朝6時に3つの船が集中して出発するフィリピン笑い話

2011年12月作成




別途 食堂の競争を紹介したが 次は船会社の競争の話である。

普通では考えにくい話だが、シキホール港から 朝6時頃 別々の船会社の船が三艘集中して出発する。以前はそんなことはなかったが、最近はそのスケジュールを続けている。朝5時50分にNew Jay Lan. 5時55分発がDelta3. 朝6時発がOcean Jetという風になっている。船の便が沢山あるならそれでも良いが、少し前は、この後昼過ぎまで船がないという、旅行者にとってはとんでもなく不便なスケジュールだったこともある。最近はかなり改善されて、7時の便と、9時半の船が出るようになったが、どちらも観光客に好まれないタイプの船であり、利用者に最適の状態とは程遠い。

なぜそんなスケジュールになるかというと、Ocean jetが帰ってきて、シキホール港に発着するようになったからである。以前からOcean jetとSuper catがシキホール島へ就航したり撤退したりを繰り返してきたが、Supercatの方は、船をかなり売却してしまったので、シキホール島に戻ってくる可能性はなくなったものの、最近はOceanjetがシキホール港に発着するようになっている。Oceanjetは以前はLarena発着のことがあったが、その後シキホール島から一時撤退していた。そして今度はシキホール港へ来るようになり、夜シキホールに到着して、朝ドゥマゲッティ、タグビララン経由でセブに向かう。

よそ者の船の撤退を狙って、以前から、その船と時間帯に船を出す熾烈な競争をシキホール島では続けてきた。現状でも、Ocean jetはドゥマゲッティまで200ペソだが、Deltaは通常160ペソのところ、この早朝便は、割引して120ペソである。かなりの値段の差ではあるが、Oceanjetの方が、船が綺麗で、しかも かなり大きく、少々の波でも安心なので、特に外国人旅行者はOceanjetに乗る場合が多い。そのため ここ4年ほど継続してOceanjetはシキホール便を運行していて、今回は撤退しそうな気配がない。

Oceanjetはシキホールに夜留め置きされるが、船を一日有効利用するため、さっさと出発してしまった方が船会社には都合が良い。それで、早朝6時に出発してしまう。以前は、シキホール港からは 早くても6時半に出る船があったくらいで、通常は7時のDeltaでドゥマゲッティに行けば良かった。6時発では、港から5kmほどしか離れていない私の場合でも5時に起きて、食事も十分取らず、港へ向かわないといけないので大変だ。況や遠くの人をやである。

利用者の立場からすれば、朝6時かそれ以前に出る船が1本あれば便利だが、3本もあって その後続かないのは 非常に不便である。6時、7時、8時、9時、10時発と1時間ごとに船があれば非常に便利だ。それが、ほんの少し前までは、5時50分、5時55分、6時、12時30分、13時というように、これを笑い話と言わずなんと言うかというような全体スケジュールになっていた。その後、7時の便と、9時半の便が加わりかなりマシになったが、この二つは、遅かったり、小さかったりで、普通の旅行者にはイマイチな船という制限がつく。役所の観光課が出てきて調整せよと注文をつけたくなるが、そんなことは実現しそうもない。

笑い話を続けると、Ocean jetが一番速くて35分程度でドゥマゲッティに到着する。そんな早く着いても、シキホールからドゥマゲッティに買出しに行く人には、店はまだ2時間以上開いていない。とにかくOceanjetが一番速いので、一番後から出ても、他と少しの出発時間の差なので、最初に到着する。

最初に出るのは、New Jaylanという船で、以前に比べエンジンを強力にしてスピードは速くなったが、それでも競争相手より遅い。何とか追いつかれまいと全速力で飛ばすが、まずは、次に出発したDelta3に追いつかれる。しかしながら、結局一番速いOceanjetに皆抜かれ、出発したのと反対の順番で到着する。このような競争をしばらく続けていたが、全速力で飛ばすと燃費が悪いので、最近では適度な速度で進むようになった。さらには、Delta3の方もトップで到着できないので諦め気味で、ワザと出発を遅らせ、港に遅くやってきた乗客を乗せるというジプニー方式にしている場合をよく見かける。しかし、自分が利用する時には、遅れることを期待して ゆっくり行くということなことをしては、乗り遅れるかもしれない。時間通りに行くしかない。早くから起きて港に来ているのに、定刻どおりに出ないと、気分が悪いのは当然であろう。

船がスピード競争しているのは笑えたが、ワザと出発を遅らせることがあるのは笑えない話だ。
いずれにせよ、一番笑えるのは、頓珍漢な乗客無視のスケジュールである。


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