マイルを貯めてフィリピンへ行こう

2002年1月作成
2002年6月更新


(事例1)51800円で格安航空券を買って、米国4都市を周遊。マイレージの上級会員のボーナスと合わせると、5.4万マイルほど貯まった。これで、フィリピンまで、エコノミー、ビジネスクラスで各1往復できる無料航空券を入手。
(事例2)54000円で格安航空券を買い、米国3都市を周遊。上級会員のボーナスと、ダブルマイルキャンペーンのおかげで、約6万マイルが貯まった。これで、フィリピンまで、エコノミークラスで3往復できる。

旅行の費用は格安航空券の代金だけはないし、また、状況は刻々と変わるので、上記のような、お得な事例がいつもあるわけではない。それでも、マイルを貯めてフィリピンに行くのはお得だ。


「フィリピンへ行こう」は、いろいろな方を対象にして書いてはいるが、最も重きを置いているのは、新しく定年退職されるような世代の方々である。現地ではSenior Citizenと呼ばれる人達。時間と予算があり、そういった方々が沢山フィリピンに来られれば、経済効果が大きく、また、現地で地元の人々に役立つ取り組みを行われれば、経験が豊富な方々であり、さらに、すばらしい結果が得られると考えるからである。
そういう方々に特におすすめしたいのが、飛行機に乗った時に加算されるマイルを貯めてフィリピンへ行くことである。
マイルを貯めるのに向いている人は、まずは、会社腹で海外出張して、それで貯まったマイルを自分のものにしてしまう人だ。日本の企業の場合、出張で貯まったマイルを会社が没収するという話は聞いたことがないので、個人にしてみれば、無料でマイルが貯まり、一番お得だ。
しかし、ここでは そうではなくて、自腹で飛行機に乗りマイルを貯めて、賢く海外に出掛ける方法を紹介しようとしている。そして、その場合のポイントは、時間に余裕があり、航空券が安い時期にマイルを貯めに外国に出掛けたり、飛行機が空いている時期に、マイルを使って外国に出掛けられることである。この条件に合うのが、最初に挙げた定年退職世代の方々なのである。
もちろん、それ以外の方にも 意味が無いわけではない。頻繁に飛行機に乗れば、沢山マイルを貯めるのに必須の上級会員に、誰でもなれる。また、正月、盆、ゴールデンウイークなど航空券の高騰する時期しか海外に行けない 一般のサラリーマンの方でも、海外発券を利用すれば、安く旅することは可能である。しかし、ここでは、お手軽で、単純にマイルを貯めたり、使ったりする方法だけを紹介する。

マイレージ・プログラム

少し前に テレビのコマーシャルなどで頻繁に登場したので、今さら説明するまでもないかも知れないが、簡単に紹介しておく。

マイレージ・プログラムは航空会社により行われているプログラムで、そのプログラムに参加している乗客が飛んだ飛行マイルが、スーパーのポイントのように、各乗客の口座に貯まる。そして、貯まったマイルを無料航空券などの特典に交換することができるというものである。容易に想像できるように、航空会社が乗客を自社に囲い込むため大いに役立っている。
マイルは、飛行機に乗る場合以外でも、提携するクレジットカードを使ったり、ホテルやレンタカーを利用した場合などでも貯まるが、やはり、沢山マイルが貯まるのは、太平洋線などの長距離のフライトを利用した時である。

フィリピン行きにはノースウェスト航空(NW)

マイレージ・プログラムの活用を考えた場合、フィリピン行きには、ノースウェスト航空(NW)を利用するのが最もおすすめできる。
その主な理由としては、

・日本からフィリピンへのフライトが充実している。
・米国周遊格安航空券が日本で、安く豊富に出回っており、少ない支出でマイルが貯まり易い。
・セブパシフィック航空と提携していて、フィリピン国内線にも乗り継いで、飛ぶことができる。国内線を加えても、無料航空券に必要なマイル数は変わらない。(ただし、この場合、フライトを変更できない航空券になってしまうので注意。)

反対に、フィリピン到着が遅い時間帯になるなどの欠点もあるが、十分対策可能であり、全体としては、ノースウェスト航空がおすすめだ。
その他の航空会社だと、格安航空券で貯まるマイルが少なかったり、提携航空会社でフィリピンまで飛べるが、必要マイルが多かったり等、お得の度合いが低いのである。

