チェックイン・バッグの投げられ方

2009年 3月




万歳投げの名手と投げ入れ先のカート

以前、チェックインしたカバンが壊されて困っているという話題を取り挙げたが(スカイチーム悲し)、今回は その続編で、その原因であろう カバンの取り扱われ方の実態を目撃したので紹介する。前回の問題の場所はMNLだが、今回はSFOからPDXへの早朝のAS便、そのSFOでの出来事である。小型のジェット機で、機内頭上の棚は小さいので、キャリーバッグを飛行機に乗り込む前に預ける よくあるパターンだった。いつも機内に持ち込んでいるため10年ほど破壊を免れ、まだまだ使えているキャリーつきのカバンにパソコンを入れて持ち込もうとしたが、飛行機の入り口で止む無く預ける羽目になった。

座った席の前からは、私のカバンも含め、キャリーバッグがどのように扱われているのかよく見えた。作業員二人で荷物のリレーをしていて、一人が搭乗口の階段の上から荷物を序々に降ろし、それを、地上に立っているもう一人の作業員が万歳してつかみ、万歳のまま、カートの開いた部分めがけ 3mほど放り投げていた。高低差も1m以上あり、荷物の中の割れ物は風前のともし火に思えた。万歳投げだけは止めてくれと機内で言っても作業員には届かない。頭を抱えて見ているしかなかった。

積み込みが終わり、万歳投げの作業員が歩き出し、顔が見えたが、間違いなくフィリピン人だった。同じゲートの待合のベンチで、車椅子を押すため待機ながら、おしゃべりしていた二人の職員が話していたのはタガログ語。セキュリティ・チェックで荷物を調べているのも、大抵フィリピン人。万歳投げの名手はMNLで実務経験を積んだ後SFOに雇われたのか?SFOで磨いた技をMNLに持ち帰るのか? さらには、沢山のカバンをMNLで壊された被害者の私としては、ここで取り挙げた主人公だけの話ではなくて、MNLでの典型的な荷物の取り扱われ方を目のあたりにしたと思えてならない。

PDXに到着し、カバンを受け取るや、中のパソコンが立ち上がるか確かめたところ、幸運にも無事立ち上がった。


ここで書くだけで、他に何もアクションを取っていないわけではない。前回のレポートの後も破壊は続いているが、スポーツバッグのような形の簡単なカバンを預けて MNLで受け取り、かなり壊されていた時には、航空会社に報告した。航空会社の職員に言うと、紙に壊れ方の状況を書けと言われたので指示に従い報告書としてまとめて渡した。しかし、それで終わりで、弁償もなく、その後 取り扱いが改善されているような気配もない。ディスカウンターの航空会社であり、フィリピンのことなので、こんなものだろうと、報告だけで クレームはつけなかった。以前ダバオに到着した時に、やはりカバンが壊されていたことがあった。多分これも搭乗地のMNLがらみかと思われるが、その時は、修理業者を指定され、数百円の修理費を払ってもらえた。良心的とも言えるし、安いので払ってもらわなくても どうでも良いとも言える。

さて、米国の他の場合はどうかと言うと、UAのプロペラ機には、かなりの回数乗って、同様に機内に乗り込む前に荷物を預けたが、このような手荒な扱いを受けた経験ない。そのお陰で、10年もカバンが使えていると言える。小型のジェット機で、搭乗口からそのまま乗り込む場合に荷物を預けるシステムで、一旦荷物を外に出す今回のような場合が要注意と言えそうだ。


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