航空券5千円+燃油5万円時代の
UA,DL格安航空券比較

2012年1月作成



格安航空券検索サイトの最安値で、発売日限定、航空会社未定のマイアミ行きの航空券が5千円というのがあった。流石に航空会社のサイトでは、こんな見かけだけ激安で、後から燃油サーチャージが加算され、実は安くないというような表現は出て来ない。「マイアミ行きの航空券がたったの5千円。安いよ。」といったノリのことが航空会社のサイトに書かれていたら、あまり詳しくない利用者から、後で詐欺呼ばわりされる可能性もあろう。そのため、航空会社のサイトでは、最初から燃油サーチャージその他の手数料も含めた合計の金額を、検索の結果として提示するというやり方も多い。
また、以前なら目玉のように表に出ていたPEXの価格表は、今では、消えてしまったり、目立たなくなっている。

内税、外税

価格を比較しようとした場合に、格安航空券検索サイトに登場する旅行代理店による料金表示、そして、delta.com、united.comによる料金表示は、税金や燃油サーチャージ等の何がどの項目に入るのか異なっていて 比較がしにくい。内税か外税か明記しないと分かりにくいという話がここでは極端なことになっている。以下では、どういう内訳になっているか 一目で分かるように表にしたつもりである。

マイアミ行き

格安航空券検索サイトは、マイアミ行きや それ以外も含め、Yahooトラベルと、トラベルコちゃんを利用した。1月時点で買える安い料金を探した。ただし、DLの代理店での料金は、ここで取上げた値段より千円程度安いところもあったが、税金などの詳細の金額を表示してくれている「いちまるにいちツアー」の料金をここでは使った。他もだいたい2千円程度までの違いである。出掛ける予定があるのなら、一番安い料金を出している代理店に 税金その他合計金額を教えてもらえば良いが、今回はそうではなくて、購入するつもりもないのに問い合わせるのは迷惑かと思い、最初から料金を公開してくれているところを選んだというわけだ。

代理店から購入する場合には、航空券、手配料、燃油、この三つを除いたその他を大雑把に1万円と見積る概算もあろう。
逆に一番最後に添付してある表から、米国での税金・手数料をドル建てで正確に把握できるが、日本円に換算する時に為替の変動が入ってくる。

マイアミ行きのmini価格.com  (平日運賃)
販売元 DL 代理店 UA 代理店 delta.com united.com
ルート・条件等 NRT発、NRT/ATL便以外を利用、約7日前発券 Go USA 50
50日前発券、正規割引
NRT/JFK/MIA

NRT/EWR/MIA
航空券 + 手配料 17100円 + 3000円 48400円 + 3000円

43420円

92000円
米国税 5480円 5480円
燃油サーチャージ 50000円 50000円

55880円 注3)
米国税以外の税その他 4390〜5290円 注1) 3390〜4290円 注2) 4870円 注4)
合計 約8万〜8.1万円 約11万〜11.1万円

99300円
96870円

なかなか、本題に入れなかったが、価格をまとめた上の表の補足をすると、代理店での航空券だけの大もとの価格で言えば、DLとUAでは、17100円と48400円で、3倍近い差がある。これではUAはとてもやっていけない、もしくはDLの方が儲からなくてとてもやっていけないという数字になっている。しかし、大票田の燃油サーチャージを加えると約3万円の差になり、割合で見れば、大きな違いではないとも言えるし、3万円の違いは大きいとも言える。
UAな人は、united.comの96870円の方に目が行くはずだ。これは、COのてこ入れバーゲンであろう。以前 
遅早割りという名前で紹介したもので、出発の時期が近づき、空席が少なくないので、てこ入れが必要で 値下げしているが、出発日のある程度前には購入する早割りの要素も含まれている。

「結論から先に言うと、」というのと反対になって嫌われるかもしれないが、ここで取上げたかった大本題は、この表の変な料金体系を見てもらって、ゲラゲラと吉本的な笑いを誘いたかったといういうことだが、笑いを取れたかどうか定かでない。それでも、やはりこの表の数字は変と言うしかない。特に、DLの代理店販売の航空券の大元が異常に安いのは、燃油サーチャージ補正とも言えるし、逆に合計の金額から逆算すると、現在の実効(もしくは、実勢)燃油サーチャージは1万円強という言い方もできよう。実効燃油サーチャージについては、機会を見て またまとめてみたい。

