山の上の僕ら作戦

2012年4月作成


フィリピンに家を建てる場合に、外国人に好まれるのがビーチロットであることは繰り返し紹介しているが、そこはマネーゲームの最前線で、価格は高騰し、どう見てもお買い損な場合が多い。そこで代替案として、山の上の海の眺めの良い場所に家を建てるという案を紹介する。NPAが出るようなところでは、革命税が高いのでそのようなことはできないだろうが、山の上でも治安の問題ないところの方が多いはずだ。例えば、シキホール島でも、安全上 特に問題なくて、最近ここで取り上げるような山の上の家が増えている。

シキホール島での その走りは、別途紹介しているTriadという展望レストランで、そちらは住宅ではないが、非常に眺めが良くて、そこに行く途中の道にも結構家が建っている。Triadに来て、眺めが良いので、それを参考にして、近くに家を建てたということであろう。

そこに近いが 山に登っていく別の道で、10年ほど前に私が土地を探していた時に、家を建てている例があり、Triadの近くの家が同様の例の最初ということではない。どこが最初でも、それはどうでも良いことだが、とにかく、最近、山を走っていると眺めの良い場所に家を建っているのを見かける。

ビーチロットは、海岸線なので一次元的な広がりしかなくて限られているが、山の上は通常の土地と同様二次元の広がりを持つ。眺めが良いという条件をつけても、それに該当する場所は、ビーチロットに比べて格段に多いのは容易に想像できる。こちらも人気が出る可能性はあるが、供給が多くて、価格は高騰しにくいと言える。

当然、メリット、ディメリットがそれぞれ存在し、メリットでは、眺めが良くて、地価が割安ということ以外にも、例えばシキホール島の場合には、一番高い山が600m程度で500m程度の高さがあれば日中でも結構涼しい。夜は毛布がないと寝られないと言っている人もいる。眺めが良くて開けたところであれば、涼しい風が吹き抜けるのが普通であろう。街中ではなくて、周りに家はほとんどない場合が多く、静かで自然環境が良いはずだ。

ディメリットとしては、辺鄙な場所が多く、電気も水道も来ていないかもしれないし、遠くから引っ張って来ないといけないかもしれない。いわんやインターネットをやである。場所によってはがけ崩れも心配しないといけないし、アクセスの道路がなくて、自分で長い道を作る必要があるかもしれない。夜涼しいことの裏返しで、温水器が必需品になりそうだ。近所に家がないと、もしも長期で家を空けていたりすると、帰ってきたら電線が盗まれていたというようなことも考慮する必要がある。

ディメリットは対策すれば良いことで、十分検討の価値はあるはずだ。それを実証するように、すでに多くの同様の家を見かける。

以下、シキホール島の事例をいくつか紹介する。

Triadへ行く途中の家々

前述のようにTriadに上る道沿いに海の眺めの良い家か結構並んでいる。その一番手が下の家であろう。かなりの大きさで、見た目も良く、海の眺めも良いので、ここに住みたいと思う人は多いはずだ。私のようにフィリピンでの豪邸に批判的なことを書いているような人以外には、かなり人気の家と言えよう。建築業者に発注すれば、日本円で数千万円と言われそうだ。しかし、家の建築費用はばらつきが大きく、フィリピン人がやるように、私も同じだが、自分で大工を探してきて、建材を買ってきて造らせれば、かなり安くできる。

海の眺めがよく、見た目も良さそうな大きな家

上の家のお隣
これでも、結構しっかりした造りだが
横に立派な家があるのは、立地条件が良いとは言えないだろう。

さらにもう少し上ったところの家
ワンルームのような家だが、これでも十分だろう。ただし、快適に暮らすなら海を望むバルコニーが欲しいということになろう。

建築が止まっている小さな家

山へあがって行く途中の眺めの良い場所に、何年も前から建築が止まっている小さな家がある。建築が止まっているというのは、シキホール島では、特に珍しいことではなくて、至る所で見られる。建て始めたら、予想より高くついて予算が尽きて止まってしまったということだ。どうせなら大きめの家にしようと欲張って、その結果 途中で予算が足りなくなる例も多い。この例のように屋根までできていれば、後から敗者復活も可能だが、屋根を付けるところまでも至らず、朽ち果てている家の例も枚挙に暇がない。

ここでわざわざ取り上げているのは、眺めが抜群ということだが、さらに加えて、この手の建築途中の放ったらかしの家をこのまま買い取り、完成させれば、いろいろ手間が省けるというものだろう。途中まで建てた人も、その後どうしようもなくて困っているはずだ。ただし、まさにこの建物ということであれば、崖にあって、安全面に不安があろう。誰か、Wi-Fi対応(できれば無料)の展望ミニ喫茶でもやってくれれば、そこそこの頻度で利用したいと思う。

建築休止中のこの家の様子

とにかくこの眺めがあれば十分と思う人が多いことだろう。
この家の周辺では、どこからでもこの眺めが楽しめる。

その他の家の例

玄関の道の作り方からいかにも米国人がオーナーと思える家

上の写真の家は いかにも米国人が建てたような感じの家である。玄関にU字の道路を付けてあるからだ。いろいろな国でこのような道はあるのだろうが、米国のホテルなどで特によく見かける形である。

ここで紹介しているので当然だが、傾斜の下側をたどっていけば海にたどり着き、バルコニーから海を望める。

建物はネイティブな材料を使っているのでかなり安くできそうだが、傾斜地の基礎工事に結構費用がかかっているように見える。そうではなくて、その辺に転がっている20cm前後の岩を集めてきて積み上げ、最後に周囲だけセメントで固めたのであれば、安くできそうだ。

最後の写真の家は、シキホール島で一番稼いでいるリゾートの近くから山を登って行ったところにあり、家のオーナーが、いかにもこの宿の元常連というような感じの場所に建っている。道から簡単に撮っただけで少し分かりにくいが、ネイティブな造りの家で、建物自体はそんなに費用はかかっていないはずだ。何度か近くを通って道から見ているが、最近、この写真を撮った時には、家の中から、私の名前を呼ばれ、中に入れと言われた。相手はこちらを知っているわけだが、こちらは遠くて相手の顔がよく見えなかった。機会があれば、一度訪問してみたい。

とにかく、広いバルコニーから海の眺めを見渡せそうな造りである。また、場所を選定する場合に、将来的に木がどのように伸びてきそうか、それも十分検討する必要があろうと、この建物を見て連想した。


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