探偵ごっこ / かえって来たペソ

2006年 3月作成
2006年5月更新


(2006年5月更新分→)

今回 空き巣に入られた自宅

以前 北京で切られたカバン


最近、人の失敗をいろいろ取り挙げていたのが悪かったのか、北京でかばんを切られて貴重品をすべて盗まれた事件以来と言える大失敗をしてしまった。シキホール島の自宅で、携帯電話を順に3台盗まれ、挙句に空き巣に入られ、現金と腕時計を盗まれてしまった。

携帯電話は、近所の学生が、何人も別の場所に下宿を始め、連絡に困るので、学生または自宅の家族に無料で貸し出しているが、そのうちの故障して修理に出すつもりで置いてあったものや、予備用に買ってあったものが盗まれた。最初に2台が無くなった。二月の後半の週末のことである。もう1台は分解して置いてあったので難を逃れた。
しばらく何も起こらなかったので、安心していたところ、三月第一週の日曜日に、先に難を逃れたはずの3台目が盗まれてしまった。夜の8時から10時の間、窓と玄関の扉を開けたまま居眠ってしまった。目が醒めてみると三台目が無くなっていた。今度は組み立てて置いていたからである。その前の日から当日の午後4時頃まで、家を空けていてその間に盗まれた可能性も無くはない。その間はカギをかけて出て行った。普段使っていない携帯電話なので、いつまであったのか正確には覚えていない。
無くなったのに気づき、午後11時に、その番号に電話してみた。最初に、試しに 短くかけて切った。ミス・コールとよばれるものである。これは Miss Youを意味する場合もあるが、この場合は別だ。かけ直すと、ずっと呼び出し音が鳴っていた。もう一度かけると、呼び出し音の代わりにメッセージが流れた。新しい持ち主(?)が、うるさいので目を覚まし 電源を切ったようだ。普通ならそれでSIMを換えられ、次の日から呼び出し音はしなくなり、電話からの手がかりは無くなるはずだが、次の朝電話をかけたところ、再び呼び出し音が鳴った。再度 電源を入れたのだろうと思われた。今度は時間切れになるまでの長い呼び出しを5、6回繰り返し、その後、電源が切られたと思われるメッセージに変わった。その次の晩にも、試しに電話し見たら呼び出し音が聞こえ、まだSIMが使われているのがわかった。SIMを買うお金がないのだろうが、それなら、足がつかないように、盗んだSIMは処分するべきだ。それをしないところに、盗人のレベルが現れていた。

現金の方は、二階に置いていた。カギを締めて、出掛けていた間に空き巣に入られたようである。3月10日のことである。この日の午後1時から4時の間、バイクに乗って出かけていた。帰って来たら、裏側の扉のカギがかかっていなくて、横にあるジェロシーと呼ばれる約10cm幅のガラスが並んだ窓が、全開になっていた。カギは、かかっていたはずで、ジェロシーは、ガラスを斜めにしておいた。おかしいと思って、調べたら現金を入れていある袋が外に出ていて、ペソだけが、すべて無くなっていた。その他10カ国以上の通貨があったが、同じところに入れたあったにもかかわらず、盗まれていなかった。

その日は、朝から病院に出掛けていた。20歳の男性の母親が訪ねてきて、二日前に息子が刃物で、手を切り、傷が大きく 熱がでてうなされていると言うのである。薬を買うお金を工面するため舟を売りたいそうだが、生活に必要な舟を私が取り上げてしまうわけにはいかず、結局病院に連れて行って、私が代金を支払うことになった。駆け込み寺は、私のような貧乏な日本人のところではなくて、他のお金持ちの日本人のところだと言ってやりたりたかったが、駆け込まれてからでは、どうしようもない。フィリピンの病院では、日本人がお金を払うというのがバレた途端、お金のかかる治療を始めるという噂があり、それに備えるため、部屋にしまってあったペソの一部を、財布に移した。このため、その時までは、まだ部屋にペソがあったことを確認している。病院では、幸運にも、薬代300ペソを払うだけで済み、病院から午前11時頃帰った。詳しく調べていないが、その時には、特に異変は無かった。そして午後1時に家を出て、午後4時に帰った後で、ペソが無くなっているのに気づき、茫然自失の状態になった。お金がなくなったことは、いくらでも取り返しがつく。たとえ 家が火事になっても、それは想定の範囲内だ。最初から普通の日本人の十分の一以下の予算で 小さな家を建てているし、建物もいくつかに分散している。火事で家が燃えても、 日本とは比べ物にならない多種多様な害虫に家を食い尽くされても、次はどんなデザインの家にするか楽しく考え始めるだけである。
しかしながら、カギをかけてあった家に、空き巣に入られるのは、これは専門家の仕業で、性善説を捨てて、性悪説をとらないといけないというような大きな違いである。
日本では、人を信じることから始めているが、フィリピンに来たら、まず、人を疑うことから始めていて、既に性悪説をとっているとも言える。しかし、田舎の島に住んでいるので、セキュリティの面では、そんなに悪質な物取りはいないだろうと想定していた。現状では、窓の鉄格子もないし、家の周囲のフェンスもほとんどない。守りを固めるならば、行き着くところは、台湾や香港のような 窓の鉄格子と、金属の二重扉ということになるのかもしれないが、できればそんなものは必要ないと思いたい。

