2003年 9月
前回 固定資産税(Lot Tax)支払いの事例を紹介したが、比較のためもう一件 事例を紹介する。
私の自宅と最近建てた建物の両方の建築許可を得るため、それらの建物が建っている土地の税金の支払いがどうなっているか。そのことを、先日 市役所に確認に行った。すると、単に問い合わせているだけなのに、いつの間にか 私がすべて税金を支払うことに話が進んでいった。私の土地は、1000坪ほどある全体の10%余り。筋から言えば、自分の分だけ払えば良いはず。しかし、やって来たのが外国人ということもあってか、全額を私が負担する羽目になった。それでも、約1000坪で年間100ペソ程度。非常に安い。全体の結論としては、フィリピンの田舎での固定資産税は、我々外国人にとって非常に安く、無視できる値段であることだ。
前回が約650坪で、年額65ペソ程度。
今回が約1000坪で、年額100ペソ程度。(海岸でサルベージゾーンを含む関係か、面積 は15%程度小さく評価されている。)
日本では考えられないが、フィリピンの田舎では、貧しい地主が沢山土地を持っていることが多いので、税金が安くないと払えない。前納の割引と滞納の罰金
前回と、今回の大きな相違点で注目したいのは、他の国も基本的に同様のはずだが、一括で前納すれば割引があり、滞納だと罰金を払わないといけないことだ。
前回紹介した事例では、5年分の滞納があった。なぜ遅れたのかは不明だが、とにかく オーナーは、滞納はあったが、私に土地を売るべく、税金をすべて払おうとした。ところが、最近になって、それは別の場所にある土地であることが判明。そこで、今回は、私が関係している方の土地の税金を払うことになったのである。
5年分の滞納に対しては、5年間の税額が総額327ペソなのに、罰金が390.96ペソ。平均で約120%も罰金を払う羽目になっている。
一方 今回の土地の分は、実は、前年までの税金は既に支払ってあった。
私が税金を払った時期が7月で 第三四半期だったのだが、第一四半期、第二四半期分については、税額56.3ペソに対して、滞納の罰金が7.88ペソ。平均14%の罰金がついた。 第三四半期分は当期であり、10%の割引。第四四半期分は15%の前納割引があった。
クリスマスか正月に、新年の分を前納するのがお得と言える。その他の相違点
前回は土地が椰子の木畑(Cocoland)、今回はとうもろこし畑(Cornland)と認定されている。前者の評価額は1平米1.014ペソ。後者は0.93ペソ。少し評価が違うが、無視できる差である。
宅地は、前回が1平米24ペソ、今回が1平米34.5ペソと、評価額に違いがある。土地が公道に面しているかどうかで評価が違っている可能性があるが、このあたりの理由ことを、市役所に問い合わせると やぶ蛇になりかねないので止めている。
「それなら、34.5ペソに統一しましょう。」とか、「あなたのところの宅地はもう少し広いのでは?」そんなことを言われる恐れがある。税の対象は土地よりも椰子の木
共通点も取り挙げると、農地の場合、土地の評価額は1平米が約1ペソで その2%を一年間の税額としている。土地が信じられないような安い評価になっているので、取り挙げている二つの事例では、税額は、土地よりも椰子の木の方が大きい。
前回は61%、今回は69%。これが椰子の木に対してかかった税金の割合である。
椰子の木よりも高級なマホガニーなどを植えていれば、さらに税額はあがることだろう。
以下、資料の一部を抜粋して、紹介する。
前回と同様で、書類は、前半が申告用紙(Declaration)、後半が領収書(Receipt)になっている。朱書きの部分は、前回との相違点である。茶色の部分はコメントである。
Owner ********** | Address ************** |
Administrator ********** | Address ************* |
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Total |
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P2,490
注釈) 土地は0.2805ヘクタール(2805u)。(Original certificate of titleでは、約3300平米あるのだが、海岸でサルベージ・ゾーンにかかった分があるためか、15%ほど少なく評価されている。)1ヘクタールあたりのユニット単価が9300ペソ。従って、市場価値(Market Value)は、2620ペソ。さらに市場からの距離と道に面しているかどうがで補正して、最終的には2490ペソ。
I (b) PLANTS & TREES
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No./Area |
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Market Value___ 100% Adjustments (a) Along or no rd frontage 3% (b) kms to all weather rd. 0% (c) kms to market(pob) 2% Total Adjustments 5% Adjusted Market Value 95% |
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TOTAL P10,260.00 |
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Total for land, plant and tree P0 |
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Adjusted Value for land, plants and tree P9,750.00 |
注釈)ココナツの木が57本植わっていて、1本の評価額が180ペソ。合計で10260ペソ。道に面しているかどうかと、市場からの距離により補正して、この土地では、95%を掛けたものが補正値になる。補正後の値は9750ペソ
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Total P |
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P3,860.00 |
注釈)宅地が112平米ある。1平米当たりの評価額は34.5ペソ。とうもろこし畑と比べ約37倍。ココナツやバナナに掛けた補正係数の95%をここでも使い、以上を掛け合わせると3860ペソになる。
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Total P |
注釈)建材がコンクリートか、それとも、竹や茅葺、ココナツの木などローカルなものかによって評価額が異なってくる。
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Total P |
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Total P |
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Total P |
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注釈)全体を合計する前に、さらに係数が掛かっている。ココナツ畑は40%、宅地は20%、ココナツとバナナには40%を掛けてから、合計を求める。ココナツ畑と宅地の最終的な評価額を比べると、最初の単位面積当たりの約37倍の違い。最終的に掛ける係数が20%と40%で、これらを総合すると約19倍の違いになっている。
Account Form No. 56
Municipality/Province Siquijor,Siquijor |
City |
Date July 28, 2003 |
Received from ****** the sum of P113.45 Basic Tax Special Education Fund |
Name of Declared Owner | Barangay |
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Tax Due | Installment |
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Penalty Per Cent | Total | |||
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Improvement | Total |
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Paymanet | ||||||||
****** | ******* |
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2001-00333 | 5630 | 56.3 | B.S |
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B.S |
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B.S |
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113.45 |
注釈)半年当たりの税金は、最終的な評価額の5630ペソの1%で、56.3ペソ。年間あたりだと112.6ペソとなる。この事例では、支払いが7月で第三四半期であり、第一四半期と第二四半期分は平均14%の罰金。第三四半期は当期にあたり10%の割引。第四半期分は来期にあたり、15%の割引となっている。
クリスマスか正月に一年分まとめて払えば、100ペソかからない。