日式大全

April 2002




台北で日本的なものを紹介する。

台北にある日本企業で最も成功しているところと言えば、まず太平洋崇光百貨(SOGO)を取り挙げたい。一昔前から、いつ行っても賑わっていた。そして日本での挫折。台北では一体どうなっているのだろう?まさか閉店? 興味が沸かないはずがない。早速様子を見に行った。
その結果、以前にも増して賑わっていたので安心した。忠孝東路の工事は終わり、地下鉄が走り便利になった。店の前もスペースが広くなり、渋谷ハチ公前、梅田ビックマン前、四条河原町阪急前のような待ち合わせ場所になっていた。
問題は、待ち合わせの時間に来るかどうかということだろう。 私も待ち人が遅れて来て、「我是中国人」と言って、開き直られた経験がある。

その他にも、日本企業の進出はめざましい。HANDSやT-ZONEといった日本でお馴染みの店が、新しく店を構えていた。

HANDS TAILUNG
@中華路

T-ZONE
@忠孝東路一段



食べ物でも日本食は流行っている。特に目立ったのはお寿司だ。テレビのグルメ番組を見ていても、お寿司が登場するし、写真(左)のような回転寿司、それから、地下鉄駅のコンビニがありそうな場所に、持ち帰りの寿司を売る店があったり等々。 

一昔前も寿司はあった。海に行って、弁当を売っていたのだが、そこで、いなり寿司と巻寿しをパックに入れたものを買って食べた。安かったが、味はもうひとつ。日本で祭の時に食べる自家製の巻寿しとは比べようもなかった。
ところが、最近の流行は、にぎり寿司。中華料理は、火をとおすのが基本。中国人にとって、なまものを食べることは大変革と言えそうだ。

日本で他の国のものが入ってきた場合を考えると、例えばティラミスだ、ナタデココだといったブームのように、1年もすれば消えてなくなるのが普通。これに対して、台湾の寿司ブームはどうなのか? しばらくして、もう一度行ってみて様子を調べたいものだ。

その他、うなぎ屋、ラーメン屋等、以前は見なかった日本食の店を多く目にした。特にうなぎは、台湾の南部で養殖されたものが大量に日本に輸出されているので、産地で、安くて美味しい、うなぎ丼が食べられるようになれば、すばらしい。 因みに、うなぎは中国語では鰻魚(マンユイ)。四川料理を川菜とまで略しているのと比べ、冗長に感じる。

鰻蒲焼専門店
@林森北路107巷

どさん娘 札幌ラーメン専門店
@西門

この日式大全、以前香港でも同じようなことを紹介した。しかしながら香港と台湾では違いがある。
香港では中国人が日本を真似て始めたものと考えられる。「優の良品」は日本人が言い始めそうな言葉ではない。便宜的(ペンイータ、安い)を中国人が日本語に訳すと、例えば「安いの靴下」のように、「的」を何でも「の」と訳す。「優の良品」も同じような中国語訛りの日本語に聞こえる。
これに対し、台北の場合はT‐ZONEもHANDSも日本企業が入って来たもの。鰻蒲焼も札幌ラーメンも日本人の香がプンプンする。
香港と台湾では、中国人が始めたか、日本人が始めたかという違いがありそうだ。


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