そんなに悪質な盗人はいないという前提に立っていたので、これまで予兆を見逃していた。空き巣が狙ったジェロシーはこれまで、よくガラスが外れていた。ここ数ヶ月のことである。それを単に品質が悪いための思っていたが、これは間違いで、ジェロシーのガラスを外して、また元に戻した可能性が高い。既に何度も空き巣に入られ、少しずつお金を盗まれ、これまで気づかなかったのかもしれない。銀行から預金を引き出すように、私の家を利用しようとした可能性もある。

空き巣に入られたのに気づいた2、3週間前には、空き巣が家の中に侵入するために直接利用したジェロシーだけでなく、その近くの2つのジェロシーも全開になっていた。これらは、家の裏側にある便所の窓である。周囲の人に話すと、単なる小さな子供の悪戯だという返事。それを信じて安心していた。しかし実際には、空き巣がカギの開け方を検討するために、中の様子を伺っていたとしか思えない。そのずっと前から、窓が開けられていることが何度かあった。検討を続けていたようだ。

犯行に利用された
ジェロシー
ガラスの角度が可変

ロックを空けられてしまった
イングランド(外)・ドミニカ(内)扉

仮想敵国

探偵ごっこのためには、仮説とその検証が必要で、仮想敵国を決めて、それに基づき手掛かりを探す等、何か行動を起こし、それによって犯人を見つけるしかないだろう。

仮想敵国A

最初の二台の携帯電話が無くなる少し前に、小学生の子供たちが4、5人来て、置いてあった携帯電話を見て、「ちょうだい、ちょうだい」と言うので、悲しいが、まず、この子供たちを疑った。その中の一人を良く知っているので、探偵に雇った。成果報酬にしてあったが、その後の進展はない。雇った探偵、一緒に来たそれ以外の子供たち、または それ以外の3通りの犯人の可能性があるが、その後に起こったことから、どうもこの子供たちは関係無いことがわかり、そのままにしてある。

仮想敵国B

携帯電話は、晩に窓と扉を開けたまま、しばらく居眠りをしてしまった間に盗まれた可能性が高そうなので、その時間帯に 私の家の周りをウロウロしている人物を疑いたくなる。すぐ横に、漁師の小屋があり、そこに泊り込んでいる少年漁師たち。それから、そのメンバーの一人で、すぐ近くに住む少年を疑った。
3台目の携帯電話が盗まれたことに気づいた次の日に、その番号に電話したら、呼び出している。そこで、漁師の小屋のすぐ近くにある私のコテージにこっそり入り、私が通常使っている携帯電話から3台目の番号に電話してみた。こちらでは、かけた側の呼び出し音は聞こえたが、盗まれた携帯電話が小屋の中にあれば、聞こえるはずの音はしなかった。小屋の中では無さそうであった。
そこで、次は、近所の少年の方に移った。そこに間者を送り、私が電話して、それに合わせて、その家から呼び出し音が鳴れば、間者にその電話を借りてもらい、私の呼び出しに応えてもらうという段取りだった。しかし、間者になってもらおうとした人物は 物分りが悪くて それができなかった。仕方なく、何度も電話をかけたところ、呼び出し音は聞こえていたが、その後、電源が切られたメッセージに変わった。程なく、その家から、少年の親が出てきて、「私の家には、携帯電話は1台あるだけだ。2台はない。」という、わけのわからないことと言い出した。しかし、それを聞いたのが、間者になってもらおうとした物分りの悪い人物で、後で確認すると、そんなことは聞いてないと言い出し、結局よく分からずじまいである。

