学校に行けない子供たち

2000年2月


耳が不自由なRodel少年

彼は、3才の時に耳の病気にかかり、その後耳が聞こえなくなり、話すこともできない。父親は家を出ていき、母親と二人で暮らしている。セブ市にあるろうあ学校に入れるのが良いのだが、貧困のため親はRodel少年を学校に入れることができなかった。現在14才。
補聴器を使えば、聞こえるようになると、母親は主張している。それが事実なら、遅ればせながら、普通の学校に通うことができるかもしれない。

両親が亡くなったAllan少年

San JuanのNipa Hut on the Rock Cafeに行った時に、学校に行っていない子供にあった。名前はAllan Roxasという男の子。英語が通じないので、隣人に彼についての話を聞いた。彼は通常なら小学4年生。ところが両親が昨年病気で亡くなったことなどで、彼は1年生から学校に行っていないとのこと。14歳と15歳の姉がいて、彼らは二人とも小学校だけは出たが、その後は学校に行っていないとのこと。

学校に行けないからといって、誰が何か言ってくるとか、支援の手が差し伸べられるとか、いうことはないそうだ。

現在は祖母などと暮らしている。住所は、Cang-Obao, Maite, San Juan

この辺りで、学校に行けない子供がたくさんいるという噂があったが、結局この少年一人だけであった。シキホール島の山の奥に行けば学校が遠かったりして、学校に行っていない子供がたくさんいるということなので、さらに調べる必要がある。

学費

実際に学校に行くための費用について、島民に聞いてみた。公立学校の場合、学校に直接収める月謝に当たるものは無料だが、その他いろいろ費用がかかるとのこと。運動会の出し物や、教材費など、各種のプロジェクトと呼ばれているものが、年間P500以上はかかる。さらに、ノート、鉛筆、遠足費、さらに初年度にはかばん代などがかかる。これらを含めて年間P1000強かかるというのが、実感。さらに学校が遠いとジプニーに乗ったりするので、最低でも往復P2。年間だとP400からP500以上の出費になる。
(1円=約P0.38 @2000年2月)

市役所でのヒアリング

シキホールの市役所(Municipal Hall)に行き、学校に行けない子供についての、行政からの支援について、たずねてみた。結果は、ほとんど何の支援もなし。奨学金とかはないそうである。しかし、外国の政府やNGOから支援を受けている場合はあるそうである。

耳が不自由な例については、シキホールの地区内で、この他にも2例あるとのこと。
1件目は、Candanay Norte。 祖父の名前がMr. Herry Caroro。 母親が教師で、手話ができる。Rodel少年も少しの間、この先生に手話を習いに行ったとのこと。
2件目は、Elly Baroroという名の16才の少年。住所はCang-Atuyom,Siquijor。ベルギー政府から支援を受けているそうだ。
2月の終わりに、村長の会議があり、学校に行けない子供について、すべての村の状況を聞いてもらえることになった。結果は次回4月に入手予定。

担当者は、 Mrs. Zusan P. Siao, Social Welfare Assintant, D8WD, SIQ

今後の予定

貧困家庭に対しての奨学金などの支援を受けられる可能性と、山間部での就学状況について、さらに調べる予定。

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