フィリピン・トモダチ作戦

2012年4月作成


トモダチ作戦は、ほとんど万能の特効薬と言えそうだが、ここでは、これをフィリピン移住の土地探しに適用した場合を検討したい。以前に、シキホール島の山の上のトモダチの土地に家を建てさせてもらった日本人の事例を紹介した。

家の建築で、この日本人は お金の管理を含め、土地のオーナーで隣人であるトモダチ・フィリピン人に余りにも任せ過ぎるので、私は特に財布の紐を明け渡すのはフィリピンでは やってはいけないことだとアドバイスした。しかし、そうやってほとんど丸投げで任せても、トモダチの方がフィリピンでは稀に見る善人だったお陰で、問題なく家が出来上がった。

この例で 家を建てる場合の管理方法については真似をして欲しくないが、土地の探し方については、トモダチに頼るのは悪くない。もちろん、これも多長多短があり、一番のポイントはトモダチとの関係ということになりそうだが、いろいろ自分で検討した上で、自己リスクで、この情報を参考にして頂きたい。

土地の場所は、山の上、海沿い、普通の場所、どこでも良いが、ここでお勧めしたいのは海沿い、ビーチロットである。ビーチロットは特に外国人が好むので、どんどん価格はつり上がる。まともに買ってもコストパフォーマンスが悪過ぎで、超お買損ということになりがちだ。転売して儲けようとする人もいるかもしれないが、高くて誰も買ってくれない可能性が高い。

それでも、海沿いに家があると、心地よい風が吹いて、エアコンが要らない場合が多い。海で泳げば暑さをしのげる。海の眺めが良い。その他いろいろメリットがあるので、ビーチロットが好まれる。

そこで、そこそこ広い本宅の場所は別に確保して、トモダチを作ってその人から土地の一部を提供してもらい、小さな海の家も建てるというのが今回の案である。

トモダチは適当にウロウロ(ソロイソロイ)していれば、程なく見つかるはずだ。トモダチ、トモダチとそのまんま言ってくるフィリピン人も少なくない。しかし、経験則として、相手から積極的に言い寄ってくる場合は、相手に何か魂胆があることが少なくないので、できればこちらからアプローチするようにしたい。それだと 警戒されることもあるが、フィリピン人は大抵の場合 受け入れてくれる。

うまく行ったかどうかは別にして、典型的な例は私の場合である。10年ほど前の話だが、眺めが良い場所に住んでいる人とトモダチになり、まずは、近所の人々のためにプロックと言われる小さな建物から建て始め、泳ぐのに着替える場所が欲しくなって、それなら小さなコテージを建てようということになった。

電気も水道も来ていないので外国人は普通は住まない場所であったが、せっかくここまでやったので、今度は小さな自分の家を建てようと思い立ち、土地をレンタルかリースさせてもらえるか聞いてみたら、オーナーの方が家を建て替えたいので 3万ペソで土地を買えと言われた。住んでいる家がボロボロで雨が漏るので、3万ペソで家を建て直すということであった。現地の人々が土地をレンタルして家を建てても、当時はせいぜい月50ペソほどしかもらえないので、レンタルやリースでは駄目で、土地を買えということだった。

実際には、3万ペソでは家は完成しないのは目に見えていたので、最初から建材の一部はこちらから供与した。それでも、さらに追加が必要になったが、2倍まではかかっていない。また、その他、例えば電気を引くのに、近所の人にも引き込み可能な太い電線を買ってきて設置したり、(もちろんメーターは別である) 他にも いろいろと支払っている分を加えれば、何十倍も払っていると言えるし、そこまでは払っていないとも言える。

隣家に安く土地を譲ってもらって、隣家はその代金で家を建てたので、こちらが、隣の家よりも大きな家を建てるのは難しい。そんなにお金があるなら、もっと払ってくれと言われる可能性が高いし、余りに差があり過ぎると嫉妬されることだろう。

そんなことでは困るという人も居るかもしれないし、私のようにそれで十分な人も居るだろう。

ここで取り上げているやり方では、豪邸を建ててはいろいろな面で問題が起ころう。簡単なコテージのようなものが相応しい。

土地の権利関係は、購入する場合、リース、レンタル、そして最初の例の人のように、単にトモダチの土地に家を建てるだけで、自分が死んだら、トモダチに家をあげてしまうことにする場合等、いろいろな形態が考えられる。

ただし、まともに分筆して購入し、タイトルを取るところまでやると、結構費用がかかり、仰々しいことになる。オークションで数千円のノートパソコンを落札して、OSが着いていなかったので、2万円近く出してWindowsを購入するのと似たような、バランスの悪い話になりかねない。

ここは意見が分かれそうだが、私の推薦は25年のリース契約を結んで、トモダチ価格の支払いをすることである。私の場合は、家の立替の代金であったが、例えば、トモダチが漁師なら、小舟のエンジンを買う代金などが良さそうである。しかし、これも私の場合と同様、やれスクリューだ、舵だ、その他いろいろ後から追加で支払いが増えることになろう。しかし、数十万円ではなくて、数万円で済ませられるなら許容範囲であろう。

以下は、近所の家々で、必ずしも今回の内容にすべて当てはまるわけではないが、参考事例として、写真を載せておく。

学校の先生が、近所に建て始めた
小さな家。

左の家の横に、最近建ったあばら家
地主に断って建ててはいるが、住人の普段の素行から 地代を払っているとはとても思えない。

米国籍でハーフのフィリピン人が建てた海沿いの小さな家。近くに大きな家があるが、涼しいので住んでいるのはこちら

かなりお洒落なコテージ

これがシキホールでなくて、観光地で場所が良ければ一泊数万円と
言われそうな造りだ。公有地埋め立ての例で、さらに 豪華過ぎるので、今回の話とは、合致しないとも言えるが、土地についての節約志向は同じである。何より、いい感じで参考にできそうなので取り上げた。


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