昨日の晩には、少年の手元に携帯電話があり、夜中の11時の呼び出し音で起きたが、うるさいのですぐ電源を切った。今日は、少年が出掛けていて、置き場所を把握していない母親が、呼び出し音をたよりに、携帯電話のありかを探し出し、電源を切ったので時間がかかった。その後家から出てきて、息子をかばうように、家の中には、以前から使っている携帯電話1台しかないと主張したのだとすれば、すべてつじつまがあう。実際、少年はその2時間くらい後に、漁から戻ってきた。
しかしながら、この件は、直接的には これ以上 確認できなかった。

仮想敵国C コタバト少年窃盗団

携帯電話で前哨戦の小競り合いとも言える探偵ごっこを続けているうちに、いきなり、決戦とも言える空き巣に現金を盗まれるという事件が起こってしまった。今度は、目撃者の証言から、仮想敵国として、コタバト少年窃盗団が浮かび上がってきた。このグループは、ミンダナオ島のコタバトで窃盗を繰り返していたが、周りの人から疑われ、そこに住んで居られなくなり、シキホール島の私の近所に住む親戚を頼って、最近 引っ越して来たそうである。近所の人がこのメンバーから腕時計を2個盗まれ、その人は メンバーが滞在している家に乗り込み、時計を返してもらったそうである。現金入りの財布を盗まれた人がいて、窃盗団がその財布を使っているのを 盗まれた本人が目撃したという話もある。 すべては噂話で、どこまで事実か確認できていないが、作り話ばかりということでも無さそうである。しかし、そんなに怪しいグループなら 親戚も受け入れないだろうとも思われ、どこかに誤った情報もありそうだ。親戚も同業者ということか?

空き巣に入られた時間帯に、メンバーのうちの二人が、私の家の裏側で、しば刈りをして、その後、私の家の前にある休憩所に座り、私の家の様子を伺い、私が家に着くすこし前に、帰って行ったということである。今回の空き巣は明らかに熟練者の仕業である。これまで、外灯の電球を盗まれたようなことはあるが、誰でも簡単に盗めるようなことしか起こっていなかった。それが、新参者が来るなり、熟練が必要な盗みが起こった。これも、怪しさを裏付ける事実である。しば刈りを、私の家の裏側でやるのも とても不自然である。普通の人は もっと便利な道のすぐ近くでやっている。

空き巣の被害にあった二日後、これ以上疑いようがないくらい怪しい二人が戻ってきた。私の家の前の休憩場所で、1時間ほど、何をするでもなく、ゆっくりしていたのである。午前中には怪しいメンバーは来ないだろうと思い、しばらく出掛けていて帰って来た時の状況がこれである。念のため近所の人に見張ってもらっていた。
その後、ハイスクールの生徒が来て、パソコンを使う練習を始め、この怪しい二人組みも加わった。さらに、もう一人 別のコタバト・メンバーがやって来た。

これはチャンスと思い、待ち伏せ作戦を仕掛けた。パソコンの練習をしているのは忍者屋敷と呼んでいる建物で、私の自宅とは別棟になっている。自宅の二階で近所の人に待ち伏せしてもらい、空き巣が入って来たら、叫んでもらうことにした。 通信用にトランシーバーも渡した。さらに、家の周囲にも こっそり人を配置した。準備が整ったところで、私は、「しばらく出掛けないといけない。」と言って、パソコンの練習を中断してもらい、その場の人たちを帰した。私はバイクで遠出するふりをして、400mほど離れた知り合いの家に行き、家の裏にバイクを隠し、ぐるっと遠回りして、自宅近くの茂みに向かった。

怪しいメンバーはしば刈りに行ったので、その後戻ってくるだろうと期待して、しばらく待った。しかし 残念ながら戻って来なかった。 この時は不発に終わってしまった。

オートバイに乗る練習をしたい

コタバトから来た少年の一人がオートバイに乗る練習をしたいと言い出した。バイクを盗まれる可能性があるので、当然、受け入れるはずはない。
これまで、シキホール島でオートバイを盗まれたという話を聞いたことがない。盗んでもナンバー・プレートで番号を確認できるし、ナンバー・プレートを外したまま走ると、警官に捕まる可能性が高い。番号を変えようとしても、登録時にエンジンの番号を控えるので、調べれば盗品と分かってしまう。
携帯電話は、フィリピンのプリペイ式のものであれば、盗品のSIMを変え、必要ならケースを変えれば、それで十分だ。これに対して オートバイの場合は、盗んでも後処理が大変そうだ。そのため盗難の話を聞かないのだと想像する。
しかし、例えば 盗んだオートバイをミンダナオ島の山奥にでも持って行くのならば、まともに警察が来るとは思えず、何でもありであろう。ミンダナオ島から来たコタバト少年窃盗団なら、そんなことをするかもしれない。オートバイが頻繁に盗まれるようになれば、オートバイのレンタルがなくなってしまう可能性が高い。自転車なら、買い替えに必要な金額をデポジットに取ることも可能だろうが、オートバイでは、それは現実的でない。オートバイのレンタルがなくなれば、旅行者には大打撃だ。

