電撃蚊取りラケットの比較

2013年 8月作成
2017年11月更新




(→2017年11月更新分 : 「壊れやすいが、それでも買いたい電撃ラケット」へ)

日本の夏場にディスカウント・ショップなどで売られている蚊の撃退用の電撃ラケットは、類似のものがフィリピンでも売られている。以前から重宝しているが、最近はシキホール島でもデング熱が猛威を振るっていて、地域にもよるが私の家の近所でも患者が沢山出ている。そこであの手、この手と蚊の対策をするが、電撃ラケットで蚊をやっつけるのもその中の一つである。

ここでは、日本の企業が日本で販売している製品二つと、フィリピンで売られている中国製の製品一つを紹介するが、残念ながら、中国製品の方が優れていると言わざるを得ない。(結果を大見出しで書いていないのは作為的というのは、正直な話である。) しかし いずれにせよ、製造はすべて中国である。

火花のパワー

中国製品の方はかなり簡単に蚊を殺せるが、日本のものは、うまくいかない場合も多い。中国製品の方が日本企業の製品より かなり強烈に火花が飛び、また、メュシュの間隔は中国製品の方が広い。つまり、中国製品の方が 日本の企業の製品に比べ、より高圧がかかっているので、パワフルでラケットに近寄った蚊は、より確実に電撃で焦げて死ぬということだろう。そう考えたが、あまりにも大雑把なので、インターネットで検索してみたら、非常に丁寧にまとめている情報が見つかった。そちらで十分なので、さらに こちらでまとめる必要はないかと思ったが、それには フィリピンで一般に使われている中国の製品の話が含まれていない。さらに、分解して使われている部品を確認すると、最近の製品では、改良が進んだようで部品がかなり変わっている。そのため、この話は没にせず残した。

まずは、電圧だけ気にしていたが、上の記事にも書かれているように、蚊を撃退するエネルギーは、内部にあるコンデンサに蓄えられたエネルギーで1/2*C:*V*Vである。コンデンサの静電容量Cは、チップに表記されているので分解して簡単に分かったが、電圧の方がよく分からなかった。高圧を測定するツールが手元にないものの、適当に分圧すればテスターでも測定できそうだが、高圧は余り相手にしたくないので、やめておいた。先の記事によれば、ナイス蚊っちの二次側コンデンサの電圧、すなわち電撃メッシュで蚊にかかる電圧は1500V,カットリくんの場合は1000Vとのことだが、以前と比べて、使っているコンデンサの耐圧が大幅に大きくなっており、蚊にかかる電圧も以前と変わっている可能性が高そうだ。中国製品では、耐圧が12000Vもあるコンデンサを使っていて、かなり高圧と予想できる。

実際には、カットリくんの方は、コンデンサーの耐圧は以前と同様で、大幅スペック不足で製品として相応しくない状態のままである。一方、ナイス蚊っちの方は、大幅に耐圧が上がり、CEマークも付いている。

電撃蚊取りラケットの比較
写真
名称 ナイス蚊っち カットリくん Family helper(中国製品)
効果
重さ 軽い 軽い 重い
二次側コンデンサの容量、耐圧 0.33μF、 6000V 0.15μF, 400V 0.022μF,12000V
充電 不可 不可
価格例 399円 399円 P120
その他 感電し難い 感電し難い 感電し易い

中国製品の使用中の特徴として、一匹の蚊をしとめると、5回ぐらい火花が飛ぶ。メッシュの間隔が広く、その間を焼けた蚊が移動して、違う場所で何度も感電して、確実に撃退するということだろう。蚊が燃える時の音は快感で、それが何度も続くのは、パフォーマンスとしても優れていると言えそうだ。反対に、より電気を消費するとも言える。

充電式と電池式

充電式が良いかどうかは、いくつかの観点がある。電池式でも結構電池が長持ちするので、わざわざ充電式にするまでもなさそうでもあるし、一方中国製品は、パワフルでかなり電力を消費しそうで、充電式の方が良さそうでもある。充電式だと、毎回電池を交換する必要がなく、経済的のようでもあるが、充電式のバッテリーの寿命が来ると、バッテリーを交換できる仕様になっていないので、製品全体が使えなくなる。また中国製品の方がかなり重いが、これは充電式であることがかなり影響していそうだ。
一方効果が高いためには、パワフルな方が良くて電力を消費する。それには、電池式だと頻繁に電池を交換する必要が出そうで、それより充電式が向いているということにもなりそうだ。
それぞれ、複数の長所・短所がある。

スイッチの故障

電撃蚊取りラケットの一般的な特徴と言えそうだが、スイッチがよく壊れる。これは、実際に流れる電流より、はるかに小さな容量のスイッチを使っているからで、写真のカットリくんの場合も交換した後である。そこそこは容量が大きいものに変えているので、交換後は壊れることがないが、ちょうど良い形状のものが手に入らず、外に大幅に飛び出し、少し使い勝手が悪くなってしまった。


(以下、2017年11月更新)

壊れやすいが、それでも買いたい電撃蚊取りラケット

蚊の対策には 蚊帳や蚊取り線香を含め いろいろあるが、電撃ラケットがお薦めなのは、ずっと変わっていない。フィリピンでは、蚊が媒介する病気として、従来からのデング熱に加え、最近では、ジカ熱の患者も見つかっている。さらには、日本で知名度が低く、フィリピンでもほとんど気にされていないチクングニア熱があり、流行りだすと、家から家へとほどんど全員がうつるかのように 広まっていく。以前には、シキホール島の自宅の近所の地域でも大流行した。

個人的には、中国からの輸入品がフィリピンで見かけるようになるよりずっと前で、今から十数年前から 日本で買った電撃ラケットを現地に持って来て使っていた。最近は現地で買ったものを愛用しているが、以前より利用者が増えたものの、一家に一つというレベルからは、まだまだ程遠い。

もっと広まってほしいと思って ここでいくら書いても、見る人の数はしれているが、そのうち 有名ブロガー等の目にとまり、それをきっかけに広まることを期待して、こうして情報を追加している次第である。

お薦めしたいのは、現地で蚊が棲んでいるような場所に行ったら、これを買って、蚊を撃退してもらったらどうかということだ。さらに、知り合いを訪ねたのであれば、買った電撃ラケットを帰り際に置いて行けば、引き続き現地の人が蚊を撃退してくれることだろう。

一番の課題と言えそうなのが壊れやすいことで、現地で売られているものは 充電式になっているが、電池の寿命がイマイチな以上に、その前に何か問題が起こることも多い。 不在で使っていない期間が多い私の場合でも 1、2年で調子が悪くなる。いろいろな人が声を上げることで、改良されて、壊れにくい製品が出回ることを期待したい。
しかし、少なくともまだしばらくは、壊れやすい状況は続きそうで、現地で友達にあげた電撃ラケットは、次回来た時には、たいてい壊れていて、また買う必要があろう。

最近の状況

最後に、最近の状況をまとめておく。

日本で売られているもので 以前見かけたのは、「ナイス蚊っち」と「カットリくん」の二つだったが、最近日本で知り合いが使っていたものは、また別の製品だった。日本でもいろいろな製品が出回っている。

フィリピンでも、中国製でいろいろな製品が売られているが、どれも以前と比べ、かなり値上がりしている。前回調べた時の価格はP120だったが、それが、P175やP199などになっている。値上げの口実なのだろうと 一ユーザーとして思うのは、LEDがついたことだ。確かに便利とも言えるが、私と同様、シンプルで安いものが欲しいユーザーは多いはずだ。

最近フィリピンで売られている電撃蚊取りラケットの例


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