ケーススタディ バンタヤン島の漁師A君の場合   99年9月

知人のビジネスのネタを考えているのですが、なかなか良い案が
思い浮かびません。何かアイデアがあればお便り下さい。


セブ島北のバンタヤン島に住む漁師のA君は13歳。
彼の家の隣のセントバーナードというビーチリゾートに、私が
泊まったのがきっかけで、お互い知り合いになりました。

彼の日課は、おおよそ以下の通りです。
朝3時起床。手漕ぎの漁船で、友達のB君と共に、家から数キロ
離れた漁場へ向かう。2時間ほどで漁を終えて、家に帰り、
魚を網から外し、捕れた獲物を近所の人に数ペソ(十円前後)
で売って、学費の足しにしている。残りを朝食にまわし、
食事が終わると、2キロ程離れた学校まで、徒歩で通う。
夕方帰宅すると、2回目の漁に出る。再び魚を網から外し、
食事後、9時頃就寝。
土日は学校が休みなため、バスケットボール等をして楽しむ。
だだし、漁師が好きなので、天候が悪くない限り、海には
毎日出る。

彼は通学用に自転車が欲しいが、漁業収入だけでは とても
買えない。新品のマウンテンバイクで3500ペソ(一万円強、
1ペソは3円程度)。中古なら その何分の1で買えるはず
だが、高値の花で手が出ない。
また、船にエンジンを付けて、遠くまで漁に出たいが、
やはり高くて買えない。

そこで、彼の漁業以外のサイドビジネスを、一緒に考えてみた。

案1)近くの町では、チキンとポークのバーベキューを売って
   いる。それぞれ値段は、20ペソと5ペソ程度。地元の人々を
   相手に商売している。町には、外国人向けのビーチ
   リゾートが何軒かあり、彼らを相手に、魚のバーベキュー
   を売ってはどうかと、私から提案。しかしA君はあまり
   興味がないようだ。

案2)この島は、他の島と比べ、たくさんの貝殻が落ちている。
   これを拾って、綺麗に細工して観光客に土産として売っては
   どうか?

案3)私も自転車が欲しいので、1台買って、私のいない間は、
   A君に預かってもらう。その間、観光客相手に1日50ペソ
   程度でレンタサイクルとして貸し出し、彼の自転車が
   買えるところまで、儲けてもらう。

案4)ダイビングは、フィリピンでは稼げるビジネスだが、
   インストラクタになるための費用、機材を揃える費用など
   初期投資が大きい。お客も同様に、高くつく。
   そこで、もとでの要らない素潜りダイビング教室を始め、
   お客も安く海を楽しめるようにする。船はA君の漁船が
   そのまま使える。ダイビングだと最低でも$20位だが、
   この5分の1の料金としても、一月もすれば、中古の自転車
   くらいは買えそう。客のいない時に、漁に出れば良い。

案5)船があるので、観光客相手に島巡りのツアーを行う。
   島にはたくさん漁船があり、頼めばエンジン付きの船を
   いくらでも出してくれるが、ボルので、客はほとんど
   いない。そこで、手で漕ぎの小船で、格安のツアーを
   実施すれば、客は付きそう。通常チャーター船では
   1000ペソ程度取られるが、1桁安くすれば、かなり客を
   得られそう。

E-mail:philippines_info@millionmiler.com


→続編へ
→もとに戻る