2000年9月作成
2002年6月更新

シキホール島は、かなり安全な島と言えるが、それでも、泥棒が出没している。ここでは、自分で経験した分と人から聞いた話の両方を紹介する。
いずれも、少し注意していれば防げることばかりである。どの程度注意すれば良いのかを知る参考にして頂きたい。

まずは、自らの経験談から。

たわいもない話だが、バナナケーキを盗まれた。
事の顛末は以下の通りだ。
知り合いの耳が不自由なRodel少年の誕生日に、バナナケーキを持って行って、みんなで食べようとした。午後3時に彼の家に着いたところ、誰もいないので、持参したバナナケーキを、家の中の竿に下げて、しばらく近くを歩いていた。その竿があったところは、家の中だが、扉はなく、誰でも簡単に入れると言えば、その通りの場所であった。しかし、まさか誕生日のケーキを、持って行かれるはずはないと、安心していた。
1時間ほどして、Rodel少年の家に戻ったところ、Rodel少年の母親の知り合いが来ていて、食事の準備を始めていた。しかし、何故かバナナケーキが見当たらない。一緒に持ってきたノートだけは、その場に残っていた。蟻が来るといけないので、誰かが、気を利かしてどこかにしまってくれたのだとばかり思っていた。
ところが、誰も知らないのである。そして、盗まれたに違いないことが分かった。近所の子供たちには、ケーキのことを予告していたので、学校から帰ってくるとみんな、がっかりし出した。そして、誕生日のケーキを盗むとはなんたるふとどき者かと、私は憤慨した。
その後、私は、誕生日のケーキが盗まれて、子供たちはみんながっかりしていることを、その家の周りに広く触れて回った。たぶん、盗人の耳にも噂が伝わったことだろう。その後は、ものを盗んだりしなくなったものと期待したい。

次に、泊まっていたビーチリゾートで起こった事件を2件

まずは、そこで学資を支援してもらい、学校に通っていた少年による盗み。
彼は、そのビーチリゾートのオーナーの一人が、外国に行っている間にビーチリゾートに残しておいた100ドルを盗んだ。町の両替屋の店員が、この少年が100ドルをペソに両替したことを覚えていた。そして、その時、このオーナーに頼まれたとうそをついていた。そのような証拠があるので、この少年が犯人であることは間違いあるまい。また、この少年は、このビーチリゾートからお金を預かり、市場に魚を買いに行き、年寄りの魚売りから魚を万引きし、預かっていたお金を着服するという悪事も働いていたそうだ。
そして、2度と悪いことをしたら追放だと、言い渡されていたところ、また、オーナーの服のポケットに入っていた現金を盗んだ。その結果、この少年は永久追放になった。普段は人なつこくて、私もTシャツを少年に与えたりしていたので、かなりショックだった。

もう一件はマンゴ泥棒

このビーチリゾートに泊まっていたドイツ人の2人が、コテージの外の置いていたマンゴを盗まれた。ビーチリゾートのオーナーが言うには、盗んだのは近所の子供で、先の泥棒少年の親戚に間違いないらしい。
私は誰が犯人か、よくわからないが、試しに、この泥棒少年に、マンゴ泥棒を捕まえるわなを仕掛けるので手伝うよう依頼した。この少年に、以下のように言い聞かせておいた。すなわち「マンゴ泥棒を捕らえるわなは、毒マンゴを使うか、それともマンゴを取ったら槍でも何でも飛んでくる仕掛けにするか。とにかくマンゴ泥棒はの命はないだろう。マンゴ泥棒がかわいそうだ。」と、子供か聞いたら、泣き出したくなるような怖い話をしておいた。
泥棒少年は、嫌な顔をしながら、しぶしぶマンゴ泥棒退治を手伝うと言って海に出て行った。海には、小さな子供がいて、泥棒少年は子供に、とくとくと話をし出した。現地の言葉なので、私はよく内容は分からなかったが、マンゴ、マンゴ（現地ではマンガ）と言っていた。そして、子供は大声で泣き出した。その子は、しばらくは、私のことを恐れて、近寄って来なくなった。しかし、その後マンゴ泥棒
は出なくなった。

最後にこの島に住むドイツ人夫妻から聞いた話を1件

この夫妻は、家を建築中だが、最近仮の家ができて、そこに住み出した。仮の家ができるまでは、少し離れたところにあるビーチリゾートに泊まっていた。そこはかなり馴染みのところであったので、彼らは安心していた。
ある日、この夫妻はドゥマゲッティに出掛けた。そして、帰ってくると、部屋に置いてあったペソの現金が無くなっていた。そのお金は大工さんに支払う日当だったので、日当が払えず困ってしまったそうだ。
そのビーチリゾートでは、屋根の修理をしていて、夫婦が出掛けていた日には、修理担当の大工が容易に部屋の中に入れる状況になっていたとのこと。もう少し注意しておけば良かったと、彼らは反省している。

（参考）　隣人が泥棒だったら