銀行預金、口座開設

2013年 8月17日作成   
2014年 2月10日最終更新



(2014年2月更新分)

/* 口座の凍結、通帳とDabit cardの同時発行の実績等を追加。 */

(2014年 1月更新分) 

/* 実際に口座を開く場合に、ドル預金かペソ預金かなどいろいろと選択がありややこしいので、それらの選択の役に立つ情報を得ようと銀行に行って問い合わせてみた。 */

フィリピンの銀行や そこでの口座開設については、いろいろな人が、インターネット上で情報を提供してくれている。敢えてまとめるまでもないと思っていたが、特にブログの場合、その人のその時点での経験をまとめていることが多く、それだけ読んでいると全体像から かなり ずれて、誤った方向に導いてしまう可能性がありそうだ。そういう私も、単なる利用者で、それほど詳しいわけではない。最近になって、複数の人から聞かれたこともあり、少し検索してみたら、いろいろと食い違いがあるので、できる範囲で いろいろな銀行に出向き、これまでの経験も踏まえ、特に日本との違いについて、なるべく一般的な情報になるようにまとめてみた。

銀行によってまちまち

日本でも、銀行によって特徴があって、当然いろいろと違いがあるが、例えば、私が利用しているFIRST CONSOLIDATED BANKの場合、1年間、預金の出し入れがないと預金を没収されるというびっくり仰天の厳しいルールがあると、一昔前の口座開設時には聞かされていた。しかし、新たに確認してみたら、2年間入出金がないと口座が凍結されるだけで、その後でも本人が銀行に行けば 簡単に凍結は解除される。

当初厳しい話を聞かされていたのに、どうしてその銀行で口座を開いたかというと、シキホールの町には、他には銀行がないからである。

フィリピンに住み始めた外国人が最初に銀行関連で知りたいことは口座の開設についてであろうが、これも、いろいろで、以前、ある銀行で学生の口座を開設する時には、IDが二つ必要と言われ、これは今でも一般的なようだが、FIRST CONSOLIDATED BANKの場合、最近は次のようなことも言い出した。

少し前に、近所の日本人がこの銀行でペソの口座を開こうとした時、銀行の担当者によると、現地に8ヶ月ほど住んだ後、Barangay clearanceをもらってくるようにと言う事だった。本人は、何を言っているのか理解できず帰ってしまい、その後銀行に来ないので、担当が どうなっているのかと、私に聞いてきた。 それで、口座の開設に何が必要かとたずねたら、そういう返事だった。

この銀行だけが かなり変わっているとも言えそうだが、例えば、口座開設に必要なものについても、後から説明するようにFIRST CONSOLIDATED BANK以外でも、いろいろと違いがある。ATMの引き出し限度額や手数料もいろいろだが、これについては、最近は収束の方向にありそうだ。

ATMと通帳

私の使っている二つの銀行ではキャッシュカードか通帳かどちらか一つだけ選ぶ仕組みになっていて、ここ十年余り変わっていない。(再度、BDOで問い合せたところ、後述のように、通帳とキャッシュカードの同時発行が可能なのが判明した。) 今回、他の数行にもも問い合わせに行き、知り合い数人の話を聞いても同様で、フィリピンではATMと通帳の選択制が一般的だ。通信や電力等のインフラの信頼性が低いので、瞬時のデータの同期が必ずしも保証されず、二重引き出しを警戒しているのだろうと想像されるが、部外者なので、それぐらいにしておく。
日本と同じ仕組みにしてもらった方が便利だが、そもそもATMに通帳記入の機能があるものを見たことがないし、これまでとシステムを変えるには、かなりの費用が発生しそうだ。

通帳+キャッシュカード (2014年1月追加)

セブのBDOで問い合わせたところ、ペソ預金で、一つの口座で通帳とキャッシュカードを同時に発行することができ、最初に5000ペソ預金するだけでよいそうだ。さらに、海外からの送金も、自動的に外貨からペソに両替されるそうで、送金のためにドル預金にするという必要も無く、それならこれ一本で十分という場合が多そうだ。

