域の共有地の中にあり、予算が下りて 敷地全体がセメントで舗装された。

概要

・レポートの方が前回から随分間が開いてしまったが、ラーニング・センターを開設して約4年半経過したものの、授業は淡々と行われている。
・高校卒業資格試験の2011年の結果が発表され、112名が合格した。前回と比べ合格者、合格率とも減少したが、試験の結果なので 経済指標のように増減するのは仕方ないことだろう。次回の結果を期待したい。

実施時期 2011年11月 2010年10月 2009年10月 2008年10月 2008年6月
合格者数 112名 126名 150名 142名 17名
合格率 43% 62% 42% 57% 17%

2012年の試験は、当初10月に実施される予定であったが、11月に延期になっている。昨年も同様に10月から11月に延期になっている。
・2012年9月21日、ラーニング・センターを共同で運営しているALS(Alternative Learning System)全体の卒業式が行われた。
モバイル教室は、プレハブもしくはテントのようなイメージで、どこへでも簡単に持っていける仮設教室で、最初に作ったRev.Aは別の場所に持って行って利用されてきた。それ以外にもRev,B、Rev.Cと試作を続け、どういうものが良さそうか検討を続けている。

各コースの状況

授業の様子

パソコン 溶接 自動車整備

パソコン

・タイピング、オフィスソフトの練習という これまでと同じ授業内容で練習を続けた後、昨年度からは、モンキービジネスのフィージビリティ・スタディーに取り組んでもらっている。良さそうなプランが出来上がれば、実際に 誰かに少し投資してもらって、一緒にビジネスを進めるという構想も以前からあり、インターネット・ボランティア・投資ゲームと名付けているが、今回の分では、まだ実際にモンキービジネスを始めるところまでには到っていない。
・中古パソコンばかりを使っているので故障も多く、現状では順次日本から送って補充しているが、Laptop Repair Derbyと名付けて、参加者に修理の成果を競うイベントを試しに実施した。残念ながら、こどごとく修理できたというようなことではないが、受講者の特にハードウェアの理解の助けにもなっている。
・二年目以降の初級の次のコースが立ち上がっていないという課題は、以前と同様残っている。

溶接

・溶接も、パソコンと同様受講希望者が少なくなく、人気が高い。
・材料費がこのコースの大きな課題で、これまでは、自動車整備の実習用の車の車庫のフレームや、モバイル教室を移動させるための台車など、ラーニングセンターの設備を作ってもらった。もしくは、薪で調子する場合の鍋の台や魚を焼く網などを注文に合わせて作ってもらっていた。
それでも、作るものがなくなってきて、最近は、私の家の窓の鉄格子を発注して、ほぼできあがった。

自動車整備

・座学中心で授業が進められている。
・実習用の故障車の修理用の部品を探すことになっているが、進展がない。

ミシン

・少し授業は授業が行われているものの、パソコンや溶接のように活発ではない。
・ラーニングセンターの受講者の技術の向上に時間がかかるという事情があり、日本から着物のリメイク等の要望があるが、修了者などに、別の場所で作ってもらっている。

料理

・材料費の問題が解決できないこともあり、休講が続いている。

卒業式の様子

2012年9月21日、ラーニングセンターを共同で運営しているALS(Alternative Learning System)の卒業式があったので、写真を紹介しておく。ALSはフィリピンの文部省にあたるDepED(Department of Education)の中の組織であり、当日は近くの学校の小学生まで含めてパレードも行われた。

パレードの様子

卒業生

卒業証書の授与

モバイル教室の試作

最初のRev.Aは、2年前に製作し、既に別の場所に移され活用されてきた。時間が経過しているので少し修理した後、別の場所に移動させる予定である。Rev.Aは容易に組み立て分解できるという狙いとは合致せず、プレハブのように作ったつもりが なかなかそのようにはならなかった。そこで竹をベースにしたRev.Bを新たに考案し、こちらも以前のものに加え、さらにもう一つ製作した。こちらは、5つの主要中間部品に分解できて、容易に組み立て分解できる。例えば、屋根の片側が一体になっている。目的地への移送はまだ済んでおらず、最初のものもラーニングセンターの横に置いて耐久性のテストをしている状態が続いていて、受講者の休憩、待機用として仮に使われている。
Rev.Cは屋台型で、これはミニチュア版で、このままだと子供が集まって学習するテーブルもしくは、大人の屋外用学習机というような形状になっている。二人で運んで軽トラに乗せ、自由にどこでも持って行くことができる。


製作中のRev.A(2010/10) Rev.Bの2つ目(2012/10) 屋台型のRev.C ミニチュア版
(2012/10)

作業項目と進捗

前回の報告で挙げた作業進捗のリストを更新し、新たに始めた項目を追加した。

項目

進捗

説明
本棚・保管棚

ほぼ終了
本棚・保管棚とも現状必要な分は十分作成済み。別の場所から持ってきた保管棚の一部が壊れているが、材料が揃っていないので、修理が終っていないものがある。
教科書、問題集、辞書の調達

ほぼ終了
ちょっと蛇足とも言えるが、英語の教科書が買えるシンガポールに行く機会があったので、ついでに、英文法などの使えそうな教科書を買ってみた。フィリピンでは参考書などの種類が極端に少ないのが課題である。今回買った本がラーニングセンターで役に立つかどうかの評価はもう少し先になる。
図書の調達

未実施
私の方でも、結構な数のペーパーバックを持っているので、それも加えて
トイレの建設

バランガイで実施
バランガイホールで作る予定のトイレに、予算が付き 途中までできている。果報を寝て待ったと言えそうだが、予算不足で最後まで完成していない。こちらで資金を出して完成させ、共用で自由に使わせてもらおうというのが元々の目論見だったので、いつまでも完成しないようなら、こちらが主体になり完成させる案も検討中。
モバイル教室

試作・メンテ継続中
合計4セットの試作を終了していて、それらのメンテ、設置、移動を行うとともに、新たなタイプのものの検討中。
自動車整備実習車の修理

検討中
修理部品の調査中。
車庫の屋根のシート取り付け

未実施
材料費の捻出のため、既にあるものを売って、新たに別のデザインで車庫のフレームを作ろうというプランがあり、屋根のシートの取り付けは見送っている。材料は 耐久性に優れていそうなので、日本から送ったブルーシートを使う予定。
課題のリスト作成と対策

継続中
一部ドキュメントをまとめてもらっているが、対策も含め継続実施中。


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