港のドライバー 「私待つわ」

2012年2月作成





シキホール港で客待ちするトライシクル

フィリピンでタクシーやトライシクルなどの乗り物に乗りたくない場所と言えば、空港、港、そして高級ホテルの前であろう。客待ちしている運転手に吹っかけられるかもしれないからだ。典型的なぼったくりの例では、マニラの旧国内線ターミナル(現第四ターミナル)から 国際線の第一ターミナルへのタクシーの移動で、1万円と言われたという日本人の話を聞いたことがある。

特に空港では 長らく客待ちしているので、待ち賃を払ってあげないと ドライバーもやってられない。適正価格としても、普通より高くなるのはしかたないことだろう。しかし、私のように、待ち賃を払いたくない乗客は、大通りまで出て、客待ちしていないところで乗るとか、マニラやセブ空港でよくやられるように、出発ロビーに行って、客を降ろしたところのタクシーに乗ったりする。

ここでは、特にシキホール島の例を取り上げたいのだが、最近は観光地化が進んで、港で客待ちするトライシクルの数も増えた。

港から私の家まで5km余りあるが、市場から乗り合いのトライシクルに乗れば、トライシクルの路線上で、自宅から最寄の場所まで10ペソで済む。私の家は田舎で路線から外れるので、自宅前まで行ってもらうには、追加で5ペソか10ペソ払う。これは乗り合いの場合だが、港から来ようとすれば、Special tripと言われ、貸切料金にされ、定価のない世界に入っていく。少し前に100ペソで来た人がいたが、最近では200ペソ請求された人も出た。何とか50ペソを目指してくれと言いたいものだ。しかし、反対に、日本人が来る場合が多い私の家までの場合、誰か一人が言われるままに高い料金を払ってしまったら、その値段が固定化して、さらにつり上がる可能性もある。

そこで、相場をつり上げたくない私としては、訪問者を港まで迎えに行くということになる。

反対に、ドライバーの立場から言えば、そんなに高い料金を払ってくれるなら待ちがいがあるということになる。

通常 ドライバーが待つのは、宿に泊まる外国人だろう。先日 港で人を待って居るあいだに、ドライバーの客引きの様子を伺っていたところ、10kmほど離れたある宿まで、外国人が行きたいというと、ドライバーは150ペソと言い、客はそのまま乗っていった。相場はその程度なのだろう。

別途紹介しているように、宿の方は、ドライバーにバックマージンを払って、客を連れてきてもらおうとする場合が多い。客の立場からすれば、そんなものは払わずに、その分を宿泊代から割引して欲しいことだろう。

ドライバーは、うまくすれば 高い運賃と宿からのバックマージンの両方を受け取れる可能性があるので、その結果、港で延々と、「私待つわ」ということになる。

上の150ペソの場合なら、その宿の前を通る乗り合いのジプニーもあるので、それに乗れば15ペソほどで済むが、慣れていないと分かりにくいので、初めてだったら、少々高くてもトライシクルに乗って、連れて行ってもらう場合が多いのだろう。

最近は、旅行者の方でも対抗して、港でバイクをレンタルして、バイクで宿探しから始める旅行者も少なくない。

私のお勧めとしては、港では相場がつりあがっているので、少し歩いて市場の周りの乗り場に行き、自分の行きたい方面へ向かうトライシクルやジプニーに相乗りして、定価で現地に到着することである。しかし、旅慣れていないと簡単ではないかもしれない。

また、乗り物に乗るときに、ドライバーに「幾ら = Pila?」と聞くのは、「私は、よそ者でこの島でのトライシクルの料金を知らないので、あなたの好きなだけ請求して下さい。」という意味になりかねない。その場合は、他の乗客に聞くのが良いが、それも簡単ではない。ジプニーの場合は、乗り合いが前提なので、定価で乗れるのが普通である。

やたらと歩く外国人

シキホール島の周回道路である国道沿いをバイクで走っていたら、長い距離を延々と歩いている外国人旅行者を沢山見かける。これは、健康のためのウォーキングということもあろうが、宿から町まで出るのに、着いた時と同じように、高い料金を払わされたのではたまったものではない。その結果、歩く人が増えるのが容易に分かる。



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