西海岸でのストップ・オーバー

2004年4月


今回は初心者向けの話題である。

先日サンフランシスコのホステルに泊まった時に、日本人の旅行者と同室になり、彼から その時の旅の話を聞いた。

彼は、まず成田・ラスベガス往復の格安航空券を買ったそうだ。
そして、ラスベガスに着くと、そこからバスやアムトラックを利用して、デンバーやグランドジャンクション、ソルトレイクシティー等を経由して、サンフランシスコまでやって来たとのことだった。バスやアムトラックを利用して米国を回る旅行者は、まずロサンゼルスに行き、そこから時間をかけて陸路で移動する場合が多いが、この人のようにラスベガスが起点でも、ロサンゼルスから近いので、ほとんど同じ ごく一般的な旅と言える。

ところが、彼は、「マイルを貯めたかった。」と主張しているのである。
「それならば、日本から最遠のマイアミなど、フロリダのどこかの都市を最終目的地に選ばないと駄目だ。」と私の方から説明した。しかしながら、彼はさらに続けて、「東海岸は遠いので 敬遠して、飛行機に乗るのはラスベガスまでにした。」と言い出した。
バスの長旅の方が もっと大変なはずなのに、彼は、飛行機の長距離フライトの方を敬遠したのであった。確かに、バスやアムトラックに比べれば、飛行機のエコノミークラスの席は 窮屈と言えるだろう。しかし、それならば、日本から西海岸に飛び、そこで一旦ストップ・オーバーして休憩してから、改めて東海岸に飛べばよいのである。

何のことは無い。彼はストップ・オーバーができること自体を 知らなかったのだ。
次回からは西海岸でストップ・オーバーするということで決着がついた。

そこまで知らない例は少ないかもしれないが、いろいろ経路を工夫し、途中でストップ・オーバーすれば、あまり疲れないようにすることができる。ストップ・オーバーを加えれば、以前取りあげた時差ぼけ対策も含め、いろいろ楽に飛べる可能性が出てくる。


以下 西海岸でのストップオーバーについて、もう少し具体的にまとめてみる。

当然のことならがら、ここでは、安い航空券のことだけを念頭に置いている。IT(格安航空券)か、PEXの中でも安い方の航空券ということだ。

格安航空券なら大抵4都市周遊可能という とても有難い状況は3年ほど前から変わって、最近は、手頃な値段では3都市周遊までになった。また、訪れる都市の数が増えるごとに、少しずつ追加で料金を取られる場合がほどんどなので、これまでの私のように、値段が一緒だから、ついでにぎりぎりまで寄り道してやれと、単純に決め付けるわけにはいかなくなった。また、安い料金のPEXの場合にも 同様にして、ストップ・オーバーの回数などの制限が厳しい。

航空券のコスト・パフォーマンスを追求するなら、

 ・旅行の予定にあわせ、それに最もふさわしい条件の航空券を探すか、
 ・手頃な航空券を見つけ、その条件を十二分に活かせる範囲で、できるだけ
 いろいろなところを回ろうとするか、

これまで以上に検討が必要になった。

以下に、ルートなどで分類して、西海岸ストップ・オーバーのポイントを幾つかの項目にまとめてみた。航空券や旅行の制約条件によって、当てはまる項目だけを参考にして頂ければ幸いである。
ほとんど、当たり前のことだとも思うが、それでも参考になりそうな人がいることが分かったので、まとめてみた次第である。

ストップ・オーバーの意味するところは、安い航空券の場合、
PEXでは、通常の航空券のルールと同じで、航空券に○印が付いて、途中降機で24時間以上滞在する場合を指している。
格安航空券の場合には、日付を越えて、ある都市で乗り継ぎまたは滞在した場合に、ストップ・オーバーと呼んでいる。

