出国航空券提示問題とLCC

2013年4月19日作成



出国航空券の提示問題について以前にも取り上げたが、その後も訪問者など私の周囲で この問題にひっかかる例が少なくない。出国の航空券がないと入国できない場合が多いのだが、そんなことを知らない人は まだまだ少なく無さそうなので、一番問題が起りそうなLCCの片道発券を中心にして再度まとめてみた。

LCCで片道発券

バンコクなどで海外発券して 日本でストップオーバーし、第三国へ向かうチケットを買っているような人なら、旅慣れているので、当然この問題を認識しているはずだ。一番問題が起りそうなのは、LCC利用者であろう。LCCなら通常インターネットで簡単に片道航空券を買えてしまう。片道航空券だけ握り締めて空港に行き、チェックイン時に、出国の航空券を見せろと言われ、持っていないので、その場で帰りの航空券を買わされている例が多い。

LCCによっては、これで儲けるビジネスモデルを採用しているのではないかと疑いたくなることもある。LCCのサイトで片道発券する場合、片道航空券だけでは乗れないことがあるようなことは、それほど強く指摘しない。知らずに片道航空券だけ持って空港に行った旅行者が、空港で高い航空券をしぶしぶ買わされている例をよく見かける。

ブログによる混乱

最近は、ブログを利用して多くの人が海外旅行記を書くようになり、いろいろと参考になる。しかし、どの空港からどの空港まで国際線を片道航空券で利用し、出国の航空券は持っていなくてもなんとかなったという自分の経験だけ書いて、それがどういう位置づけなのかとか、他のケースでは、片道航空券では乗れないこともあることを説明していない場合が少なくない。読んだ人は、他の国、他の空港、他の航空会社でも同様に問題ないと思い込み、別の場合でやってみたらダメだったという話になりかねない。

片道航空券でも良い場合とダメな場合がある

これは、出発空港、到着国、利用航空会社の組み合わせで変わってくる。さらに言えば、チェックインカウンターの担当者にもよる。もちろん、到着国の国民であれば当然不要だし、永住VISA取得者もしかりで、その他のVISAのある人でも不要な場合もあろう。

入国審査でも出国の航空券の提示を求められることは多く、それがないと、その場で買わないと入国を認めない場合があると言われているが、実際には、この二次試験よりも、一次試験に相当する出発時のチェックインの方が 圧倒的に足切りにひっかかる可能性が高いと言えよう。

具体的には、前回にもいろいろと取り上げているが、例えば香港や中国行きなら通常は片道航空券でも問題ないはずだ。ただし、そうは言っても、日本から中国に飛ぶ時に、日本の空港で、帰りの航空券を見せるよう言われたこともあり、絶対大丈夫だとも言い切れない。

香港や中国などとは反対に、出国の航空券の提示を求められるのがフィリピンであろう。日本の空港からフィリピンへ飛ぶような場合には、通常は、出国の航空券を持っていないと乗せてくれないはずだ。空港で帰りの航空券をしぶしぶ買っている人をよく見かける。すべての場合にダメだと確認しているわけではないが、フィリピン行きでは、予め出国の航空券を用意するのが無難であろう。

先日、ハノイからマニラ行きに乗った時も、片道航空券しかもたないので、その場で しぶしぶフィリピンから先の航空券を買わされている人をかなり見かけた。

対策

国際線の片道航空券を利用する場合には、出国の航空券を予め準備する必要があるというのが基本だが、場合に分けて もう少し詳しく説明する。

往復航空券

片道航空券だけではダメと空港で言われて その場でしぶしぶ買っているのは通常は帰りの航空券だろう。単純往復で、予め帰りの予定が決まっているなら、往復で買っておくべきだろう。

ダミー

往復航空券など、予め出国の航空券を準備できる場合は良いが、長期滞在で帰りの予定が決まらないとか、長期のオープンチケットは高いので避けたいというようなこともあろう。

その場合は、片道航空券での入国の目的のためだけに、出国の航空券をノーマル発券して、後から払い戻すのが、従来からよく行われてきた手法である。
最近は、LCCのバーゲン航空券が出回っているので、安い航空券を発券して、ダミーとして使うという手もあろう。しかし、乗らないと多額のペナルティーを請求される場合もあり、要注意である。格安航空券で帰りのフライトを放棄すると、さらに多額のペナルティを請求することになっている場合もあり、さらに注意が必要であろう。

途中でVISA run/flyする予定があるなら、ダミーでなくて、最初からそれを買っておけば良い場合もあろう。

自転車操業

飛行機で何カ国も旅行するなら、出国航空券の提示要求に対応して、少なくとも、一つ先の航空券までは予め手配するということになろう。しかし、実際には、このような自転車操業は少なそうで、航空機で周遊するような場合には、最初からすべて航空券を手配していることが多そうだ。

まずは、片道航空券だけで入国できるところへ飛ぶ

日本から東南アジアを陸路で周遊し、帰りの航空券は現地で購入するような場合には、まずは、香港などの片道航空券だけで入国できるところへ飛んで、そこから陸路で移動を始めればよい。ただし、繰り返しになるが、確実に片道航空券だけで入国できるのかどうか、保証の限りではなく、時間とともに変わるかもしれず、航空券を手配する前に確認が必要だ。

海外発券を繰り返す場合の例

仕事などで、同じところを何度も往復する場合に、最初は、1年オープンなど、長期の往復航空券を買って、現地に着いてから、海外発券で、起点が反対の往復航空券を繰り返し買う方法がある。これだと、最初の航空券の帰路を、出国航空券として、1年近く使い続けることができる。現地で、用事が終わってから航空券を手配すればよいなどのメリットがある。 ただし、直前に購入すると高くなるような場合には適さない。



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