フィリピン特集

2000年5月


はじめに

フィリピンと言えば、まず誘拐など治安の悪さをイメージされる方が多いかもしれません。しかし、実際フィリピンの片田舎の島を巡っていると、日本はこの島のように安全なところかと、たびたび質問されます。小さな島で悪事を働いて、親戚一同が島八分にでもなり、その島で暮らせなくなったら大変。犯罪は割りに合わないということでしょう。どこの国に行っても、注意するに越したことはありませんが、フィリピンは、マニラ等大都市や、問題が起っている地域を除けば、治安に関して特に心配することはありません。

フィリピンの魅力と言えば、7000以上もある島々が持つ自然。ビーチ好き、それから制覇好きの人は、一生かけても全ての島を巡ることは難しいでしょう。
次に、人々のフレンドリーさ。日本の小学一年生が友達100人を作るのは結構大変ですが、フィリピンで、1000人の友達をつくることは、それ程難しいとは感じません。特に子供たちは、昔の日本のように外に出て皆で遊んでいるので、話かければ簡単に親しくなれます。
さらに、物価の安さ。日本のコンビニと言うか、昔の駄菓子屋に相当するサリサリストア。ここでBeer na Beer(ビアなビア)という庶民向けビールを飲めば、7.5ペソで20円程。また、マンゴやパパイヤなど、熱帯のフルーツも安くて美味しいです。バナナやココナツは、放っておいても勝手にできるものなので特に安いのです。その他、散髪が100円以下。洋画は日本よりずっと早く見られて、値段は日本より1桁安い等々。

さて、フィリピンの観光地としては、セブやボラカイが有名ですが、ここでは、あまり知られていない、取っておきの穴場ばかりを紹介します。


フライトとラウンジ

マイルを使ってフィリピンへ行くには、NWが最も便利です。しかし、最近特に予約が入り難くなっているのが課題です。今年の4月に関空からNWでフィリピンに行ったところ、帰りの予約が入るのは最も早くて10月、半年後になってしまいました。しかし、5月に入って再度NWのホームページで確認すると、調整が済んだためか、5月の後半には結構予約が入るように変わっていました。時期を選び、早め遅めの予約を組み合わせるなど予約を工夫すれば、なんとかなりそうです。

UAユーザーの場合は、以前はソウル経由でマニラに行けたのですが、97年の経済危機の結果、マニラ便は現在も運休しています。代わりにKIX/MNLをTGで飛ぶことになります。しかし、こちらはYクラスでも35000マイル、Cクラスだと50000マイル必要で、かなり割高です。そのためか、予約は非常に入り易くなっています。実際機内でも、NWは定常的に混んでいて、TGは航空会社には気の毒ですが、たいてい空席が目立ちます。
予約が入り安いのは良いのですが、少ないマイルで済むよう、早くUAのマニラ便が復活して欲しいものです。

さて、ラウンジを紹介しておきます。

NW、TGともラウンジが使えます。だだし、NWは関空、名古屋、成田から飛んでいますが、名古屋では残念ながら、ラウンジは見あたりませんでした。
関空のワールドクラブは、別のところでも紹介しましたが、CXのファーストクラス・ラウンジと共用しているので、少し格が上でお薦めです。関空には、TGのビジネスクラス・ラウンジもありますが、かなりこじんまりとしています。
マニラにも、NW、TGともラウンジがあります。どちらも関空と比べると、はるかに食べ物飲み物とも充実しています。

関空のワールドクラブ マニラのTGラウンジ


次に、フィリピンの国内線です。

フィリピンの魅力を満喫するためには、マニラだけでなく、南の島まで行きたいもの。その場合、国内線で、マニラから地方都市を往復するのが便利です。航空会社は、行き先にもよりますが、フィリピン航空(PAL)、セブ・パシフィック、エアー・フィリピンの3社が代表的です。料金は、PALは少し割り高ですが、他の2社は、どこに行っても往復1万円を少し越える程度です。
機材は、PALはエアバスで新しい機材が多く比較的安心と言えます。これに対して、セブ・パシフィックはDC9。かなり古そうです。しかしNWでDC9には乗り慣れていれば、特に不安は感じないでしょう。エアー・フィリピンは737で、これもかなり古そうです。


