接触不良泣き笑い

2003年 9月


接触不良を起こしたInsect Killer

フィリピンでは 全般に工業製品の品質が低い。しょっちゅう故障して部品を交換している自転車。日本では考えられないが、1年も持たない水道の蛇口。すぐに壊れるドアの取っ手など、数え挙げたらきりがない。電化製品も同様で、とにかく よく故障する。
それでも、壊れ易い部品は大抵容易に手に入るし、なんとかなるものである。郷に入りては郷に従え。憤慨しているよりは、対処方法を知って自分で何とかしたい。

故障の中でも 特に注意したいのが、ここで取上げている接触不良である。日本でも接触不良は起こるが、日本のメーカーは プラグやコンセントなど 接点になる部分は、十分な接触が得られるように、社内で決めた基準に従い設計し、テストしている。そのためガバガバ、ゴソゴソのプラグやコンセントは有り得ない。プリント基板のハンダのノリが悪く、後から振動などで接触不良を起こすことくらいだろう。

これに対してフィリピンでは接触不良も多い。まさかこんなところがと思うようなところでも接触不良かもしれない。接触不良の有無は大抵簡単に確認できるので、何かあったらまずは疑ってみたい。 

ここでは、これまでの接触不良の事例を紹介しておく。

コンセントのプラグ

日本だとコンセントのプラグの金属部分の先の方には 小さな丸い穴が開いているので、簡単には抜けず、接触不良も起こり難い。ところが、フィリピンでは、この穴が無いことが多い。そのため、すり減ったタイヤが滑りやすいのと同様、プラグは抜けやすく、ぐらぐらして接触も不十分なことが多い。
これはプラグを見れば容易に分かるので、例えばパソコン本体につなぐ延長コードなど、瞬間でも電気が切れると困るようなものには使わない方が良い。

Insect Killer

光で虫を誘い電撃で殺す装置がフィリピンで売られている(写真上)。日本でも、業務用、家庭用ともに売られているが、南国のフィリピンだと一年中使えて、本場と言える。ただし、退治したいのは蚊であり、人を刺すような蚊は、光よりも二酸化炭素か何かに集まってくるような気もして、どれだけ蚊に有効かは不明だ。
それはさておき、小さな虫を沢山退治できるので、買って来て使っている。既に4台購入した。同時に複数使いたいこともあるのだが、よく壊れるため、何台も買う羽目になっているのだ。

先日、ほうきで掃いて虫を取った後、さらに、床にコンコンと軽く当てて、死んだ虫を落とし、その後 電気を入れたところ、電球が灯らない。 そこで、電球が接触不良になっているのでは疑い、調べたところ、その通りであった。電球は 工場でソケットに捻り込み、セッティングがすんでから出荷されているのだが、少しの振動で外れたのか、電球を捻って押し込むと再度 点灯した。

故障品が さらに2台残っているのだが、そちらは、残念ながら それだけでは治らず、他の原因も調べないといけない。

乾電池

壁掛けの時計を買ってきて使っていたところ、すぐに止まってしまった。テスターで、電池の電圧を調べても、まだ使えそうであった。そこで、電池ボックスの接点を、ヤスリがないので カッターでこすり、電池も何度か回転させて、接点を簡易に復活させてみたところ、動き出した。

腕時計の電池

以上は、接触不良で泣いた事例だが、最後に笑った事例を紹介する。

フィリピンに移り住み始める時に、日本の知り合いからセンサー付きの腕時計をもらった。機能が多いためか、1年ほどで電池切れになり、日本の時計屋に持って行き、電池を交換してもらったところ、一ヶ月もしない間に また電池切れとなった。そこで、何か電気がリークしているのではと疑い、修理は大変だろうと諦め、そのまま使わずにしまっておいた。 
その後 かなり経ってから、フィリピンだと時計の修理や、電池交換が日本に比べて非常に安いことが分かり、試しに フィリピンで再度電池を交換した。するとやはり2週間ほどで、電池切れの表示が出だした。そこで 電池を交換したところに行き、2週間しか電池がもたなかったとクレームをつけた。時計修理屋は、電池の電圧を調べたところ、新品と同様であった。 電池の接点の金属を折り曲げたり、洗ったりして、接点を復活させて、同じ電池を入れてもらったところ、その後は調子良く動いている。クレームなので、修理代も払わず帰ってきた。高い時計なので、とても得した。

日本の接触不良がフィリピンで修理できた事例である。


ホームページへ戻る