米国に飛んでマイルを貯め、
アジア線でマイルを使う

日本で米国の航空会社のマイルを貯めている人の中では、米国に行ってマイルを稼ぎ、東南アジアに出掛けてマイルを使っている人が少なくない。
マイルの貯まり易さの指標で、距離と航空券の値段の割り算であるマイル単価を比べると、距離が遠い米国行きはマイル単価が安い。すなわち、支払った金額の割にたくさんマイルが貯まり易い。反対に、近場の東南アジア行はマイル単価は高い。割高だ。
また逆に、マイルを使う場合は、航空券を買うとした時に払う値段を、特典旅行の必要マイル数で割ったものが、マイル単価になる。これはマイルにいくらの値打ちがあるかということで、単価が高いほど得だ。特典旅行の必要マイル数が米国行きでは非常に大きいので、東南アジアの方が使う場合のマイル単価は高くなる。すなわち、そちらの方がお値打ちなのである。

この状況はフィリピンに行く場合でも当てはまる。冒頭でも書いたが、これまでの事例を紹介しよう。

私の場合、日本とフィリピンの間の便数が多いNW(ノースウェスト航空)のマイレージを貯めている。NWに乗るとマイルが貯まるのは当然だが、提携しているCO(コンチネンタル航空)に乗り、NWのマイレージのカードを提示して、NWのマイルをひたすら貯めることも可能である。2000年1月には、以下のような経路で飛ぶことができた。

成田/ヒューストン/サンディエゴ/ヒューストン/サンフランシスコ/ニューアーク/デイトナビーチ/ニューアーク/シアトル/ニューアーク/成田

これで、飛行マイルは2万7千マイル余り。ヒューストンと、ニューアークに何度も行っているが、これは単なるハブ(乗り継ぎ地)に過ぎない。しかし、このハブの位置が日本人がマイルを貯めやすい位置にあるのだ。普通に日本人が良く行く都市を周遊しようとすると、わざわざ、ヒューストンやニューアークまで戻って、次の都市へ行かないといけない。いかにも遠回りだが、マイルは貯まり易いのである。

航空券の値段は、時期によってかなり異なるが、この時は底値である1月。51800円で購入した。isizeなどで調べれば、4万円台のものもあったが、馴染みのところで買った。実際には、米国税関手数料と成田の空港使用料を加えると6万円近くを旅行代理店に払うことになる。さらには、空港までの交通費や米国での滞在費、お土産代などなど。出費は膨らむ。ユースホステルなどに泊まったりして、なんとか8万円くらいに抑えたいところだ。
この例で貯まったマイルは、ボーナスマイルがあるので、実際の飛行マイルの2倍で、約5万4千マイル。オフ・ピークの期間に、マイルを使って、エコノミークラスとビジネスクラスで各1回フィリピンに行くことができる。

残念ながら、最近はルールが厳しくなり、上記の経路では飛べなくなってしまったが、それでも、まだまだ、お得な事例は存在する。

航空会社ではマイレージのさまざまなキャンペーンを行っている。例えば、昨年末は、米国の航空会社は、各社ともダブルマイルキャンペーンを行っていた。この時期、同じくNWで、格安航空券を調べていたところ、米国の3都市周遊可能で、54000円のチケットが見つかった。経路を選べは、約2万マイルを飛ぶことができるので、キャンペーンと上級会員のボーナスマイルを合わせると、6万マイル程度が貯まり、これで、フィリピン行きのエコノミークラスの航空券3枚を入手できる。

マイルで行くフィリピン 損か得か?

普通にフィリピンに行きの格安航空券を買うと 4万〜5万円程度。米国行きの経費をできるだけ削減し、上手にマイルを貯めれば、その半額程度にまで、費用を押さえることが可能である。

その程度の節約では、「時間がないのに、わざわざ米国まで行かないといけないとはとんでもない。」そう言われる方には、おすすめできない。 そこで、定年退職されて、時間がたっぷりある方に特におすすめしたいのである。
一方 逆に、「米国のたくさんの都市をおまけで 観光でき、しかも、フィリピン行きの航空券の代金が、通常より安くなるとはすばらしい。 米国へは、マイルを貯めるためだけでなくても行きたいくらいだ。」 そういう方には、まさに打ってつけ。フィリピンへは、無料で行けるという感覚であろう。

