竹取り物語

2011年1月作成



近所の人が魚を獲る仕掛けを作っていたが、
波でその大半が壊れてしまった。


近所の海で、エリのような魚を獲る仕掛けを作っている人がいたのだが、しばらくして天候が悪くなり、強風と波で徐々に壊れ始め、竹が流れ始めた。結局、完成して魚を獲ることもなく、どんどん壊れていき、無残な姿をさらしている。壊れ出してから修理した気配はなく、多分このまま朽ち果ててしまうのだろう。

もう少し沖合いにあり 何かの養殖をするために竹を並べて立てている所は、ずっとそのまま存在するので、岸に近く浅瀬に作ったのが災いし、底が浅い分 波が高くなって壊れやすくなったと思われる。

さて、ここで面白いのは、今も進行形だが、この仕掛けが徐々に壊れる期間中、波が高かった翌朝になると、近所の人が竹を持ち帰る姿である。流石にその証拠写真を撮ったりはしないが、いろいろな人がお持ち帰りしている。私は毎朝のように漂着ゴミの掃除をしているので、度々見かける。最初はどうしてこんなに竹を拾っていくのか不思議に思っていたが、そのうち、この仕掛けが徐々に壊れていくのを目のあたりにし、状況が把握できた。その仕掛けのすぐ横の海に流れ着いた廃材を有効利用しているというのか。直接壊しには行っていないが、余りにも見え見えなので、竹取りよりも、竹盗り物語と言うべきか。

漂着した竹も有効活用されているが、漂着した椰子の実も同様に有効活用されている。以前に紹介したようにココ・マウンテン・チャンピオンシップを開催して、ゴミとして海に投げ捨てられている椰子の実の殻を集める競争を何度かやったが、割られていないそのままの椰子の実を見つけて、果肉を取ってコプラとして売ろうとしている人もいる。割られて果肉が取られた後の椰子の実が並んでいるので、そうだろうと思っていたら、次の朝には、漂着した椰子の実を物色している人を見かけた。

さらに、隣の家に話をしに行ったら、隣のおばさんが、漂着したプラスチックのゴミを拾っているそうである。これも、コプラと同様に売れるので拾うのだが、そうは言っても、ペットボトル等に限られる。

地見屋と言えば、ワイキキ・ビーチで金属探知機を使って、コインを拾っている人が有名だ。地見屋のことを解説した本には、コインを拾っていると書いてあったが、多分 狙いは貴金属で、フィリピンで根強い人気のTreasure hunterなのだろう。
ここで取り上げた竹、椰子の実、プラスチックを拾っている人も、地面の上にあるものを拾っているので、地見屋のうちなのだろう。

私は、プラスチック等のゴミも掃除しているが、主に打ち上げられた椰子の殻と流木を 岸に積み上げている。これらは、乾燥すれば、燃料として使える。掃除をしていると、通りがかった人から、何をやっているのかと聞かれることがあるが、積み上げた流木と椰子の実の山を指差して、"Philippine NO.1 natural resources"と皮肉って応え、返事の代わりにしている。


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