もしもオートバイが盗まれるとすれば、その手口は通常なら次のようになりそうだ。
まずは、オートバイの練習だと言って、借りたその足で、町に行って合カギを作る。そして、夜に機会を狙って、盗み出す。私の場合、車庫がなくて、オートバイは庭に置いてあるだけだ。

FUCK U

待ち伏せ作戦が不発に終わり、別の手掛かりを追った。空き巣にあった日の晩に、FUCK U(いてもうたろか。くたばっちまえ。)というテキストが送られて来たのである。盗まれた携帯電話の番号に、何度も電話したので、犯人が腹を立てて、送ったものだろうというのが一番可能性が高そうだ。普通ならこのようなテキストに使う電話機は、十分注意して選ばないといけないはずだが、間抜けな犯人は、盗んだ電話のSIMを交換したのでもう安心と思い、それを使ってしまった。FUCK Uを送ってきた怪しい電話番号に電話すると、呼び出し音がする。セブアノ語の応対は私には難しいので、近所の人に頼んで話をしてもらったところ、答えたのは犯人の母親で、「あんた誰」と言うと、名前を答えてくれた。近所にはその名前の人物は、一人しかいないので、電話で試してくれた隣人がその家に行って、「あなたにテキストしたい」と言って、携帯電話の番号を聞き出したところ、FUCK Uを送った番号と一致した。強力な手掛かりが見つかったのである。
待ち伏せ作戦失敗後、近所の人と一緒に この家の近くまで行き、私の隣人に先に行ってもらい、私の携帯電話から、電話をかけると、予定通り電話が鳴り 家族が答えた。そこで その携帯電話を取り上げると、盗まれたうちの1台のケースを使っていることがすぐに分かった。最後に盗まれた1台には、一目でわかる傷がついていたのである。このケースを使っているということと、普通なら知りようがない私の携帯電話の番号にテキストを送ったという事実から詰問した。悲しいことに犯人は私のところにパソコンの使い方を練習に来ているハイスクールの生徒の一人だったのだが、いろいろ話を作り上げ、私の質問に答えた。こちらも矢継ぎ早に言い返すので、犯人は作文能力の不足から、答えに窮し、観念して盗みを白状した。

通常、フィリピンで携帯電話を盗まれても、返ってくる可能性はかなり低そうだが、今回は、相手に恵まれ、幸運にも手元に戻ってきた。もう一台は、その友達が持っていて、それも帰ってきた。そちらも共犯だ。さらに1台は、故障していたので捨てたとのことであった。確かに壊れていたので、その話を信用した。

結局、犯人はAでもBでもCでもなく、想定外で新たなDとなってしまった。同じ時期に事件が起こっているので、携帯泥棒も空き巣も同じ犯人という想定に傾いていたが、このレベルの低い犯人では、専門技術を駆使しカギを開けて家に侵入する空き巣は とてもできないのは自明なので、空き巣の方は別に調べることになった。空き巣に現金を盗まれた時間帯には、携帯電話泥棒は学校に行っていたという事実もある。

役者がABCD勢ぞろいし、これで十分だと思われる。時間の順にA,B,C,Dと付けただけだが、大国と言うべき一番手ごわい相手が、AでなくてCとなったところに、何か大きな意味があるのかもしれない。

盗まれた携帯電話の1台は、私の名前がジョニーになっていた。何でジョニーなのか最初は良くわからなかったが、人から話を聞いていて、すべてが良く分かってきた。ジョニーは、間抜け携帯電話泥棒の相棒の親で、コタバト少年窃盗団が滞在している家の家主である。窃盗団のメンバーの一人、そのおじということである。

息子が盗みを働いたのなら、まともな親なら、子供を連れてすぐに謝りに来るのが当然だろう。
しばらくして私は、日本に帰ってしまったが、ジョニーは来なかった。 ジョニーが来たなら、1週間待ってたと伝えてもらうことにしているが、ジョニーは 今後もずっと来ない可能性が高い。ジョニーが善良な小市民であるという仮説は、とうの昔に崩れ去っている。

