特集 日本からフィリピンへ その寄り道で行く雲南・ベトナム

第六部 昆明

2009年7月作成
2015年10月最終更新


(→2009年9月更新分へ)

昆明は以前にも取り上げたが、前回とは別のところの写真を紹介する。

雲南省博物館

展示の例

15年ほど前、始めて昆明に来た時にも、ここに入ってみた。その時は、戦前・戦中の抗日運動の展示ばかりが目に付いたが、今は通常の歴史博物館で、古い文物中心の展示である。

昆明老街 珠寶花鳥市場
民芸品が沢山売っていて、お土産を買うのに便利
花や植木と共に農薬が並んでいて、手軽に買えそうでちょっと不安。

翠湖公園 市民や旅行者の憩いの場

地元の区役所
温州の市役所でも20階以上あった。ここは
さらに下級の役所だが、それでも十分大きい。

市街地の様子  東風西路・南屏街  

昆明安宿事情

前回の特集でも、茶花賓館のドミトリーを紹介したが、1年前は、結構バックパッカーが泊まっていて、日本人も沢山見かけた。ところが、半年前に行った時には、客が少ないとのことで、ドミトリーは閉鎖。そうは言っても完全に閉鎖ではなくて、YHの建物は使わなくなり、普通のホテルの部屋を多人房として使っていた。同室になった日本人は自炊ができなくなったと嘆いていた。中国の外食に不安を覚えている人は多いので、その話題は別途取り上げたい。

もうひとつ、昆明の安宿として昔から知られている昆湖飯店は、何度か建て替えや改装が行われている。前を通るたびに変わっているように思う。私は泊まったことがないが、インターネットで検索すると、ここで長期に滞在している日本人の人間模様がいろいろ見つかり、読んでいて楽しい。

茶花賓館のドミトリー

昆湖飯店


(2009年9月更新分)

日本からフィリピンへ行く途中、昆明に再度立ち寄ったので、情報を追加しておく。

昆明とその周辺を加え 最も有名な観光地と言えば石林で、これは以前から変わらないはずだ。石林については、別途紹介済みである。それ以外では、ツアーのパンフレットの写真でもよく見かける西山がある。ここは、15年ほど前に行ったことがあるが、残念ながら先デジカメ時代のことで、写真も残っていない。もう一つは、以前はなかった民族村であろう。後の二つは、機会があれば、行ってみて、写真を紹介したいとも思うが、反対に、そんな普通の観光地は私の趣味ではないのでパスして、現地の日常を見て、そこから何か面白い話を探したいとも思う。

そんなわけで、今回も普通の街中をウロウロしていたが、例外で 大観公園というところに行ってみた。前回紹介した翠湖公園と比較してみたかったからである。

大観公園

昆明の町の南の方にある公園で、広くて よく整備されていて雰囲気がよい。入園料20元。翠湖公園が無料なのに比べ、こちらは有料なのがネックである。それでも以前なら、20元は現地の人には高過ぎて、誰も入らないところ、現状では、それなりに人が入っていて、中国の庶民の収入が増えたことがここでも分かる。翠湖公園の人出と比べれば1桁の違いはあり、日本の高速道路の無料化と渋滞の関係のような話がここにも存在する。

機会があれば、行ってもらっても良いが、どちらか一方だけ行くなら、翠湖公園をお奨めする。その場合には、大観公園の方は この写真を見て行ったつもりになってもらいたい。

蓮池

岩をセメントでつないだ構造物
山? モニュメント?
中国の公園の定番

池を渡るかなり低い通路 橋?
これも中国の公園の定番

大観楼

楼閣の上からの眺め

楼閣の内部

ここでも見かけた屋外マージャン
中国の公園の定番の姿となっている。

翠湖公園

翠湖公園は、昆明の町の中央の便利な所にあり、雰囲気が良く、入場料も取らないので多くの市民が訪れる憩いの場で、外国人観光客の姿もよく見かけるお奨めの場所である。以前は公園に集まってみんなでやるものと言えば、太極拳やダンスが多かった。それに対して、今回は中国楽器のバンドの練習や、パクパクなども見かけた。特に楽器は太極拳等と異なり、費用がかかる。練習する人が増えたのは、20元の大観公園に、そこそこ人が入っているのと同様、庶民の経済的余裕の現れと言えよう。

市民の憩いの場

十分綺麗に整備されている。

中国楽器のバンド

日本では、高速道路の無料化と、渋滞回避のための課金の組み合わせで最適化を実現するという社会実験が行われようとしている。それと同様のことが、こちらで無料の翠湖公園と、有料の大観公園の間で起こっている。もっとも昆明の公園の方は、無料で賑わっているというのと、有料で人が少なく静かであるという住み分けの単純な話で片付けられる。