フィリピン発行のカードを持っていなかったこともあり、話を聞いた後、BDOで 早速 申し込んでみた。カードはDabit cardと書かれていて、買い物にも使えるのだろうが、どこで使えるのか不明で、とにかくATMでの引き出しに使える。知り合いがBDOで、通帳とDabit cardを同時に発行してもらったという話があったが、結局それと同じだった。
口座開設時の最低の預金額が5000ペソで、通帳のみやキャッシュカードのみの場合には、2000ペソ程度なのに比べると高い。利用時の最低預金額も5000ペソで、それ以下だと手数料がかかる。暗証番号は日本と異なり6桁。他行でも、知り合いの話を聞く限り同じようだが、すべて同じなのかは、確認できていない。(2014年2月)

支店が違うだけで手数料を取る

同じ銀行のATMなら、支店や場所を区別せず利用することができるが、通帳の場合、自分が口座を開設しているところとは違う支店で、預金を引き出すだけで、結構な手数料を取られる。私の利用している銀行で以前試したらそうだったのだが、これも一般的であろう。
その時は、サインの照合をFAXで送ってやりとりしていた。かなり前のことなので、今はオンライン化しているのかもしれないが、そうしない方が、取り分けフィリピンのことなので、セキュリティ上安全とも思える。少なくとも私の行く支店の中では、紙ベースで照合している。オンライン化しないと、他の支店では手間がいろいろと増えるので、手数料がかかるのは当然だろう。

(2014年1月追加)

BDOの場合、セブ内の支店どうしなら、手数料はかからないそうだ。
地域が異なる場合、預金の手数料は、最低50ペソから(50ペソは5万ペソ以内)。引き出しは最低100ペソとのことだ。
銀行によって異なる。

ATMでの入金不可 / 偽ATM? (2014年1月追加)

フィリピンでは当たり前なのだろうが、ATMと呼ばれている機械からは、通常現金の入金はできない。それを、BDOで確認してみたらやはりできないそうだ。
ATMは、Automated teller machineの略で、出入金が出来る機械。出金だけで、お金を読み取ることができない機械はCD (Cash Dispenser) と呼ぶはずだが、フィリピンでは、ATMしか聞かない。バランガイキャプテンの妻までFirst ladyと呼びかねない、フィリピン的ないい様に言い過ぎの例の一つであろう。ただし、Wikipediaによれば、台湾でも同じだそうで、実は厳密に言っているのは日本だけなのかもしれない。

入金には、ニセ金とつかまされないように高度な技術が必要で、新たなユニットが付いて高くつきそうだし、特にフィリピンでは対応したくないものだと直感的に思える。

キャッシュカードでの引き出しの手数料 (2014年1月追加)

以前は、日本の銀行の国際カードを使って、フィリピンのATMで現金を引き出しても、なんとか我慢できる手数料で収まっていたが、最近は手数料が高騰し、実質為替レートがどんどん悪くなっている。これが、フィリピンで口座を開設したいという話につながっている。

フィリピンの銀行でキャッシュカードを発行しておけば、聞いている範囲では、同じ銀行なら、どこのATMで預金を引き出しても手数料はかからない。(たぶん、すべての銀行でそうなのだろうが、確認は大変だ。)
他の銀行のATMから引き出す場合、BDOで聞いたところでは、手数料は11ペソ程度とのことだ。もちろん、銀行によって異なる。

キャッシュカードでの引き出し限度 (2014年1月追加)

1999年には、PNBでのATMからの引き出し限度額は1万ペソで、他でも1万ペソはあったが、5千ペソの場合が多かった。その後、長い間どこの銀行でも、限度額は1万ペソしか見かけなかった。そして、新たにBDOで聞いてみたところ、2014年1月現在、限度額は2万5千ペソに引き上げになっているそうだ。1日の引き出し限度は、2万5千ペソを2回で5万ペソまでとのことだ。

BDOから、ATMでの一回での引き出し限度額が2万5千ペソと聞いたので、1万ペソを越える金額を引き出せるか試してみたら駄目だった。駄目だったのは、日本の銀行の国際カードである。後から、BDOでもらった説明書を読んでみたら、自行のカードなら一度に2万5千ペソまで引き出せるそうだ。(2014年2月)

