淀、秀頼不安

2009年1月作成
2009年2月更新




外国人の高齢者と若いフィリピン人の結婚を「南北結婚」と呼んで以前紹介したことがある。今回はその続編とも言える 結婚して子供が生まれてからの話である。

ここで取り挙げる例を具体的に特定すると、クレームも含めいろいろ不都合が出てくるかもしれない。一方、数字や内容が少々異なっていても特に影響はない。ここでの事例は、不特定だがフィリピンのどこにでもありそうな話としてとらえて頂きたい。

題名に書いたように、老体の秀吉が幼少の秀頼の行く末を案じるというのは、ある意味贅沢な悩みだと感じてしまうが、フィリピンでは、同じような事例が、頻繁に起こりそうである。インターネットで検索したら、日本人の父親が 80歳で、フィリピン人の若奥さんとの間の娘が5歳という事例が書かれていた。本人の気持ちまでは書かれていなかったが、普通なら、妻子の行く末が気になるはずだ。
普通の人より年金を倍以上はもらえ、左団扇と言えそうなはずが、将来をとても不安に思っている日本人の例もある。子供と若い嫁の行く末が、とても不安だということである。広い土地と大きな家があって、預金や有価証券などを、自分の死後 遺族にかなり残すことができるはずだ。しかし、嫁は、家や敷地、そして金銭を管理する能力はなく、お金は、あったらあっただけ使ってしまうに違いない。未亡人となった嫁は、金持ちと思われ、悪い人間が近寄ってきて、簡単に騙せてしまうだろう。結婚後 これまでの間にも、嫁はいろいろ騙されている。嫁が自分で生きていく力を身につけるために、学業に励んで欲しいが長続きしない。
娘は生まれて間もない。娘が成人して 一人前に生活できるのか。娘が成人するまで、自分が生きていられるかも分からない。自分の血を分けた娘なので、利発な子だと思いたいが、それでも、嫁以上に、将来への不安が残る。

秀吉は、天下を取ったので、淀君のような側室を持つことができたが、今の日本なら、そのような歳の離れた嫁をもらうことは、通常は起こりにくい。ところが、フィリピンでは、経済的な理由から、日本人を含めた外国人とフィリピン人で、大きく歳が違う結婚を頻繁に見かける。子供は、最初の例のように、通常なら ひ孫の年齢ということもあり得る。

対策は、勉学や事業など いろいろな可能性があろうが、人それぞれであろう。浪費癖が大敵と共通に言えそうだが、そもそも経済的に恵まれた生活をしたいため、若い人が わざわざ高齢者と結婚するのであり、根本的な矛盾というか、当然のことになるはずだ。高齢の外国人配偶者が亡くなってからのことも見据えた暮らしぶりのできる賢いお相手を見つけよということになろうが、フィリピン人側が経済的な理由で結婚するのに対応して、外国人側は、相手の容姿を理由に結婚するとも言えそうで、それだと 賢い相手かどうかは、二の次にされる可能性もある。相手の性格が第一だと 個人的には思うが、基本的には当事者が決めることであろう。

課題が多いので結婚しないのが一番だという意見もよく聞かれる。眉をひそめる人も少なくないかもしれない。しかしながら、私はわざわざ「南北結婚」を書いたように、賛成派である。問題も少なくないが、それ以上に良い面が多いと思うからである。最近亡くなった日本人の有名美人女性も「一人では生きていけない。」と どこかに書いてあったが、そういった問題の解決にもなりうる。現地の人々にとっては、貧困問題の対策になり得る。

いろいろな問題点を予めよく理解し、対策を十分検討した上で、結婚して 幸せになる人が増えれば良いなと願うばかりである。

実態としては、高齢の男性と 若い女性という組み合わせがほとんどであるが、男女が入れ替わる場合も同様である。その場合は、子供が生まれないし、淀君も秀頼も例えには相応しくないとも言えるが、それは、どうでも良いことだ。子供に関しては、一人で暮らしている私でも、「子供を もらってくれ。一緒に日本に連れて行って育ててくれ。」と、いたる所で頼まれる。いくら私が子供好きでも、それは出来ない相談なので、「 『お母ちゃん、帰りたいよ〜。 』と泣くので、日本には連れて行けない。」と言って、すべて断っている。 養子が欲しいなら、簡単に見つかるはずだ。

淀、秀頼不安の対策として、容易に思い付いて効果がありそうなのが年金だ。私の隣家のオーナーで、別のところに住んでいるおばあさんは、中国人と結婚したが、この例と事情が似ていて、夫は、ずっと以前に亡くなった。それでも、年金があるので、経済的には問題なく暮らせている。まとまった預金なら あっという間に使ってしまいそうだが、年金なら良さそうだ。フィリピンでは公的な年金としてはSSSがあるが、これは勤労者のための年金である。日本人男性が日本から年金をもらっていて、奥さんが居るので加給されているような場合には、加給とSSS加入条件が衝突する。別の年金を検討するということだろう。


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