ジョニーが黒幕で、息子と窃盗団を指揮するマネージャーなのか? 滞在費を払わせるために、空き巣のターゲットを指示していると考えると、分かりやすい。

とにかく、窃盗団が近くに住んでいては 安住できないのは 明らかだ。

帰ってきたペソ

探偵ごっこは続いていたが、日本に帰る日が近づき、このままだと、私のいない間に、自宅の中は盗まれ放題になるのではないかと不安になった。しかし、その後 急展開があった。

日本に帰る前の日になって、現金が戻ってきたのである。ビニール袋に入った現金が 家の横の垣根の下に捨てられているのを隣人が見つけてくれた。 中にペソが入っていたが、盗られたと思っていた金額より少なかった。2千ペソほど使ってしまったようである。ペソだけが盗まれたのかと思っていたが、台湾元も 一緒に戻ってきた。確かに私は台湾元も持っていた。そちらの方が 盗られたペソより値打ちがあったが、とにかく戻って来て良かった。

盗まれた携帯電話をジョニーが使っていたのが、既にバレてしまっている。そのため、私が警察に通報して、その結果 ジョニーの家が家宅捜索されるのを恐れたのか? 「警察に通報しないで欲しい」というメッセージのつもりで現金を返したと解釈すれば分かり易い。しかし、油断させるためと考えることも出来なくはない。

出来るだけ戸締りを厳重にし、近所の人に見張りを頼み、私は日本に戻って来た。


ここまでが これまでの話で、その後の進展があれば、別途追加更新したい。

いろいろ忙しくて、探偵ごっこなどにうつつを抜かしている場合ではないとも言えるが、放って置くわけにもいかない。以下に、今後の探偵ごっこの取り組みのアイデアをまとめた。

しかしながら、現金が返ったことで、犯人は改心したという見方もできるので、しばらくは様子見することになりそうだ。

続・待ち伏せ作戦

初回の待ち伏せ作戦は不発に終わったが、機会を見て、また待ち伏せしたい。オートバイが置いてあると家に居ると判断しそうなので、しばらく、オートバイを別の場所に置いて、家の中に潜んでおけば 良さそうだ。

警戒警報

相手がこちらに向かっているという情報を、誰かにテキストで送ってもらうと役に立つ。警察には言わないという願いを受け入れ、携帯電話を盗んだ犯人を許したので、ここに再度携帯電話を戻し、警報を送ってもらうこともできそうだ。

スパイ

腕時計を盗まれていて、これが大きな手掛かりになりそうである。誰かをスパイに雇い、相手の家に送り込み、不審な腕時計があれば、借りてきてもらい盗まれたものか確認する。ただし、その前に町で、中古時計を扱っている店に行き、誰か売りに来なかったか確認した方が良い。

心理作戦

携帯電話を盗んだ犯人が見つかったという話は、既に、相手の耳に入っているはずなので、警戒している可能性が高い。そうなると待ち伏せは難しい。心理的に圧力をかけて、どこかに追っ払うのが良いかもしれない。POLICEと書いたTシャツを調達し、人を沢山雇い、そのTシャツを着て、相手の家の周辺をウロウロしてもらう。


(2006年5月更新分)

犯人の目星もつき、今後の作戦も考えた状態で日本に帰国したので、そこそこ安心ではあった。そして 再びフィリピンに戻ってみると、新たな進展があった。

コタバト少年窃盗団は、新たに盗みに入って、そこで警察に通報され、逮捕を恐れ慌ててコタバトへ帰ったそうである。私の方は、三人組みのうち二人があと数週間でハイスクールを卒業するので、警察に通報するにしても、卒業式の後にしようと思っていた。そこへ、盗まれたお金が返ってきたので、それは謝罪の意味で、許して欲しいということだと理解し、警察への通報は見合わせるつもりになっていた。

ところが、別の人から通報され、逃げる羽目になり、結局、卒業できずに終わってしまった。残念だが、かわいそうにという言葉は ここでは当てはまらず、自業自得と言うしかあるまい。

出身地のコタバトで 周りから疑われて、シキホール島に落ち延びてきたといういきさつがあるので、古巣に帰るのは難しいはずだ。親戚を頼りに、さらに別の場所に落ち延びて行ったのか?

いずれにせよ、危険人物がいなくなったお陰で、現地では平穏な日々が戻ってきた。


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