ドル預金とペソ預金

日本でも普通は円預金で、外貨預金は別扱いになるように、フィリピンでもドル預金とペソ預金は別の口座になる。外国人は外国から送金することが多いはずで、ドル預金が多そうだ。利用している銀行のドルからペソへの両替のレートより、市中の両替所の方がレートが良い場合が多く、そのままドルで引き出すという人も多そうだ。私の場合は、小銭をシキホールにできるだけ多く持ち込もうと思っていることや、小額の紙幣の方が使い勝手が良いこともあり、それらが手に入り易いので、そのまま銀行で両替している。最近は、BDOのレートもそんなに悪くない。

利息はここ十数年、ペソ預金の方が良い。現地でビジネスをしている人などはペソの口座も必要であろう。このように、それぞれに特徴がある。

少し前には、外国人はペソの口座を開くのはかなり難しいと言われていた時もあったが、最近複数の銀行に問い合わせに行った結果では、特にドル、ペソ預金で大きな差はなかった。

一つ補足しておくと、ドル預金の場合、最初にドルをある程度預金する必要があり、私の時は最低500ドルと言われた。現地で両替するとレートが悪そうで、その次に来た時にドルを持ってきて口座を開いたという経験がある。大した話ではないが、どうせなら、そこそこドルの現金を持ってきた方が、気持ちが良さそうだ。

ペイオフ

銀行の窓口には保険が50万ペソという表示を見かけるし、インターネットで検索しても、50万ペソという数字しか見かけないので、50万ペソで間違いないはずだ。これでは少ないので、預金を分散させるという案があっても良さそうで、ブログでそうしているという人の話も見かけた。日本と同様、銀行が吸収合併していく方向にあり、それなりに安心と思っている人も多そうだ。
余談とも言えるが、以前は、大金を預金していると、銀行から誘拐犯に情報が流れ、誘拐されるリスクが高まるという噂があったが、最近はその手の噂も聞かない。

口座の凍結 (2014年2月追加)

口座の凍結は、DORMANTと呼ばれ、BDOとFIRST CONSOLIDATED BANKで問い合わせたところ、2014年2月現在2年とのことだ。他の銀行でも2年と聞いたことがあるが、すべて同じかどうかは確認できていない。凍結された後も本人が銀行に行けば、簡単に凍結解除ができる。FIRST CONSOLIDATED BANKの場合は、預金が1000ペソ以下で凍結された場合、毎月50ペソづつ手数料を取られるということだ。


口座開設

外国人が口座を開設する時に必要な書類を以下にまとめる。
2013年8月時点で各銀行の窓口に行って問い合わせた結果である。

銀行 BDO METRO BANK BPI Allied bank LAND BANK
支店 Dumaguete Dumaguete Dumaguete Larena@Siquijor Larena@Siquijor
ID IDが二つ必要
パスポート
(英語表記が必要)
ACR I-CARD
比国運転免許証
Postal IDから選択
IDが三つ必要
パスポートと
ACR I-CARDは必須
その他一つは
海外発行IDでも可
IDが二つ必要
パスポート
ACR I-CARD
比国運転免許証
より選択
IDが二つ必要
パスポートと
ACR I-CARDが
必須
IDが三つ必要
パスポートと
ACR I-CARDは必須
もう一つは銀行で
Supervisorが判断
最初に必要な預金

銀行によっていろいろだが、ドル預金で高々500ドル、ペソで3000ペソ程度なので、
それらを目安に準備して行けば問題ない。
写真

写真の要求も各銀行によりいろいろだが、1x1、2x2をそれぞれ複数枚セットにしたものが、
街中のスピード写真で簡単に得られるので、それを持って行けば問題ない。

IDは、外国人なら パスポートはデフォルトで、更に もう一つ または二つのIDが揃うかどうかということだろう。
国際免許で受け付けてくれるなら、運転免許のある人なら日本で簡単に準備できるのだが、パスポートを除いて、基本的にはフィリピン発行のIDを要求している場合が多く、残念ながら、一部を除き、あまり役に立ちそうに無い。

ACR I-Card

ツーリストでも、イミグレーションで、二回目のビザの延長を申請する時から、ACR(Alian Certificate of Registration) I-Cardを入手するよう言われる。このカードが、外国人の口座開設時には広くIDとして使え、さらに これが必須の場合も多い。しかし、今回ヒアリングしてみたら、必ずしも必須というわけではなくて、それ以外のIDで済む場合もある。
銀行では、ACRと言い、イミグレーションではI-Cardと呼ぶ場合が多いので、紛らわしい。

