フィリピン都会暮らしと田舎暮らし

2004年 9月


フィリピンに移住や長期滞在するには、都会が良いか?それとも 田舎か?

これについて、これまで私は、「排ガスだらけで、治安も良くないし、物価も高い都会に どうして わざわざ住まないといけないのか? 田舎に行けば、自然環境は良いし、友達は沢山できるし、お金もほとんど要らない。当然 田舎暮らしが良いに決まっている。」 そう考え、都会、田舎の選択は考えるまでもないことと確信していた。今でも それは変わらないのだが、実際には、特に日本人の場合、フィリピン人の配偶者がいる人を除くと、マニラやセブなどの大都市やその近郊に住んでいることが多い。フィリピン人の配偶者がいる場合は、配偶者の出身地に住むことが多い。従って、都会か田舎かという選択は あまり関係ない。それでも、フィリピン人配偶者の出身地にも家があるが、仕事の関係でマニラに住んでいるというようなケースも見受けられる。因みに、大抵は日本人男性とフィリピン人女性とのカップルである。

便利な都会か? それとも、多少の不便を受け入れれば、それ以外は良いことばかりの田舎か?どちらか迷っている人にとって、選択の条件となる事柄をまとめてみた。人によって、それが判断基準に含まれる場合とそうでない場合があり、適宜取捨選択して頂きたい。また、私がすべての項目について、すべての人に対して、十分な情報を提供できるかというと、それは難しい。例えば、特に定年退職してフィリピンに移住しようとされるような方にとって、大きな関心事であるはずの医療については、私はこれまでフィリピンで、医者に診てもらったことがないので、自分の経験に基づいたことは、ほとんど書けない。不足する情報は、機会があれば別途書きたいが、ここでも 最低限のことはまとめておく。

医療

医療が十分でないところには住めないという人は多いことだろう。逆に、私のように、万一大きな病気になったら日本に帰ってきて治療してもらうので、現地の医療はどうでも良いと考えている人も少なくないはずだ。ただ、どうでも良いというのは言い過ぎで、交通事故に遭ったら 現地の病院のお世話になることだろう。万一のことを考えれば、医療の充実した都会に住んでいた方が、命が助かる確率は高くなるのは事実である。

ガンや胃潰瘍など 大きな病気の手術をする場合なら、都会の病院まで連れて行ってもらって入院すれば良いので、何処に住んでいてもあまり関係ないと言えそうだ。もっとも そういう場合には、言葉の問題もあり、日本に帰って入院する人が多いことだろう。一方、いちいち日本に帰っていられないので、現地で日本語のわかる病院に入れなければ駄目だという人もいることだろう。

田舎の事例として シキホール島の場合を取り挙げると、こちらには、ベットが数十あるような公立の病院がある。しかし、点滴や酸素吸入、怪我の治療や子供の分娩などはできても、大きな病気には対応できず 症状が重い患者はセブやドゥマゲッティの病院に連れて行かれる。そして、症状が回復するか、反対にガンの末期症状のように治る見込みがなくなると、また島に戻ってくる。

以前私の所に問い合わせをして来た人は、自分が使っているぜんそくの薬を、車で1時間以内に、買いに行けることというのが住む場所選びの条件であった。そこで、私は、近所の薬局に行って尋ねてみたら、ちゃんとその薬を入手できることがわかった。結構 田舎でも条件を満たせることが分かったのだが、この人の場合のように、それぞれに条件があれば、個別に確認するしかない。
その人は、当初セブの近郊に住む予定だったが、薬の入手を気にする必要がないのが分かったこともあり、セブよりは少し田舎のボホール島に住むことになった。 さらに後日談があって、南国に来たら、持病のぜんそくは治ってしまい、薬は不要になったということだ。それなら何処に住んでも良かったということになったのだが、とにかく、とりわけ医療に関しては、各個人の事情に合わせて、住む場所の検討が必要だ。

盲腸になったらどうするか? 虫歯になったらどこで治療してもらうか? 万一自分が倒れたら誰にどのように面倒をみてもらうか?いろいろな場合を想定してシミュレーションしておいた方が良い。

