マイル修行 幸せの予感

2008年11月12日作成 
 
 2008年12月17日最終更新 



(→ 2008年12月17日更新分へ)

燃油サーチャージの高騰で、マイル修行は超氷河期となってしまったが、ここへ来て、明るい兆しがいくつか見えてきた。

原油価格は沈静化して、NW(フライト名や機材の塗装等々、DL化するのは少し先のようなので、当面は そのまんま NWと書いておく。)の特典旅行への燃油サーチャージも11月7日から廃止になったし、来年からは、燃油サーチャージが下がるのは間違いない。気が急いて、来年1月から燃油サーチャージが一気に無料になると期待したいところだが、残念ながら、そうは問屋が卸さない。過去のデータをもとに決めているので遅れが生じるからである。例えば、日本で発券する航空券の来年1月以降のUAの燃油サーチャージは、今年の8月から10月のシンガポール・ケロシンの価格の平均値をもとに決めることになっている。NWのHPからもリンクされている米国エネルギー省(DOE)のデータを使って計算すると、1バレル116ドル程度になる。計算間違いを期待したいところでもあるが、再計算もしたので期待薄だろう。UAの閻魔帳によれば、これは120ドルを下回った場合に相当し、北米片道で22000円となる。これでも目の玉が飛び出ると言いたいが、現状の33000円よりは安い。
一番期待したいのは、類似の価格決定方法をとっている電力料金も、原油価格の沈静化を反映して、値上げ幅を圧縮したが、航空会社も それと同様な行動に走ることである。往復66000円も燃油サーチャージを徴収していては、航空券を売るのは至難の業であろう。ガラガラの飛行機を毎日 目にしては、航空会社は経営者も従業員も背筋が寒くなることだろう。UAの燃油サーチャージの決定方法の現在のやり方は、今年の10月8日から適用されたばかりである。それまでは、3ヶ月ごとではなくて、5月1日、6月1日、8月1日、10月8日と矢継ぎ早に値上げされた。値下げの方は、なかなか実施しないでは、利用者の理解を得ることは難しいだろう。
私は部外者なので詳しくは分からないが、既に吉報が発表待ちで準備されていると期待したい。
現状をそのまま反映した場合には、北米片道11500円ということになりそうだ。

NWの燃油サーチャージは、30営業日連続して基準価格を下回った場合に改定するというルールになっていて、UAより迅速な値下げを期待できそうだが、実態としては、現状は3ヶ月ごとに改定されている。それに従えば、次は来年の1月1日に改定ということになりそうだが、それだと11月、12月分のケロシン価格によるので、現状では決まらない。30営業日連続して1ガロン当たり2.25ドルを下回った場合、アメリカ本土片道16000円。2ドルを下回った場合12000円となっていて、現状の価格動向では その当たりになる。

燃油サーチャージの値下がりが期待できるのは良いことだが、それでも高いという人への救いは、格安航空券が額面上は安いということである。現状出回っている格安航空券を予約サイトで検索すると、マイアミ行きでNWは36400円から。UAは44000円からとなっている。これは11月出発の場合で、来年の1月以降はまだそれほど安くなくて、燃料サーチャージの値下がりと、格安航空券がどこまで格安になるか、その二つが注目されるということだろう。

もう一つ嬉しい兆候は、以前に格安航空券で、NWのZONE-B、UAのZONE-2を取り上げたが、

NWの場合、ZONE-Bの全米指定都市である ボストン、シカゴ、フォートローダーデイル、ラスベガス、オーランド、マイアミ、ニューヨーク、タンパ、ワシントンD.C(.、ボルティモア)に加え、

デンバー、ダラス/フォートワース、アトランタ、ナッシュビル、コロンバス[ オハイオ ]、ヒューストン、フィラデルフィア、ローリー/ダーラム、セントルイスにも行けるKクラスの格安航空券が期間限定で登場している。

UAも同様にして、アルバカーキ、ニューオリンズ、オースチン等が増えている航空券が見られる。


(2008年11月16日更新分)

これを書いて2、3日して、日本の大手航空会社の燃油サーチャージの値下げのニュースがテレビで報道された。これが、UA,NWにも影響することは間違いないだろうが、どうも、熟考の末の決定とは思えない点が2つあった。

まずは、発表時期である。UAの場合、燃油サーチャージの変更には、周知期間を1ヶ月とるということになっていて、日本の航空会社も同様のことがあるのだろうが、値上げの場合と違い、値下げを早めにアナウンスしては、買い控えを助長するのは必定だろう。値下げのアナウンスはできるだけ遅らすのが得策だ。今年4月とその前後のガソリンの売上高の推移を見れば容易に連想できるはずだ。