笑いにこだわって、余談の例え話をしたい。

中国の王朝の黄金の倉庫で働く労働者の話を本で読んだことがある。彼らは、肛門から金塊を挿し込み、どれだけ自宅に持ち帰ることができるかにすべてがかかっていて、就職前に、せっせとその訓練に励んだそうである。彼らにしてみれば、金庫で働くことによる表の賃金はまさに無料でもよい世界であろう。給料を、元の航空券の料金に、肛門の中の金塊を燃油サーチャージに例えれば良さそうに思った。しかし、肛門さまの本人の方は、実は、給料はただでも良いというレベルではなくて、当然だろうが、この職に就くために、悪宦官様などに多額の賄賂を支払わないといけなかったそうだ。そうなると、例えられる航空運賃の方としては、このフライトに乗っていただけば、1億円差し上げますというようなことでないと話が合わなくなり、笑えない危険な状況になりそうで、賄賂のことは無視しておくしか無さそうだ。

注)税金、その他の内訳

販売元  注1) DL 代理店 注2) UA代理店

注) 税金、その他の内訳

成田国際空港施設使用料 2540円
米国入出国税 5480円
現地空港施設使用料 550円
米国民間航空保安料 300〜1200円
航空保険料 1000円

成田国際空港施設使用料 2540円
米国入出国税 5480円
現地空港施設使用料 550円
米国民間航空保安料 300〜1200円
航空保険料 0

販売元

注3) delta.com

注4) united.com
注) 税金、その他の内訳 国際線サーチャージ 51000円
成田国際空港施設使用料 2540円
米国動植物検疫使用料 400円
旅客施設使用料 $4.5
米国税関審査料 430円
9.11セキュリティ・サーチャージ 600円
米国移民帰化局手数料 550円
成田国際空港施設使用料 2540円
空港施設使用料 最高$19.50
9.11セキュリティ・サーチャージ $2.5 x 2

ストップオーバー

マイルを稼ぐためには、できるだけストップオーバーして、寄り道する必要があろう。

DL

最近出回っている格安航空券では、一度に付き約6000円追加で 2回までストップオーバーが可能である。
訪問可能都市はMIA以外にも SFO,JFKorEWRorLGA,PDX,LAS,PHX,SAN,MCO,SLC,BOS,DFW,IAH,DCAorIAD, ORDなど。

NRT/DTW/DCA./DTW/IAH/ATL/MIA/DTW/NRT で約1.7万マイル

DTWしかハブが無ければ、

NRT/DTW/IAH/DTW/MIA/DTW/DFW/DTW/NRT のようなルートで1.9万マイルを越えるが、他にもハブだらけなので、これは認めてもらえないだろう。

制約が多過ぎて、ルート選びも簡単ではない。

delta.comの二回ストップオーバーで試してみたら、約19.4万円という値段が出てきた。高いので そちらは、そこで検討を止めた。

UA

代理店販売の正規割引Go USA 50では、UAのハブの都市でストップオーバーできて、一回は無料、二回目は1万円とのことだ。

KIX/SFO/ORD/MIA/IAD/LAX/SFO/KIX 1.7万マイル余り

これくらいなら発券できそうだ。しかし、united .comで探した方が値段が安く、マイル単価を比較しても微妙な違いになろう。


お買い得航空券

最初に取上げた例は比較のためマイアミ行きで統一したが、とりあえず値段が安いものを並べると以下のようになる。左の二つでUAとDLの比較をしても、条件が違うのであまり意味がないとも言えるが、CO便でかなり安くしても、まだDLの方がかなり条件は良いとも言える。しかし、それはマイル修行的な意味であり、ニューヨークだけに直接行きたい人には、COのEWR便も意味があろう。ただ、その場合は、DLのJFK便の方がさらに安いということになる。