衣食住の衣については、これも都会の方が便利ではあるが、田舎暮らしでも まとめて大都市に買い出しに行けば良いだけなので、ほとんど問題にならないだろう。

食材については 都会の方が圧倒的に種類は豊富である。SMの地下のスーバーのような大きな売り場は、大都市にしかない。田舎暮らしでは、手に入らないものが多い。衣料なら、時々大都市に買い出しに行けばよいが、田舎暮らしでは、夕食に使うピザの生地が欲しいと言っても、自分で作らない限り簡単には手に入らない。牛肉や豚肉の塊りは どこの田舎でも簡単に手に入るが、サーロインやTボーンなどのステーキ肉が食べたいなら、大きな町へ買い出しに行かねばならない。さらに、日本食の食材となると、田舎では到底入手困難だ。私の場合、多くの調味料は手っ取り早く、日本から持参している。
一方、例えば、田舎の海沿いに住んでいれば、近所の漁師から 直接 新鮮な魚介類を安く手に入れられるといった 田舎ならではの良い面もある。

住については、持ち家か賃貸かによって状況が変わってくる。
当然だが、費用に関して言えば、圧倒的に田舎の方が安くて済む。

持ち家の場合には、さらに、自分で大工を雇ってきたり 工務店に頼んだりして新たに家を建てる場合と、主に中古の住宅だが、売り家を購入する場合に分けられる。
家を建てる場合には、土地の値段が圧倒的に田舎の方が安いので、全体でも田舎の方が安くて済む。
建材は、鉄筋、セメント、釘、ペンキ、出来合いの扉、その他工業製品は大都市の方が安い。田舎では、大都市から持ってくる運送代等が上乗せされるので値段が高くなる。また、建材の品揃えも大都市の方が多いので、洒落たものが必要な時には、大都市に買い出しに行く必要がある。
建材でも、ココナッツの木など、現地で採れるものは、一般に田舎の方が安い。
大工の日当は、大都市が高くて、田舎は安い。すべての場所の日当を確認できているわけではないが、マニラだけが高くて、他はほとんど同じという言い方もできそうである。シキホール島でも、ドゥマゲッティでもタグビラランでも ほぼ同じような値段である。
個別の事情が影響することもある。私の住んでいるところは、片田舎なのだが、大工の日当は200ペソとられる。目の前の海から砂を採って売って、それが、体力のある人なら1日400ペソ程度の収入になるからである。安い仕事では働きたがらないのと、砂の採るのは儲かるが疲れるという点から、砂採取の収入に影響されて、大工の日当も決まってくる。10km程離れた山の中に住む大工に頼めば、1日150ペソで働いてくれる。
余談かもしれないが、田舎の小さな島では海砂しかないことが多い。海砂は野蛮で、家を建てるのには使いたくないという声もよく耳にするので、そういう人には、田舎の小さな島に住むのは難しそうだ。 私の場合は、しばらく寝かせておいて、雨水で自然に塩分が流れるのを待ってから、砂を使うようにしている。これで何年も問題は発生していないので、良しとしている。

売り家を購入する場合、 田舎では、土地は沢山売っていても、家を売っている場合はかなり少ない。見つからないわけでもないが、割高なことが多い。
大都市では、新聞広告にもあるように、沢山家が売られている。私は新聞広告を見て、高いという印象を持っているが、現実の物件を見た経験がないので、それが手頃な値段がどうか 実際には良く分からない。

賃貸の場合も 家賃は圧倒的に田舎の方が安い。私の場合だと、シキホールで、三年ほど 月々の家賃が500ペソの部屋を借りていた経験がある。十分綺麗で、破格の安さであった。先日も一軒家で1500ペソのところを見つけた。このように値段が安いのは良いのだが、田舎では、物件が少ないのが難点である。 もっとも、田舎だと、家賃も払わず友達の家に居候というパターンも多い。それだと物件は多いと言える。私も何週間かそうして泊めてもらったことがある。ただ その場合は、食材をその家の家族の分まで毎日買ってくる羽目になり、実際には高くつくことになる。それでも、悪くはないGive and takeである。

電気・水道・ガス

住に含まれるのかもしれないが、基本的なインフラである電気・水道・ガスは、都会の方が充実していて、田舎は 一般に整備が遅れている。少しでも不便な生活は嫌だという人には、日本同様、田舎暮らしは向いていない。停電など もっての他と言う人は、フィリピンに住むこと自体 辞めた方が良い。
医療機器を常用している人の場合、バッテリー駆動のものなら良いが、AC電源のものを常時使わないといけないなら、電話局のようなバックアップ電源と発電機等を準備する必要がある。ただ、このような人は、実際には稀であろう。