同様の事例は、コンピュータ業界で昔から繰り返されてきた。売れる商品が必要なので、販売の要求を中心に、新製品の情報を早くから発表する。しかし、出荷前になって不具合が発覚し、対応に時間がかかり、出荷が遅れる。顧客は、新製品の発表後は、新しい製品の出荷を待つ。客は買い控え、メーカーは売るものがないで、会社が傾くこともあった。

もう一つは、値下げの幅である。米国本土行きの場合、日本の大手航空会社の燃油サーチャージは、来年一月から 往復66000円が44000円になるが、これでも まだ割高で、往復2万円程度まで戻らなければ、買い控えが続くことが容易に想像できるからだ。前回、電力値上げを引き合いに出したが、NWの場合も、これまで 決めた閻魔帳の通りには、値上げしていなくて、それなりに手加減を加えている。それと同様の配慮があっても良いはずだ。現状の原油価格をすぐに反映しても、燃油サーチャージは2万円程度になるはずなので、早めの対応が、客を呼び戻すのに有効だろうということだ。

現状LAX行きの格安航空券が41000円で売られている状態で 燃油サーチャージが66000円では、単なる観光旅行に出かける人を見つけるのは かなり難しいと思われる。66000円が44000円に下がっても、まだ燃油サーチャージの方が高い。多くの人がお手頃と感じる燃油サーチャージの金額があるはずだ。

以上のように、日本の航空会社の燃油サーチャージの値下げは、熟考の結果とはとても思えないので、今後新たな対応があることを期待したいものだ。NWは、他社と比べ 早期の対応が可能なルールになっているので良いが、UAの場合も、先に試算した1月以降の燃油サーチャージよりも、さらなる値下げが起こることを期待したい。


(2008年12月17日更新分)

2009年1月からの燃油サーチャージが出揃い、UAは計算していた通り北米行きで片道22000円に下がった。ただし、UAの決めたルールでは、1月1日発券分から値下げのはずだったが、実際には1月1日以降の出発であれば、値下げ発表以降の12月に発券しても新料金が適用される。 航空会社にとっては買い控え対策、旅行者にとっては早く割引が適用され、Win-Winの妥当なやり方であろう。

一方NWは、北米行きで片道2万円になった。安いのでUAより良いとも言えるが、これまでのルールを反故にして、新しいルールを決め、それで計算するという大胆不敵なことをしてくれた。これまでの計算方法では、3ヶ月平均ではなくて、1ヶ月の価格動向で決めることになっていたので、燃油値下がりの恩恵を早めに受けられるはずであった。燃油サーチャージの計算のもとになるシンガポール・ケロシンの 例えば11月の平均価格は、1バレル75.43ドルであり、これなら片道1万2千円のレベルである。前のルールでは突発的に高くなった日の価格で決めることになっていたが、それでも、片道1万5千円ということになる。12月の実績まで考慮してくれていたら、さらに安くなるところであった。

このような不平不満は、航空会社側が約束を守っていないのだから、消費者にしてみれば当然とも言えるが、航空会社も苦しい経営を強いられているところなので、あまり厳しいことは言えまい。
航空券の検索サイト等では、サーチャージを含めない価格で比較するので、燃油サーチャージが、他社より極端に安いと不利になるという事情も見え隠れする。

ここでは、明るいニュースを取り上げようとしているのだが、北米行きを例にすると、燃油サーチャージが4万円程度に対して、もとの航空券が2、3万円のものもかなり見つかる。1年前の燃油サーチャージが2万円の頃に対して、合計ではそれほど変わらない価格設定になっていると言えよう。

12月3日以降、燃油サーチャージ廃止基準を下回る

原油価格の暴落を受けて、燃油サーチャージなどという言葉は、早く過去のものになって欲しいというのが私も含めた旅行者の願いであろう。計算のもとになっているシンガポールケロシンの価格は、公表されているデータを見る限り、12月3日以降は、NWの一部の路線を除き、燃油サーチャージ廃止基準の1バレル60ドルを割り込んでいる。一般的な見込みのように、燃油サーチャージが大幅に下がるのは2009年4月1日からということになろうが、残念ながら、11月の約75ドルが、次回の計算に反映されるため、廃止にはなりにくそうだ。産油国も、減産で対抗してくるので楽観はできないが、とにかく期待したいのはaffordableという言葉だろう。


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