DLの方は、LAX便限定で、遠回りになる分マイル修行的には有利だが、さらにテキサス、フロリダまで行ければ、2ストップオーバーでそこそこ距離が伸びそうだが、行き先が少ないのが残念だ。

販売元 DL 代理店 UA 代理店 DL 代理店

行き先

LAX, LAS, ORD, JFKorEWRorLGA
EWR JFK
ルート・条件等 羽田発LAX便利用、
AP7T
Go USA K, CO便
AP7K
NRT/JFK直行便
AP7T
航空券 + 手配料 11400円 + 3000円 25000円 + 0円 13000円+0円
燃油サーチャージ 50000円 50000円 50000円
その他 約1万円 約1万円 約1万円
合計 約7.5万円 約8.5万円 約7.3万円
ストップオーバー 1回6千円で2回まで 不可 不可
代理店名 フレックス
インターナショナル
CANtour CANtour

他にも、行き先別に最安値の比較を挙げたら良いとも言えるが、今回の目的からは、この程度で十分とも思えるので、この程度にしておく。

Go USA 50 & Go USA スーパー

UA,CO,NHを組み合わせて使えるPEX料金のGo USAの中で、値段が安めのGo USA 50と、Go USAスーパーの2,011年下期(10/1/2011〜3/31/2012)の料金表を 参考までに示しておく。COのHPからのデータで、安い方の平日運賃のみ取上げる。Go USA 50は50日前までに予約が必要で、スーパーの方は予約期限はない。これらに、燃油サーチャージと税金などが加算されるのは、他と同じである。

Zone 目的地 Go USA 50 Go USA スーパー
1 LAX,SEA,LAS,YVR等 44,400円〜 49,400円〜
2 DEN,PDX,SLC等 50,400円〜 69,400円〜
3 SFO,ORD,BOS等 46,400円〜 57,400円〜
4 NY,IAD,MIA,MCO等 49,400円〜 67,400円〜
5 IAH,MSY,PHL等 58,400円〜 77,400円〜

台北発NH

UAに不利なデータばかりが揃ってしまったので、何とか挽回しようと、海外発券まで首を突っ込んで探してみた。と言っても、真面目にいろいろ探したわけではなくて、たまたま他の検索でひっかかって来ただけで、マイル単価の観点で もっとお得が、探せばあるはずだ。とりあえずたまたま見つかったものを挙げておく。最近はNHでも、UA加算での獲得マイル、EQM, エリートボーナス、Life time UA mileすべてが、一部の例外を除き UA便と同等になったので、ここでNHを取上げても問題なかろう。

台北の勝美旅行社のNHの料金表によれば

TPE−xTYO−CHI,WAS,−xTYO-TPE

NHのLクラスの一番安い時期は、NT$26000となっている。東京1ストップ当たりNT$1000で、台湾、日本、米国を行き来するには良さそうで、そこそこマイル単価も安そうである。税金などで、1万円程度の追加はあろうが、燃油サーチャージ5万円とは書いていない。
マイレージ計算のツールの一つで試してみたらIADの往復で16184マイルとなった。


参考)

米国出入国時の税金・手数料の名称
略称

名称

料金

説明
US 米国国際通行税 (International Transportation Tax )
米国国内通行税

$16.30(片道)

アメリカ本土入出国時
ZP 米国連邦セグメント使用料 (Flight Segment Tax)

$3.70(p/seg)

米国内のみのFare Component
XF 空港施設使用料 (US Passenger Facility Charge)

最大$4.50

米国の空港を出発する旅客
XY 米国入国審査料 (Immigration User Fee)
$7.00

米国本土、プエルトリコ、グアム、USバージン諸島に国際線で到着する旅客
YC 米国税関審査料 (Customs User Fee)
$5.50

米国本土、プエルトリコに到着する旅客
AY 米国9.11セキュリティー料 (米国民間航空セキュリティ料、Security Service Surcharge)

$2.50(p/Seg)

米国内空港から出発する旅客
XA 米国動植物検疫使用料
(Animal and Plant Health Inspection Service User Fee)
$5.00

米国本土、プエルトリコに到着する旅客



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