マイルを使って一年オープンのチケットを入手

また、フィリピンへの滞在が長かったたり、帰りの日程が変更できるチケットでないと困る場合には、購入する航空券の値段はかなり高くなる。有効期間やその他の条件にもよるが、格安航空券でも、6〜9万円くらいが相場だ。ビジネス客ならさらに高いノーマルチケットを購入することになるだろう。
これに対して、マイルを使う場合は、例えばNWのように 予約クラスのレベルは低いが、1年有効で変更可能なチケット(1年オープン)になる場合が多く、ノーマルチケットの感覚で使用できる。 こういう場合は、マイルで行く方がかなりお得だ。

上級会員になることが必須

さて、マイルを貯めるためには、上級会員になることが必須だ。例えば、NWのゴールド・エリートだとボーナスマイルが100%。つまり、倍マイルが貯まる計算になる。マイル単価は半額ということで、とてもお得だ。
ただし、上級会員の資格を維持するためには、年間決められたマイル以上を飛ばないと行けない。ゴールド・エリートだと年間5万マイル以上。これは提携している航空会社で飛んでも、かまわない。例えば上のCOの事例のように毎年飛んでおけば良いわけだ。ここまで書くとわかるように、残念ながら、始めた当初は、ボーナスマイルが付かないので、割り高になってしまう。

具体的な飛行経路の例

旅行の目的地は 人それぞれ。ここで書くべきものではないはずだが、良く質問を受けるので、いくつか紹介しておく。推薦しているNWの事例である。

1.成田/ロサンゼルスまたはサンフランシスコ/デトロイト/ワシントンDCまたはニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、バッファロー等/デトロイト/マイアミまたはオーランド、タンバ/メンフィス/ニューオリーンズまたはサンアントニオ/メンフィス/ミネアポリス/成田(全米4都市周遊)

2.成田/ミネアポリス/ニューオリーンズまたはサンアントニオ/メンフィス/マイアミまたはオーランド/メンフィス/ワシントンDCまたはニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、バッファロー等/デトロイト/成田(東海岸3都市周遊)

3.関空または名古屋/デトロイト/ミネアポリス/ソルトレークシティまたはアルバカーキ/ミネアポリス/マイアミまたはオーランド、タンバ/デトロイト/ワシントンDCまたはニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、バッファロー等/デトロイト/関空または名古屋(東海岸3都市周遊)

4.関空または名古屋/デトロイト/ミネアポリス/ニューオリーンズまたはサンアントニオ/メンフィス/マイアミまたはオーランド/デトロイト/ワシントンDCまたはニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、バッファロー等/デトロイト/関空または名古屋(東海岸3都市周遊)

以上のような経路で、年間米国に3回行けばゴールド会員を維持でき、10万マイル以上のマイルが貯まり、フィリピン行きのエコノミークラス無料航空券を5枚以上入手できる。

NW以外の各航空会社

NW以外でも、マイルを貯めてフィリピンへ行くことは可能だが、NWと比べ有利とは言えない。

[ 日本から直行便がある航空会社 ]
フィリピン航空(PAL) 日本経由で米国などの遠距離に飛んでいる便がなく、日本在住者がマイルを貯めるのには適していない。
日本航空(JAL):格安航空券ではマイルが貯まりにくい。加算率50%
タイ航空(TG):無料航空券の必要マイル数が他より多い。エコノミークラスで、他社なら通常2万マイルのところ、マニラ・関空間で3.5万マイル必要。

[ 経由便で、フィリピンと日本を結ぶ航空会社 ]
キャセイ航空(CX) :無料航空券の必要マイル数が他より多い。
アシアナ航空 : 無料航空券の必要マイル数が他より多い。
中華航空 : 無料航空券の必要マイル数が他より多い。

[ 提携便を使いフィリピンへ飛べる航空会社 ]
ユナイテッド航空(UA) : TGで関空からマニラまで飛べるが、無料航空券の必要マイル数が他より多い。
アメリカン航空(AA) : 格安航空券利用の場合、上級会員維持の必要マイルが他社より大きい。提携しているJALでマニラまで飛ぶことができる。

(参考) 無料航空券行く フィリピン シキホール島

     マイレージ獲得大作戦


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