田舎では、電気や水道が来ていないところも多い。そういうところは、通常なら住むのは難しい。しかし 私の場合、電線が来ているところから、さらに600mほど離れた場所に敢えて家を建てた。不便な場所なので、土地の値段が安いということもあるが、別途紹介しているように、近所の分まで電気を引くというプロジェクトを実行するためでもあった。お陰で 隣の子供たちは夜も勉強できるようになったし、私の方も悪い噂が立ったりせず、近所と良好な関係を保っている。この方法は、近所のメリットになることを提示して土地を探すので、土地が見つかり易く、ぼられにくいという利点もある。
手前味噌な話になってしまったが、とにかく、少々不便な土地でも、何とか対策できる場合もある。

電気代は、地方によって異なるが、田舎の島では割高なことが多い。それほど大きくない発電機を使い、軽油等を燃料としているので、水力発電などと比べランニングコストが高くつくからである。シキホール島では、1KWH当たり8ペソ余り。タグビラランではその半額程度。マニラではさらに安く、ミンダナオ島では、大規模の水力発電所のお陰で、マニラ以上に電気代は安い。
ただ、電気代が異常に高いシキホール島でも、日本に比べれば、まだ割安である。
つい書きたくなってしまうが、日本の異常な電気代の高さは、日本の産業の競争力を弱め、産業の空洞化の原因の一つにもなっている。電話料金と同様、そのうち大幅に安くなって欲しいものだ。安定供給を実現するために、電気代が高いのは仕方がないという反論もあろうが、それにしても、異常に高いのは事実であろう。

水道の方は、都会では蛇口を捻れば水が出るのが当たり前だ。これに対して、フィリピンの田舎では、現地の人は、ポリタンクに水を汲んできて使っていることが多い。もちろん場所によっては、田舎でも水道が来ているところも多い。これについては、外国からの援助の有無が、直接水道の有無につながっていることが珍しくない。
田舎で水道がない場所でも、井戸を掘れば大抵 なんとかなる。しかしながら、私の家の場合だと、山からかなり離れていて、しかも海のすぐそばなので、井戸も期待薄である。これまでに掘られた井戸は いずれも塩水しか出ず、現状では使われなくなっている。 私の場合 井戸は諦めて、現状は雨水暮らしをしている。これについては、白砂で、殆ど平坦で、ヤシの木だけが生えているような小さな島に住みたい人には、ノウハウが参考になるはずだ。私もその一人で、できれば 小さな無人島にも家を建てたい。

飲み水は、外国人の場合は、都会・田舎に係わらず、米国と同じようなタンク入りの水を買うのが殆どであろう。

最後に、ガスは、通常、プロパンガスのタンクを使うので、都会・田舎であまり差はない。値段は、田舎に行くと高くなる。高いので、現地の人は、ほとんど使っていない。もっぱら薪だ。

電話・インターネット

電気・水道・ガスと同様、電話・インターネットも重要な条件となることが多い。
ただ、電話だけなら、既に携帯電話が広く普及し、田舎でもかなりの範囲で問題なく使えるようになってきている。例えば、シキホール島の場合、現状では、島の北側半分だけがサービスエリアであるが、島の南側も、時間の問題でサービスが開始されるはずだ。因みに、私の家は島の北側にあって、信号は十分強く、問題なく携帯電話が使えている。

これに対して、インターネットは都会と田舎で大きな違いがある。高速のインターネットを常時使いたい人は、現状では都市に住むしかあるまい。マニラ、セブ、ダバオ以外でも、ドゥマゲッティやイロイロ、バゴロドなどの地方都市でもDSLが使えるようになってきている。