セブ・パシフィック(Cebu Pacific)のDC9


第一部 マラパスクア島
     
Malapascua Island

セブ島の北8kmのところに浮かぶ、長さ2.5km、幅1km程の小さな島。白砂のビーチ。青い海。新しくて値段も高くない快適なコテージ。自動車はもちろんバイクも走らない静けさ。村人のフレンドリーさ。多くの旅人がフィリピンに求めているものをすべて備えていて、しかも訪れる人の少ない穴場中の穴場。4、5日はゆっくりしたいところ。読みたい本を抱えて行くとか、しばらくこもるのに最適です。

しかし、最近は口コミなどで、旅行者は増えつつあります。これまでダイブショップはなかったのに、つい最近3軒もできました。できれば、空いていて宿代が安い6月から10月ロー・シーズンの間に行きたいものです。

この島は、Lonely Planet やヨーロッパの旅行ガイドブックには取り挙げられています。そのため、ヨーロッパからこの島を訪れる人が多く、住民の話では、特にドイツ人が8割を占めるそうです。面白いのは、どこのビーチリゾートでもパンはドイツパン。ずしっとした重みにあるパンで、サンドイッチが頂けます。

島のようす

基本はなんといってもビーチ。のんびり本でも読んでいるのが一番。海は青く、サンゴや熱帯魚も見られる。
小さな島なので、歩いて一周することができる。途中の目印になるのが、この灯台。 灯台から見た島北部の様子。近くに、第二次大戦、日本軍の沈没船がある。浅いので、素潜りでも見れる。
島で一番大きなロゴン(Logon)村。と言っても
200mも歩けば村の外に出てしまう。

陽気な子供たち


旅のデータ

行き方

マニラからセブへは、前述のようにフィリピン航空(PAL)、セブ・パシフィック、エアー・フィリピンで飛べます。料金はPAL以外なら片道P1900(約5000円)程度。さらに空港使用料P100をマニラ、セブの両方で払います。
行きにTGを使った場合は、その日の内にセブまで行くことが可能です。この場合国際線のロビーと国内線のロビーの場所が違うので注意が必要です。移動には、ボラれないため定額のタクシーを使うのが無難でしょう。
NWの場合は、マニラで一泊することになります。

セブ空港からは、通常定額のタクシーで移動します。料金は以前はP150でしたが、最近はP200以上になってしまいました。
バジットトラベラーで、しかも荷物が少ないなら、トライシクルとジプニーという現地の乗り物を利用して、空港を抜け出せます。こちらならP10程度で済みます。例えば、セブ市内に行くには、空港の国内線到着ロビーを出て、右へ20mほど進み、道を渡り、階段を上ります。出発ロビーの階に出て、さらに道を渡り、前にあるホテルの駐車場に入って行き、車の出入り口に向かって歩道を歩けば、空港の外の通りに出ます。そこにトライシクルの運転手が待っています。既に乗客が乗っているトライシクルに乗り込み、ジプニーの乗り場まで行きます。乗合料金でP5も払えば十分です。そこからセブ行きのジプニーに乗ります。料金はP5〜6程度。目的地によっては、ジプニーを乗り換えます。これが、最も安い移動方法です。ただし料金の払い方や、降り方など、慣れないと少し難しいでしょう。

セブ市内からは、ノース・バス・ターミナルでセブ島北端の町Maya行きのバスに乗り、約3.5時間。バスの便は多いが、朝5時頃のバスに乗れば、すんなり進みます。運賃P50。Mayaからマラパスクア島まで乗合船で約30分。運賃は船によりP20、30、50。宿の船に乗れば無料。
(1円=約P0.38)


Mayaの船着場

マラパスクア島のビーチリゾート

マラパスクア島のレストラン


参考) 物価比較例    1円=約0.38ペソ(P0.38)  1ペソ=約2.6円

サンミゲールビール

サリサリストア(コンビニ)      P12〜13
カリンデリア(大衆食堂)       P12〜14
地方都市の中級レストラン     P15〜20
マラパスクア島のビーチリゾート 約P25

コーヒー

ネグロス島の安めの食堂     P5
シキホール島のバーガースタンド  P7.5
マラパスクア島Ging-Ging       P15
マラパスクア島ビーチリゾート   約P20

魚料理

シキホール島のレストラン     約P40
マラパスクア島のビーチリゾート  約P60




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