香港特集 2002年 第一部

スターアライアンス特典旅行で行く香港

2002年 10月作成
2009年5月最終更新



(2009年5月更新分)

MNL/BKK/HKGで往復したのだが、残念ながら、この手の遠回りは、逆行禁止のルールのためできなくなってしまった。しかし例えば、MNL/BKK/SINなら飛行距離は同じようなものである。MNL/HKGのスターアライアンスのフライトがない状態では、この手の経路も認めてもらいたいとも思う。しかし、以前も北米の周遊で経験があるが、遠回り乗り継ぎは、チェックイン時に、カウンターの職員からプレッシャーがかかる。


日本発では損

UAでもスターアライアンス特典旅行を利用できるようになった。そこで、以前の特集「ファーストクラスで行く激安香港」で 読者の方から好評を得たのに気を良くしている香港。その香港行きでスターアライアンス特典旅行を試してみることにした。

ところが、いきなり出鼻をくじくようなことを言うが、スターアライアンス特典旅行で日本から香港に行くのは お奨めできない。UAのマイルを使ってUAで飛べば、アジア内はYクラスで2万マイルから行けるし、NWのマイルなら、飛ぶ航空会社に限らず、アジア内なら UA同様2万マイルから飛べる。これに対して、スターアライアンス特典旅行で香港に行くには その倍。Yクラスでも4万マイル必要であり、お奨めできない。

そこで、今回登場するのは、マニラ発香港行きのスターアライアンス特典旅行。これだと、すべて、南アジア内なので、Yクラスで2万マイル。Cクラスでも3万マイルで済む。

ただし、このような飛び方は、私のように南の島暮らしを始めて東南アジアにも住んでいる人には現実的だが、普通に日本に住んでいる人には、あまり参考にならないとも言える。東南アジアに行ったついでに、そこから おまけにスターアライアンス特典旅行にも出掛ける 時間にゆとりのある人くらいが対象か。

それでも、香港行きに限らず、このような発券の仕方自体は、十分参考になるはずである。また、NWユーザーの方も、後でたっぷり紹介する香港の話題を参考にして頂きたい。

マニラ、香港間のSQ、TG、LH同時利用は不可

スターアライアンス特典旅行なら、いろいろ航空会社を組み合わせられる。そこで4万マイルで、どれだけ多くの航空会社のファーストクラスに乗れるかという 欲張ったことを考える人は 決して少なくないだろう。私も そういう考えが無かったわけではない。幸か不幸か、マニラ・香港の極めて近い区間には、スターアライアンスに加盟する航空会社のフライトがない。

そこで、行きはシンガポール経由、帰りはバンコク経由で以下のようなフライトを考えた。

 行き マニラ・シンガポール SQ 777 Fクラス
     シンガポール・香港  SQ 747 Fクラス
 帰り 香港・バンコク TG 747 Fクラス
     バンコク・マニラ LH 747 Fクラス

そして、できれば、シンガポールで丸一日ストップオーバーして、ホーカーズ巡りを楽しむ。

このような大胆不敵な計画を立て、UAに予約の電話を入れたところ、あっさり却下されてしまった。理由は、UAの職員の説明によれば、スターアライアンス特典旅行では、端末が打ち出してきた経路しか選べないから、端末で出てこないシンガポール経由はダメとのこと。さらに 時間をかけて、複数の職員の間で協議してもらった結果、シンガポール経由では、とても遠回り(または逆行)になるので、ダメなのだろうという解説があった。

便利さから言えば、SQ利用なら便が多いので、朝マニラを出発すれば、夕方には香港に到着する。これに対し、TG利用では、マニラ・バンコク間の便が少ないため、香港到着は深夜になってしまう。SQの方がはるかに便利なのである。

結局、行きも帰りもバンコク経由になり、TGはすべて777でFクラスはなく、LHだけFクラス。これではマイルが損なので、3万マイルを使ってCクラス。以下のようなフライトになった。

行き マニラ・バンコク TG621  777-200 Cクラス
     バンコク・香港   TG602  777-300 Cクラス
 帰り 香港・バンコク   TG631  777-200 Cクラス
     バンコク・マニラ LH744  747-400 Cクラス

