無料航空券で行く
フィリピン シキホール島

2002年6月


フィリピンへ行くには、ノースウェスト航空(NW)のマイルを貯めて、無料航空券を入手するのがお得である。 ここでは、マイルを使った旅の実例として、シキホール島を訪問する場合の具体的な事例を紹介する。

航空券の予約

無料航空券(特典旅行)獲得に必要なマイルが貯まったら、希望する日程、経路を決めて、航空会社に電話して予約する。 インターネットも利用可能だが、フィリピンの国内線のセブパシフィック航空には対応していないので、セブパシフィック航空で国内線に接続する場合は、電話予約に限られる。

無料航空券に必要なマイル数は、以前は時期により分かれて、ピークシーズンとオフ・ピークシーズンで異なっていた。しかし、ルールが変更になり、2002年6月現在では、時期の制限なく、エコノミークラスで2万マイル、ビジネスクラスで3万マイルとなった。これで、日本、フィリピン間の国際線と、フィリピンの国内線の両方を利用できる。また往路復路でエコノミー、ビジネスを組み合わせることも可能で、その場合は2万5千マイルが必要である。沢山荷物を持っていくので、行きだけビジネスクラスにするといったことが可能である。

フィリピン内の国内線を利用するかしないかで、以下の二つに違いが出てくる。

日程の変更

NWのみの利用で、例えば成田・マニラ往復だけの無料航空券の場合には、日程の変更は自由にできる。滞在期間が長かったり、帰りの日程が未定の場合には、このチケットは1年オープン(1年有効で変更可)のように使え便利である。
これに対して、国内線のセブパシフィック航空も加えた場合には、変更はできなくなる。有効期間は1年あるが、滞在期間が長い場合は、慎重に日程を決めるか、または、国内線は加えず、別途購入することになる。

E-ticket対応

従来のような紙の航空券では、紛失してしまうと無効になる可能性が高く、そのため旅行のあいだ中、貴重品として大切に保管しておかなければならない。これに対し、E-ticketは物理的には存在せず、紛失する心配がない。フィリピン行きの場合、ノースウェスト航空のみの利用では、自動的にE-ticketとして発券される。これにたいして、セブ・パシフィック航空が絡むとすべて、従来どおり紙の航空券となる。
一方、E-ticketでは、予約を変更した時などに、処理の手違いで、電子的に紛失する可能性がないとは言えない。もとの日程表を残しておくなど、何らかの対応が必要であろう。

希望する日程経路で予約が取れると、日程に余裕があれば、航空券を郵送してもらえる。また、航空会社のオフィスに取りに行っても発券してもらえるが、E-ticketだけなら、わざわざオフィスに行くこともない。 日程が迫っている場合には、空港のチェックインカウンターで渡されることもある。

フライト

NW利用の場合、NWで 成田または名古屋を夕方発、マニラに夜到着。マニラで一泊。翌日セブパシフィック航空に乗り換えるという経路が一般的である。
シキホール島行きの場合には、ドゥマゲッティ(DGT)行きが便利で、午後にマニラとドゥマゲッティの間を一往復している。その他、セブにも行きたい場合には、マニラからセブ行きに乗るか、セブから帰ってくれば良い。セブ・ドゥマゲッティ、セブ・シキホール島の間は海路や陸路で移動できる。海路は、Supercatと呼ばれる大型の高速艇があり便利である。安く上げたい場合には陸路が有利だ。

NWのフィリピン便は混んでいることが多く、その場合には各種の代替案が考えられる。いずれも、NWの同じマイル数で利用可能である。

マレーシア航空(MH)利用クアラルンプル経由

かなり遠回りだが、メリットとしては、日本からの便が多いことが挙げられる。例えば、NWの便がない関空から出発することも可能だ。また、クアラルンプルからセブに飛べる便もある。NW利用の場合と同様、マニラからセブパシフィック航空に乗り継げる。この経路では日程の変更はできない。

コンチネンタル航空(CO)利用グアム経由

これも遠回りだが、日本の地方都市からCOのグアム行きが多く、住んでいるところによっては、便利である。グアム・マニラ間は便が多い。マニラから、セブパシフィック航空の国内線に乗り継ぐことができるが、セブパシフィック航空が絡むと変更不可の航空券になる。

香港経由

日本からNWなどで香港に飛び、セブパシフィック航空で、マニラに飛び、さらに国内線に乗り継ぐ経路である。成田・香港間はJASも飛んでいる。同様にして、ソウル・マニラ間のセブパシフィック航空を利用する経路も考えられる。ただし、航空会社のルールが変更になる可能性があり、いつまでこれらの経路で飛べるか不明である。2002年6月に航空会社に確認したところ、発券可能とのことである。