ダイアルアップ接続でも良ければ、最近はシキホール島のような田舎でも、市外通話の料金を払わず、手頃な値段でインターネットに接続できるようになった。電話会社(シキホール島の場合はGlobe Line)がプロバイダを始めたからである。ただし、私の家の近くには電話線が来ていなくて、その結果インターネットも無理で、5kmほど離れた別の場所に建物を建てて、そこに電話を設置しようとしている。
これから順次、状況は改善されていくだろうが、田舎の場合、場所によって状況が違うので確認が必要である。
インターネットを使うためには、電話が必要だが、場所によっては、電話回線の空きがなくて、新規の加入を受け付けていないこともある。タグビラランでは、DSLの対応を始めるPLDTの回線が飽和していて、新規の電話の加入を受け付けていないそうである。シキホール島でも、Globe Lineは、所定の300ユーザーに達したので、今後は新規の加入受付はしないと代理店は言っている。こちらは現在のサービスエリアが非常に限られた範囲なので、今後、拡張され状況が変わっていくはずだ。
PLDTも、プリペイのインターネットカードを販売していて、それを使えば、PLDTのサービスエリア内で、全国ネットで廉価なインターネットが使える。シキホール島ではサービスはないが、他の地域では使える可能性が高い。
田舎では、住もうとしている土地で、どの電話会社の電話線が近くまで来ているかを確認することから始めないといけない。

物価

建材のところでも取りあげたが、工業製品は、輸送の費用などが加算されて、田舎の方が高いことが多い。例えば、牛乳だ通常5〜10%程高い。以前 ハエたたきをセブとドゥマゲッティ、そしてバンタヤン島で買ったことがある。 セブでは9ペソ、ドゥマゲッティでは5ペソだったのに対して、バンタヤン島では25ペソしていた。プラスチック製品は、田舎では割高なことが多い。
電化製品、家具、バイクに自転車等々、全般に田舎では割高であり、通常は都会に買い出しに行くものである。個別の物の価格に関しては、別途、生活情報としてまとめる予定である。

田舎の地元で採れるものは、産地なので、都会に比べて田舎の方が安い。バナナをマニラの安食堂で食べると1本7ペソ程度取られるが、田舎のお店で買えば、小さいものは1ペソ、大きくても2ペソ程度である。

買い物

これも既に触れていることであるが、買い物をするには、田舎は不便で、都会に住んでいた方が圧倒的に品揃えが豊富である。日本でも全く同様のことである。大きなショッピングモールがすぐ近くにないと困ると言うような人は、都会に住むしかない。

交通

公共の交通手段は、都会の方が便利である。しかしながら、例えばマニラでLRTやMRTに乗っていても、日本人やその他の外国人を見かけたことがない。外国人にはLRTやMRTはあまり関係ないということだろう。特に、定年退職後、永住ビザを取得して、フィリピンに住んでいるような資金にゆとりのある人なら、通常は、自家用車を買って、専属の運転手を雇うことになるので、公共の乗り物とは無縁であろう。 そうなると、都会でも田舎でも状況は何ら変わらないと言える。

私のような資金に余裕の無い人でも、田舎暮らしの場合は、バイクや自動車があった方が便利であろう。私の場合は、バイクも自動車もあまり好きではないので、これまで買わなかった。その結果、夕方 乗り物がなくなると、自宅まで延々5kmの道のりを歩くことも多かった。そのため、回りから貧乏な日本人だと見られるようになり、ボラレルことはほとんどなくなった。
しかしながら、私のようなやり方は異常であり、やはり、バイクや自動車は買った方が便利である。延々何時間も歩くのは大変だ。

何かの折に、すぐに日本に帰れるところが良いと言うことであれば、日本への直行便が飛んでいるマニラかセブの周辺に住んでおく必要があろう。ただ、そういう要望を持つ人は、かなり少ないはずだ。地方の各都市から、1時間余りでマニラまで飛行機で飛べるので、その辺りまでは、日本との間の交通の便は悪くない範囲と言えなくもない。

「日本から3、4時間のフライトで、エコノミーの狭い席に座るのだけでも、窮屈で仕方ないのに、さらに、その後延々と移動させれるのは まっぴら御免だ。」こういう声は、よく聞かれる。 そういう人は、まず国際線はビジネスクラスに乗るべきであろう。ノースウェスト航空は、新型シートに入れ替えを行っており、かなり快適になっている。
その後は、一気に目的地まで行こうとするから大変なので、途中で泊まって観光しながらゆっくりと行けば、田舎にも 楽にたどり着くことができる。

治安

都市部で犯罪が多いのは世界共通であり、治安が良いのは田舎の方と言える。フィリピンで田舎の島を旅行していると、「日本もここのように治安は良いのか?」とよく質問される。田舎の人は自分の住んでいるところが一番安全な場所だと思っていることが多い。