ここでは、PEXの「24時間以内に乗り継げば、ストップ・オーバーとカウントされない。」というルールをうまく活用する方法も含めて、まとめてある。


往路でLAX,SFOなどで一休みしてから東海岸へ

これが、西海岸でストップ・オーバーして楽に旅をしようとする場合の基本だろう。
以前の私の例だと、仕事でピッツバーグに何度か行ったことがあるのだが、サンフランシスコの近くにもオフィスがあったので、そちらにも顔を出し、少し仕事をしてから、ピッツバーグに飛んだ。
PEXの場合には、「24時間以内に乗り継げば、ストップ・オーバーとカウントされない。」というルールを利用するのがおトクだ。日本からLAX,SFO等に朝到着して、その日の夜の便で東海岸に飛ぶことにすれば、所定の訪問都市の数を越えた追加料金を払わずに、西海岸に日中 丸一日滞在できるので便利だ。ただし、疲れないという観点では少々無理があり、元気な人向きと言える。

往路で西海岸の都市に訪問してから東海岸へ

これはUAの場合である。LAX,SFOがハブになっているので、ここを経由して、往路でハブ以外の西海岸の諸都市に寄り道してから、東海岸へ飛ぶ。私の場合の例は写真館に挙げてあるとおりである。西海岸のUA就航都市を制覇しようという目標もあるのだが、残念ながら、未だ達成できていない。

この経路においても、私の場合、大陸横断は、基本的に夜行便を利用していた。以前にも紹介したとおりだが、夜行便には、時間の有効活用、宿代節約、早朝に起きる必要がなく、東海岸の目的地への到着が通常 夜にはならない等のメリットがある。

マイルが貯まった方が嬉しいので、
KIX/SFO/SEA/YVR etc/SEA/ORD/ MIA or FLL or PBI
のような経路で よく飛んだものである。KIX/SEAの直行便が無いので、自然とこのような経路になってしまうのだが、遠回りなのでマイルが貯まる。有名野球選手もKIX/SFO/SEAと飛んでいるので、不自然ではないのだろう。予約の時に、航空会社から なんだかんだと言われることはない。乗り継ぎが多く、楽な経路とは言い難いが、とにかくマイルは貯まるし、いろいろ回れておトクだ。

行きは東海岸へ直接飛んだ方が楽、帰りだけ西海岸でストップオーバー

西海岸でのストップ・オーバーを取りあげているが、米国に行く方は、ジェット気流の関係で、時間が短いので、そのまま、東海岸に飛んでも疲れが少ないという見方ができる。寝るのに適した夜なので、それだったら逆に それなりに時間があった方が良いという意見もあるだろう。往路は東海岸に直接飛んだ方が楽という人が結構いるはずだ。

東海岸からの帰りにLAX、SFOなどで一休みしてから帰国

楽に旅する方法として、一番お薦めしたいのがこのパターンである。前日の午前の遅くか、午後の便で、帰国便が出る西海岸の都市に移動しておけば、早朝に起きて空港に行く必要はないし、時差ぼけも徐々に解消するので楽であろう。この通りのスケジュールだと、PEXの「24時間以内に乗り継げば、ストップ・オーバーとカウントされない。」というルールが使える。

東海岸からの帰りに、西海岸の都市に立ち寄ってから帰国

往路と同じく、これもUA利用の場合である。ハブのLAX,SFOから、さらに、西海岸の都市へと乗り継ぐ。ただし、このようなルートでは、東海岸の出発が早朝になったり、西海岸の都市に到着するのが遅くなったりする可能性がある。さらには、西海岸の都市から帰国する日には、ほとんどの場合、朝早く起きて空港に向かわないといけないだろう。
それでも、寄り道した方がマイルは貯まるし、いろいろなところに行けるので楽しい。ただし、この場合の多くは、立ち寄った都市で2泊以上しないと、単に泊まりに行っただけになり、とても悲しいことになる。

他にも、西海岸の2都市にストップ・オーバーするとか、米国中部に飛ぶ場合など、ここまでの範疇に入らないケースもあるが、ここで書いた分でもかなり多くの場合をカバーしているはずなので、今回はここまでにしておく。


BACK