日本 → マニラ → ドゥマゲッティ
→ シキホール島

最も典型的なNWとセブパシフィック航空を利用する場合について、日本を出てから現地に着くまでを、具体的に紹介する。

マニラ到着

NWで日本からフィリピンへ飛ぶ便は、他のアジア線と同様、米国からの便に接続するため、日本を夕方に出発する。4時間程度でマニラに到着する。日本とフィリピンとの間には、1時間の時差があり、時計を1時間遅らせる必要がある。

入国審査は、長い列が出来る場合が多く、早めに並んだ方が無難だ。自分の番が来ると、パスポートと、入国カード、税関申告書、帰りのチケットを出して審査を受ける。通常は、すんなり通過できる。ビザ無しで、最長21日まで滞在可能である。21日を超えて滞在したい場合には、後日 地方のイミグレーションオフィスに行って申請すれば、簡単に延長できる。

入国審査が済むと、チェックインした荷物を受け取り、税関でチェックを受ける。場合によっては、入念に調べられることもあるが、通常は、簡単にカバンの中を見る程度。しかし、香港やシンガポールのような素通りではない。

税関を通過したところに、両替所があり、円やドルからペソに両替できる。レートは少し悪いが、1万円程度までなら、たいした違いにならない。

空港から町に出るには、クーポンタクシーが便利である。到着ロビーに数社のカウンターが並んでいる。NISSAN TAXIが一番安そうだが、複数当たってみるべきだろう。クーポンタクシーは、通常のメーターで走る場合の3倍程度の値段であるが、定額なので、それ以上ボラれることはない。初心者向けと言える。料金は300〜400ペソ程度で、決して安くは無い。
空港に たむろしている普通のタクシーは、北京などと並び、世界的にも評判が悪い。私は試したことがないので、実際には良く分らないが、強盗やぼったくりなど、悪いうわさが絶えない。夜遅い到着や、経験が少ない場合には、クーポンタクシーが無難だ。

その他、深夜到着以外なら路線バスも使える。荷物が極端に多くなければ問題ない。バスで、LRT,MRT(市内を走る電車)の駅などへ出ればよい。LRTの最寄駅まで9ペソ。そこから電車に乗り継いでも良いし、降りたところからタクシーに乗れば、少しはボラれる可能性も少ないだろう。しかし マニラのタクシーはなかなか手ごわく、後から来る人のためにも、出来るだけぼられない努力をしていただきたいものだ。地方に行けば、ぼるタクシーは少ない。

マニラ到着が昼なら、セブなどへは、同日に乗り継ぐことも可能である。セブパシフィック航空に乗る場合には、国内線のターミナルに移動する。路線バスで行くことも可能だ。

NW利用の場合には、深夜到着となり、マニラで一泊する必要がある。ホテルは、ガイドブックに沢山載っている。インターネットでも検索可能だ。例えば、googleで、マニラ ホテルをキーワードにして検索すれば、通常のホテルの情報が沢山見つかる。マニラ 安宿だと、バックパッカーの旅行記がみつかるだろう。英語で入力すれば、英語のホームページが検索できるはずだ。Yahooでも同様に 各種見つかる。

空港からホテルまでは、クーポンタクシーの利用が便利だが、ホテルから空港までは、通常のタクシーに、メーター通りで乗りたいものだ。

両替

両替は小額を、マニラ到着時に空港で行ない、その後、日中に市内のレートの良いところで、行えばよい。空港の国内線のチェックインカウンターの横にも両替所があり、レートは良い。いずれにせよ新聞を買って、レートを確認しておいた方が良い。NWのマニラ便でフィリピンの新聞をもらうのが賢い方法だ。

両替は各地でできるが、田舎の方へ行くと、日本円の両替はできなかったり、極端にレートが悪かったりする。セブやドゥマゲッティでは、それほどレートは悪くないが、通常マニラで両替するのが最もレートは良い。 

