2006年12月
Emergency Light フィリピンの田舎の島に暮らしていると、停電(現地ではBrownoutと呼ばれている)に悩まされることが多い。その場合に重宝するのがEmergency Lightである。いろいろな製品が売られているが、充電式で10Wか15Wの蛍光灯が2本付いているタイプのものを最もよく見かける。使用できる時間は、バッテリーの劣化状況にもよるが、ほぼ 1〜2時間程度である。夜の停電に備えて、できれば 二台以上あると心強い。値段もいろいろだが、これまで買った中で最安値は599ペソで、10Wの蛍光灯2本のタイプ。セブのSMに山と積まれて売られていた。これは数年前の値段で、今ではもう少し値上がりしている。一方、田舎の電気屋では1000ペソ以上する場合も多い。
ちなみに、今回Emergency Lightを取り上げた理由は、調子が悪くなり物置に片付けてあったものまで含めて、バッテリーの交換で、すべて新品同様に使えるようになり、気分を良くしているからである。
主な仕様
何時間点灯を続けられるかが重要だが、自宅にある10Wの蛍光灯2本のものと、15Wの蛍光灯2本のものを、分解してみたところ、どちらも6V、4.2AHのバッテリーが入っていた。交換用の市販のバッテリーを探してみると、6V品では 4AHと4.5AHのものが見つかった。以上から点灯を続けられる時間は、単純に計算すると、1時間前後ということになるが、実際には、もう少し長く点灯を続けてくれる。夜の停電時に蛍光灯を点していると、最初は明るいが そのうち 徐々に暗くなってくる。放電して、徐々に電圧も低下してくるので当然のことだが、あまり明るくなくて、消費電力も少なくなったところまで、点灯を続けられる時間に加えれば、計算上も矛盾はない。(最初から、蛍光灯の通常の明るさよりも 少し暗めに点灯するように設定してあるのではないかとも思われる。)
蛍光灯が2本付いていて、1本だけ点灯するようにスイッチを切り替えることもできる。少し暗いが、これなら倍の時間点灯を続けることができる。
充電時間は半日程度である。夜の停電で使用した後、翌晩に備えて、コンセントに接続して充電しておけばよい。
その他の仕様として、コンセントにつないでおき、停電すると瞬時に点灯を始めるよう設定することができるが、これは、窓が少なくて暗い店舗等なら役に立つが、普通の家庭では、昼間の停電での照明は不要であり、少し使いにくい機能と言えそうだ。バッテリーの交換
このバッテリーは、電気が来ていない家庭で ラジオを聞くのに使っている場合が多い。その他、懐中電灯を改造して、このバッテリーを接続して使っている人を見かけたこともある。とにかく、フィリピンの田舎では、結構ポピュラーで、充電器も含め簡単に手に入る。
冒頭の写真のタイプのものでは、ネジを6本外して、あとは、+、−の電線2本のはんだ付けをやり直すだけで、バッテリーを交換することができた。バッテリーの交換のことは説明書には書かれていないので、保障の限りではなく、個人の責任において行うしかないが、特に問題はないだろう。
一つ失敗談を紹介しておく。このバッテリーは充電された状態で売られている。これをドゥマゲッティのスーパーでまとめて買ったところ、レジのおねいさんは、電極の側をレジのステンレスの台の上に置いた。フィリピンの田舎での通常の手続きに従い、動作確認をしてもらったから買ったので、包装から取り出し、電極がむき出しになっていた。それでショートして火花が散り、おねいさんはびっくりしていた。普通の乾電池とは異なり、+、−の電極が同じ面にあり、ショートしやすい構造になっているのである。特に捨てるときには注意が必要だろう。
Emergency Light
内臓のバッテリー蛍光灯の交換
上の写真のタイプの場合、ねじ1本外すだけで、簡単に蛍光灯を交換できる。ここでの注意は、蛍光灯のtubeの部分が細いタイプのものを使う必要がある点である。蛍光灯を交換して、固定する部分に、蛍光灯の断面より少しだけ大きい丸い穴があいているが、この穴はかなり小さい。蛍光灯を固定する意味合いでそうなっているようである。交換用には、細い蛍光灯、すなわち 蛍光灯のガラスの部分の横断面が十分小さいタイプのものを探してくる必要がある。
停電事情
以前にも紹介したが、参考のため、シキホール島を例に取り、フィリピンの田舎の島での停電の状況を紹介する。
停電の原因は、
(1)古い発電機を使い続けていて 故障が多い。
(2)強風などにより、送電線上のcircuit breakerが切れる。
(3)メンテナンス
以上の3つのどれかであることが多い。
これは、シキホール島以外でも広くあてはまるはずだ。
(1)は、シキホール島の場合、1970年代に製造された旧チェコスロバキア製の発電機が 頻繁に故障する。何台もある中で一番大きいので、故障による影響が大きい。メンテナンス部品の入手が非常に難しく、最悪の場合、ほかの島の発電機から部品取りするような話も聞かれ、そんなものが、そう易々と手に入るはずはなくて、延々半年以上も電力供給が悪い状態が続くこともある。供給不足の場合には、スケジュールを組んで、いけにえを地域ごとにたらい回しする。よく起こることだが、夜に一部分の発電機が止まった場合には、島の西半分か東半部のどちらかが、いけにえにされる。その後5分ほどで、復旧することがある。これはパソコンをリセットしたのと同じで、再起動がうまくいった場合である。残念ながら、最近は短時間で復旧する場合は少なくなってしまった。通常は、夕方、多くの家で、照明を使い出し、電力消費が増える頃に起こり、午後10時くらいになると復旧する。この時間になると、消灯して寝てしまう家庭が多く、半分程度の電力供給量でも、島全体をカバーすることができるようになるからである。この状況もフィリピンの他の地域でも当てはまることが少なくないはずだ。
(2)に関しては、自分の住んでいる場所を中心に、どのcircuit breakerが どの地域に影響するかを、把握しておくと便利である。私の家への送電線の末端のcircuit breakerは、近所の3つのバランガイをにまたがる地域をカバーしている。 近所で強風が吹くと、送電線がショートしやすい場所があり、このcircuit breakerだけが切れることがある。この場合には、近所は停電だが、わずか数百メートルしか離れていない隣のバランガイでは電気は来ているので、強風が吹いた事実と合わせ、容易に状況が推測できる。
(3)のメンテナンスの場合には、予めわかっていることなので、通常は電力会社のオフィスに、Noticeとして掲示される。それを見ていない場合でも、朝の8時〜9時頃、仕事が始まる時間から停電が始まれば、何かメンテナンスを行っているのではないかと疑ってみた方がよい。
調子が良いと、何ヶ月も停電のない場合もある。電力供給は、天候や発電機の機嫌次第と言えば、わかり易い。
因みに、小さな島では、夜間しか電気が来ないところもあり、それに比べれば、シキホール島はまだ恵まれているとも言える。
フィリピンの小さな島に住むなら、太陽電池や風力発電なども検討する必要が出てきそうだが、それはそれで、また楽しそうである。