ACR I-Cardの発行には、申請から1ヶ月くらい時間がかかるので、すぐに口座を開設したいという場合には、既にこのカードを持っていないと役に立たない。ドゥマゲッティのイミグレーションに行って問い合わせてみたが、銀行口座を開くのだけが目的でACR I-Cardを入手したい人もいるそうで、そういう場合は相談して欲しいということだった。それとは違うが 私の場合、発行が大幅に遅れて、一旦出国してから、その次に戻ってきた時にI-Cardを受け取ったことがあった。短期の滞在でもI-Cardを申請しておき、その次にきた時に受け取るということも、相談を受ける中の一つなのあろう。

現地に2ヶ月以上滞在するのであれば、どうせACR I-Cardを取得するよう要求されるので、それなら、早めにイミグレーションへ行って申請すれば、少しでも早く銀行口座を開けるということになろう。ただし、その分カードの有効期限が早く来てしまう。

フィリピンの運転免許証

フィリピンの運転免許があれば問題ないが、なければ、どうせなら、早めに取得してしまったら良さそうに思う。もちろん現地で、運転免許証が必要な人に限る話だ。
日本の領事館に行って、日本の運転免許証を翻訳してもらえば、あとは LTO(陸運局)へ行き、病院での適性検査(視力検査)、ドラッグテストを含め半日程度で免許証をもらえる。ただし、フィリピンに来てすぐに免許がもらえるのかどうかは 場合によりそうだ。それでも、国際免許は、滞在三ヶ月までは有効で、それ以上の滞在では、フィリピンの免許を取得する必要があり、検問で国際免許を見せたら、早くフィリピンの免許を取れと言われるくらいなので、すぐに行っても良さそうに思える。ただし、これも場合によりそうだ。フィリピンで一から免許証を取得することも可能だが、既に日本で免許を取得しているかどうか、LTOで尋ねられ、免許がある場合には翻訳を持って来いと言われる。そこで、日本では免許が無いと嘘をつく必要があり、お勧めできない。

海外からの口座開設

香港在住の日本人からの情報では、香港にあるPNBの支店に行けば、フィリピンの現地の支店での口座を容易に開設できるそうだ。ただし、現地からキャッシュカードなどが届くのを待つのに2ヶ月ほど時間がかかるそうだ。

同様に、日本のPNBの支店でも、フィリピンでの銀行口座の開設を受け付けてくれるという情報も検索で見つかった。

ただし、どちらの場合も、口座を開こうとしている言っている人、書いている人自身も半信半疑で、いつまで続くか分からないとか、本当に口座を開けるかどうかは、結果が出るまで何とも言えないとか、かなり疑っているくらいなので、現状でも有効なのか、さらに先々に渡ってこのサービスが続くのか何とも言えない。ただ、香港在住の人の場合、既に受付はしてもらったとのことである。

このサービスが利用できれば、フィリピンに行かずに、しかも、例えば、日本でなら、パスポートと日本の運転免許証等、申し込む国でのIDで事足りるので、非常に便利である。

キャッシュカードの発行所要日数 (2014年1月追加)

セブのBDOの支店で聞いたところでは、キャッシュカードの発行に、銀行の稼働日で3〜5日必要とのことだ。大体1週間後頃に手に入るという話は他でも聞くので、他の銀行も含め同じようなものであろう。

以前と比較して

フィリピンでの銀行口座の開設では、時間が経つごとに要求する条件が厳しくなっていると言えそうだ。

私が口座を開いている二つの銀行でも、10年ほど前に私が口座を開いた時には、かなり簡単に口座を開くことができた。IDは一つでよく、パスポートだけで済んだ。 現状では、通常IDは二つかそれ以上必要なので、外国人にとっては雲泥の差と言えよう。

FIRST CONSOLIDATED BANKのペソ預金の場合、以前の私の時は、住んでいた下宿屋の住所を書いておけば良かった。しかし、上に書いたように、最近試した日本人の場合、天下のPRAのビザがあっても駄目で、ある程度現地に住んでいることを要求された。

以上、書いている時点では、最新の情報を取り上げているが、 とにかく Right here, right now. 
自分が口座を開きたい銀行で、まさに口座を開設する時に、受け付けてくれる担当者に直接聞かないと安心できないというのも、フィリピンでは、正直な気持ちである。


参考)
BANKでオロオロ


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