また、万一の時に備えるためにも、日本の銀行の国際カードを作っておけば、提携ネットのATMからペソを引き出すことができる。

マニラからドゥマゲッティへ

マニラでNWからセブパシフィック航空に乗り継ぐ場合、国際線(International)と国内線(Domestic)で、ターミナルが異なるので 注意が必要だ。既に航空券がある場合には、直接、国内線のチェックインカウンターに向かえばよい。マニラの国内線では空港使用料100ペソを払う。 フィリピンの空港では、かなりセキュリティ・チェックは厳しく、カバンを開けられることが多い。ここでの課題は、何か目ぼしいものがあると、職員から、プレゼントにくれと言われることだ。「友達、友達、頂戴、頂戴」といった感じになる。
ここで、少し、何か分けてあげるべきかどうかについては、意見が分かれるところだろうが、私の場合は、貧乏な友達が一杯待ってるなどの理由をつけて、一切なにも渡していない。渡すと 後から来た人が、より一層 要求されるに違いないからだ。

空港での搭乗開始は、慣れていないと結構分り難い。アナウンスと行き先を書いた札を見せるだけだ。
搭乗は、建物の外に出て、タラップを上る。フライトは1時間くらいで、ドゥマゲッティに着く。途中、各地の島々を見ることができる。

ドゥマゲッティ

空港は、ドゥマゲッティのダウンタウンの北、約5kmのところにある。空港に到着すると、いろいろな乗り物の運転手が声をかけてくる、空港価格で、ダウンタウンまで50ペソ前後。これだと、港など指定したところまで行ってくれる。最も安いのは、空港から200m程歩き、幹線道路に出て、そこから南に向かってジプニーに乗ること。約5ペソでダウンタウンまで行ける。ただし、荷物が多いと乗るのは難しい。

ドゥマゲッティからシキホール島へ

ドゥマゲッティに着けば、流しのトライシクルが沢山 走っていて、街の中心部であれば、一人4ペソ程度で移動できる。シキホール島へ行くには、港(pierまたは、ビサヤ語でパンタラン)まで、トライシクルまたは、歩いて行き 船に乗る。デルタ I(DELTA I)と呼ばれる、小型の高速艇が便利である。セブパシフィック航空でドゥマゲッティ空港に着けば、普通に行けば、午後4時半の最終のデルタ Iに間に合う。 混んでいなければ、この船に乗ることができる。ただし満席の場合も多い。その場合には、スーパーキャット(Super cat)と呼ばれる大型の高速艇があるが、到着時間が遅くなるので、デルタ Iに乗れなかった時は、諦めて、ドゥマゲッティで一泊して次の日に島に渡った方が無難だ。

ドゥマゲッティでの宿泊は、ガイドブックで容易に見つかる。マニラに比べれば、かなり安めである。エアコン、CATV付きで、定価の2割引き、400〜500ペソ程度で泊まれる。ただし、夜遅くなると高い部屋に泊まれ言われ、割引もなくなることが多いので、注意が必要。このあたりのことは米国を含め、海外では常識だ。

(参考) 詳説 シキホール島への行き方

復路

行きの経路を逆にたどって行けば良いので簡単だ。ここでは、注意する点を幾つか挙げておく。

・帰りの船は、天候などでキャンセルになる場合もあり、できればフライトの前日までに空港近くにたどり着いておきたい。

・先にも述べたが、帰りはセブやイロイロなど別の空港を利用すれば、旅の範囲が広がりお得だ。アイランド・ホッピングを楽しむのもお奨め。

・マニラで出国の際、出国税550ペソ(2002年6月現在)が必要。ドルでも払える。


アイランド・ホッピング

欧米からフィリピンを長期に旅行する人は多いが、基本はアイランド・ホッピング。特に小さな島を目指して転々とする場合が多い。単なる場所や地形の違いだけでなく、島ごとの習慣や建物、そして、子供の遊びまで違っていたりして、好奇心をそそられる。ここでは、シキホール島から容易に行ける島々を紹介する。

アポ島

さんご礁が綺麗な島で、日本から沢山のダイバーが訪れる。シキホール島のすぐ近くで、ドゥマゲッティの南から小さな船で渡ることができる。

マラパスクア島

セブ島の北にある小さな島。 白砂のビーチと青い海は一級品。シキホール島からは、Supercat等でセブまで行き、そこから、バスで、セブ島北部の小さな町 Mayaまで行き、そこから小船で島に渡る。

バンタヤン島

セブ島の北にある周囲80km程の島。広いビーチがある。 セブからバスでHagnayaまで行き、そこから船に乗る。船は比較的大きい。

ボホール島、パングラオ島

ボホールは大きな島だが、旅行者がよく訪れるところは、ボホールから陸路で行けるパングラオ島。宿泊設備が整っている。ドゥマゲッティからSupercatでボホールまで行ける他、シキホール島から直接ボホールへ行く船もある。


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