これまでTGの国際線に乗るには、Yクラスでも3万5千マイル必要だったものが、Cクラスでも3万マイルで乗れるようになり、UAの職員は ルールが大きく変わったことに驚いていた。さらには、バンコク・マニラ間にLHが飛んでいることを初めて知った。いろいろ勉強できたと、感謝の言葉までもらった。

予約クラスはI、保険料は2760円

特典旅行では、UA、NWとも、見慣れぬ予約クラスが登場するが、今回のスターアライアンス特典旅行のビジネスクラスは Iクラスだった。TG、LHともIクラス。どの航空会社でも同じなのだろう。

クラスは皆同じで単純で良いのだが、問題は保険料。昨年の9・11以来、航空券の購入時に保険料を徴収されるようになった。特典旅行の場合 NWは太っ腹で、保険料は航空会社持ち。これに対して、UAの場合は、利用者が負担する。保険料を徴収し始めたのと、UAの経営状況が云々されるようになった時期が同じであるため、このような差がついてしまったのであろう。いずれにせよ、現在の状況では、UAに対して「保険料など取るな」と 強気なことを言う気には とてもならず、NWのように保険料を徴収せずに済むほど、経営状況が持ち直すことを唯々祈るばかりである。


まずはマニラから

マニラへなど行かない人が多いかもしれない。それでも ここで 敢えてマニラを取り挙げる大きな理由は、香港とは関係ないが、マニラ経由セブ行きのNW特典旅行が結構お得と思っていているからである。それと、残念ながらマニラでの空港からの交通機関や乗り換えは、評判が良くないことが挙げられる。

昨年からNWとセブパシフィック航空は提携を始めたので、NWとセブパシフィック航空を組み合わせ、特典旅行で、リゾート地として有名なセブまで飛ぶことができるようになった。NWのマイルを使う場合には、このような乗り継ぎでも、Yクラスなら2万マイルで飛べて、とてもお得だ。ただし、この経路では、マニラで乗り換えが必要になってくるのである。
また、少しこじつけかもしれないが、以前 NWに電話で問い合わせたところ、香港・マニラ経由でセブまで行くことも可能とのことである。今回特集している香港にも立ち寄れる。この場合 香港、マニラ間もセブパシフィック航空を利用する。

マニラでの空港からの交通機関や国際線・国内線間の乗り換えのノウハウを紹介したいのだが、詳しく説明すると長くなってしまう。そこで 別途 詳しく取り挙げることにして、ここでは、簡単にポイントだけ言うと、慣れないうちはクーポンタクシーを利用すれば良いのである。700円から1000円程度払えば、マニラ市街の大抵のところへ行ける。私の場合は名前で判断して、いつもニッサン・タクシーを利用している。国際線と国内線のターミナルが離れていて、その場合の移動も同様である。
そして 旅慣れてくれば、庶民の足である路線バスやジプニーを利用したい。これだと10円から20円程度で済む。

以下 簡単に写真だけ載せておく。


路線バス乗り場から見た
マニラ国際空港 ターミナル1

路線バスとジプニーの乗り場

ここから、街中や国内線ターミナルまで行ける。

ターミナル1とターミナル2の間の歩道(右側)

国際線のターミナルはターミナル1(フィリピン航空以外)とターミナル2(フィリピン航空専用)に分かれている。1km弱の道のりをトボトボ歩いて行くことも可能だ。ターミナル2から1方向へは、ジプニーで4ペソ(約10円)。逆は、空港の外まで行き乗り換えが必要。

町中での移動に便利なLRT
LRTのバクララン駅の下を走るジプニー


バンコク・トランジット

(2009年5月追加) 空港が移転してしまったので、今は昔の話になってしまった。

バンコク国際空港
TG601便香港行きで利用した11番ゲート。ちょっと狭い LH744便で利用した54番ゲート付近。こちらは新しく広々


行き帰りともバンコクにトランジットで立ち寄った。これを読んでおられる方の中でも、バンコクに行かれた経験のある方は多いことだろう。ただし、トランジットの経験がある方はあまり多くないかもしれない。いずれにせよ、トランジットはとても簡単。飛行機が到着し、他の乗客に付いて行くと、途中でトランジットの矢印があるので、それに従って階段を上がるだけ。特にパスポートの検査もなく、そのまま、出発ロビーに出られる。乗り継ぐ飛行機に、まだチェックインしていない場合には、トランジット用のカウンターがあり、そこで搭乗手続きを済ませる。