自然環境

自然に恵まれているのは、田舎に決まっている。 特にフィリピンでは大小7000もの島があり、海が綺麗なところが多い。涼しい風が吹き 快適に暮らせる海に近い場所がお薦めである。都会でも海の近くもあるが、マニラ湾のようにゴミだらけの海では、自然環境が良いとは言えない。

海以外では、高い山の上もメリットがある。フィリピンは熱帯で暑く、暑さが苦手な人は、ある程度の高さのある山の上の土地を検討してみるのも一案と言える。そこは、通常 田舎である。

言葉

フィリピンは外国なので、通訳を雇わない限り、日本語はまず通じない。日本語の次に馴染みの深い英語は、フィリピンでは学校の教科書の多くが英語で書かれてあるくらいで、全国どこでも通じて欲しいのだが、実際には、田舎では英語が通じないこともある。一般には、都会の方が英語が通じやすい。

いずれにせよ英語だけでは限界があり、まじめに現地の言葉の習得した方が良い。かく言う私も、全然駄目で500語レベルからほとんど進歩がない。毎回現地に戻る度に、ねじり鉢巻の計画を練り直している。

テレビ

日本のテレビを見たいというのは、多くの日本人にとって共通の希望であろう。以前は、そこそこのチャンネル数のCATVがある都市に行かないと これが実現しなかった。ところが、最近は、衛星を使って何十チャネルも放送を流すようになり、その受信料を払えば、NHKを見れるようになった。このため、都会でも田舎でも、ほぼ同じ条件になった。CATVの方が少し安い場合が多いが、衛星放送でも日本の受信料に比べれば格段に安い。

仕事

 一定のビザがないと働けないはずだが、とにかくどこかの会社に勤めたいということであれば、圧倒的に都会の方が有利である。田舎で仕事を見つけるのは難しい。
ただし、フィリピンで給料をもらっても、日本の場合と比べ、かなり額は少ない。フィリピンで働きたいという日本からのメールよくいただくが、「フィリピンで働くよりも、10年に1年だけ日本に出稼ぎに行って、収入を得た方が効率が良い。」と答えている。

 ただ、例えば、漁業などは、現地では昔ながらの方法が一般的であり、現地の人に比べて進んだ方法を使えば、大きな収益を挙げられる可能性が高いと私は見ている。シキホールとドゥマゲッティの間には、マグロの巨大な軍団がいるそうだが、十分な装備をして、それを釣っている人を見かけたことが無い。領海があるので、日本等の外国の船も入ってこない。

近所付き合い

現地の人とお友達になりたいなら、田舎の方が簡単だと言える。とにかく、歩いているだけで、沢山の人から声をかけられる。ちょっと家に寄って行け、飯を食って行けと誘われる。「友達1000人作るんだ」という目標を立てても、田舎だったら容易に実現できる。

一方、都会では 例えばこんな具合だ。以前マニラのエルミタに行って、旅行代理店を探した時のこと、男性から声をかけられ「私はギャングスター (gangster )だ。知ってるか?」と言われたので、「知らんなー。」と、とぼけておいた。「腹が減った。飯代を出してくれ。」と言って しつこく付きまとって来たが、そのまま無視し続けたら、相手は諦めて、どこかへ行ってしまった。
都会で声をかけられても、ろくでもないことが多い。

回りに日本人が住んでいないと不安だという人は、田舎暮らしは難しい。マニラやセブには沢山日本人が住んでいるので、そちらを選ぶべきだろう。
最近は、日本人の移住者向けのマンションを、地方にも作ろうとしている場合もあり、そういうところにを探せば、回りに日本人がいる。


二股案

都会か田舎かを選択するための諸条件を並べたが、選択をせず、二股をかけるという方法も考えられる。フィリピンでは不動産の値段は日本に比べて安いので、都会と田舎の両方に家を持つことは 十分可能である。必要に応じて、移動してやれば、都会暮らし、田舎暮らしの欠点を補い、快適に暮らせる可能性が高まるはずだ。例えば、病気がちの時は、病院に通うため、都会に移り、元気になったら田舎に戻るといったようなことである。療養のため、空気が綺麗な田舎へ移るという場合もあるだろう。


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