スターアライアンスの航空会社どおしなら、スルー・チェックインができると、テレビのコマーシャルで聞いたような気がするが、今回のTGからLHの乗り継ぎでは、バンコクで再度LHのチェックインをする必要があった。
ただし、これについては、システムがスルー・チェックインに対応していなかったのか、それとも、普通では考えられない乗り継ぎなので、香港の職員が、乗り継ぎがあるとは思わなかったのか、そのどちらであるかは不明である。

今回は荷物を預けなかったが、荷物をチェックインするなら、目的地まで 荷物だけでもチェックインできないと困ったことになる。

香港で別室検査の歓迎

目的地の香港に着いて思わぬ歓迎を受けた。税関の前まで来たところで、警備員に呼び止められ、別室へと連行された。そこで、麻薬などを持っていないかという質問を受け、その後、荷物を詳しく調べられた。特に怪しいものは何も持っていないので、無罪放免されたが、これまで10回以上香港に来ていて、いつも税関は素通りだったので、今回のチェックには驚いた。
別室送りの理由として、まずは バンコク経由で来たことが考えられる。パスポートにタイのハンコが沢山押してあると、税関で荷物を調べられ易いという噂をよく耳にするが、まさに、そのようなことが起こったのかと思ってしまう。またビジネスクラスを利用したので、混み合う前に、税関にやって来れたことも災いしていそうである。
さらには、出発の前に電気髭剃りが故障してしまい、香港の露店で買おうとして、しばらく髭を剃っていなかったことが良くなかったかもしれない。

ラウンジ比較

マニラ
TG ビジネスクラス
ラウンジ

今回利用した中では、食べ物が一番充実していた。

バンコク
TG ビジネスクラス
ラウンジ

ハブ空港なので ラウンジは何箇所もある。ただし 食べ物の種類は少ない。利用者が多く、大きくコストダウンを狙った?

バンコク
LH ビジネスクラス
ラウンジ

至ってシンプル。食べ物は袋入りのおつまみのみ。

香港
TG ビジネスクラス
ラウンジ

場所はターミナルの真ん中で、航空会社のラウンジが並んでいる一角にある。点心も少し置いてあった。


TGの777

TGの777で、今回は777−200と777−300の両方のタイプに乗ることができた。これまで、大阪・マニラ間でしかTGの777に乗ったことがなかったので、一種類しかないものとばかり思っていた。

777−200では、Cクラスの席は横に2−4−2、Yクラスは3−4−3。かなり窮屈である。これに対して、777−300では、Cクラスが横に2−3−2、Yクラスは3−3−3となっている。777−300のCクラスの席は、かなりゆったりしていた。幅の広さだけでなく、高級感もあった。ただし、フットレストは、どちらも そこそこのレベルだった。 
TGの時刻表を見れば、フライトごとに どちらのタイプになるか書いてあるので、乗りたい機種にあわせて予約することが可能である。

777-200

TG631 HKG-->BKK

777-300

TG602 BKK --> HKG

食事は、アジア線のビジネスクラスとしては、標準レベルだろう。ただ、デザートが果物とお菓子の両方出てくるので、全部食べるとかなりの量になる。そして、乗り継いで2回食べるのは、かなりきつい。

また、ビールは、主にシンハーだが、何も言わないとLightにされてしまった。

LH744便

LH744便は、FRAからバンコク経由でマニラまで行く。バンコク・マニラ間だけを乗ることはできないのではないかと、UAのオフィスでチケットを発券する際に、職員からかなり疑われたが、問題なく乗ることができた。機材も通常744と略される747−400。一番大型の機材だけに、設備も良いのではと期待していた。

LHの747−400では、Fクラスが二階。Cクラスは一階の前方であった。

Cクラスの座席は ごく標準的であったが、問題は食事。はっきり言って、SQのYクラスよりも劣っていた。改善を期待したいものだ。FRAから飛んでくる人を主体に考えているので、FRA、バンコク間でたっぷり食事した人たちには、これで十分なのかもしれない。

LH744便 747−400
前から見ると かなり面長であることに、初めて気付いた。

Cクラスの座席

ごく標準的なものだった。

食事は完全に期待外れ。

ドイツ・ビールが飲めたことだけが○。


特集のページへ戻る