しかしながら、公園の無料化は、日本では そんな簡単に片付けられる話ではない。私の住んでいる近所でも公共事業で、多額の税金をつぎ込んだ公園ができている。幾ら費用がかかったか調べれば分かるはずだが、それをしなくても、数億円程度の小額の費用でできたのではないことは簡単に見積れる。日本全体の公園の総工費が、一兆円程度の小額の費用で済んでいないことは、近所の様子から簡単に類推できる。第三セクターでつくったテーマパークとも言える有料の公園で、見込みが甘くて、思うように客が入らず、赤字を出して閉鎖されたという話も耳にするが、閉鎖ということで、多額の税金が無駄になったのは間違いない。
幸い、私の近所の公園は すべて無料で、週末には沢山の人が利用している。場所が湖の周りで、バーベキューを楽しむ人も多く、有効利用されている。 また別に 近所にある川の護岸工事の後の土手の内側が遊歩道のようになっているところがある。芝生が生えていれば ちょうど良いが 現在は雑草が伸びて見た目が良くない。メンテで草を刈り続けるか 芝生を植えると良いのだろうが、これが国の借金の問題と直結しているのは明らかである。さらにメンテに費用がかかったはずで、先に説明した公園の方も、同様にして、そんなにメンテの予算があるとは思えない。

それでも、住民の心のリフレッシュには十分役に立っているのは明らかで、それも経済効果に挙げられるはずである。

米国や中国に比べれば、日本は公園が少ないので、もっと沢山あった方が良い。そうは言っても、バブル崩壊後の景気対策で公園ができたような話は今更ないだろう。これからは、安い費用で、現状の公園をメンテして、有効活用していくべきだろう。

中国の公園の話から、余談になってしまったが、同じようなことを思う人は少なくないはずだ。公園経済学のようなものが、十分研究されてしかるべきと思う。

芭蕉

翠湖公園の中を歩いていたら、バナナのようなものがあった。しかし、普通のバナナよりかなり茎が細いので、本当にバナナかと疑ったが、良く見るとバナナの実がなっているので、間違いなかった。名札を見ると芭蕉となっていた。学名はMusa Basjooとのことである。

松尾芭蕉は、実は松尾バナナだったのか?と思ってしまうが、それは短絡的な話で、中国語と日本語は違うということを無視しているだけだろう。例えば、東西(トンシー)は、中国語では普通は品物だが、日本語にその意味はない。

広場で集まってバトミントンを練習する人たち

昆明駅 2009年
以前も取り上げたが、昔の駅の写真がったら比較したい。

昆明駅の近くにあるバスのターミナル
他にも何箇所かバスターミナルがある。

新車だらけで大渋滞

何時の間にか、中国の外貨準備高は日本を抜いて世界一になっていたが、新車の販売も、不況で米国の車の販売が落ち込んだことを反映して、中国が世界一になってしまった。因みに、CCTVの英語チャンネルを見ていたら、中国でも一家に何台もテレビがあるのが当たり前だと言っていて、13億人の人口を抱える国で一体どれだけのテレビの台数があるのか、想像を絶する数であろう。もしも、古いテレビの回収を有料化して、日本と同じ金額を徴収したとすれば、おそらく、フィリピンの国家予算よりも、はるかに大金になるのではないかなどと想像してしまうが、勝手な想像は不可で、データを示す必要があろう。

話が逸れてしまったが、ここでは、中国の新車の話である。しかしながら、これも証拠写真もない。昆明でタクシーに乗って、駅まで向かったのだが、車がなかなか進まない。信号待ちが続いたのではあるが、周りを見回すと、やたらと綺麗な新車だらけであった。さては、新車がどっと増えて、大渋滞を引き起こしているのではないかと思って 別の場所でも見てみたが、今度はやたらとタクシーが多かった。残念ながら「新車だらけで大渋滞」というのは、現状では、私にとってはただの仮説に過ぎない。中国の車の総台数と、新車の販売台数を調べれば、良さそうでもあるが、田舎では、今でも昔ながらのオンボロ車を沢山見かけるので、都市部のデータが必要とも思えるし、田舎の車は台数が少ないので、全体の統計を見れば、ほとんど都会のことを反映しているようにも思う。

初めて、広州の新空港に行った時、以前の空港との違いにも驚いたが、関空の数十分の一の費用で、日本の中国へのODAを使って(今は日本の中国向けODAはなくなった。)、関空よりも、はるかに大きい空港ができていて、日本は悲しいと思った。マレーシアで高速道路を走った時も、日本よりも立派であるのを目の当たりにして、同様に日本は悲しいと思った。

中国で新車だらけの大渋滞というのも同様に日本は悲しいとも思うが、こちらは、中国人が儲けて買ったものなので話は違う。
それでも、中国に対して、これまで日本は沢山支援してきた事実はあって、日本よりはるかに巨大な空港と同様、新車が日本以上に町にあふれているのを見ると、日本は悲しいと思う。
中国が日本の大気汚染の原因になっているという話もあり、新車を買う贅沢より、大気汚染の対策に金を使えと主張する私のような日本人も少なくないはずだ。しかし、新車の方が大気汚染への影響は少ないという反論もあろう。車より、工場の排煙や、石炭の煙が問題ということもあろう。

この話も、余談と言えそうだが、現地で中国の現状を見ると、いろいろなことを考えてしまう。

茶花賓館

個人的な趣味に走っていると言えそうだが、茶花賓館の話題を再び紹介する。そうは言っても ここに泊まる日本人のリピーターは少なくないので、関心がある人もいるはずだ。

昨年から3度ここに泊まっているが、行くたびに状況が変わっている。ただし、これはホステルのドミトリーの話で、賓館と呼ばれるように普通のホテル部門の状況は変わらない。

昨年の夏は従来と同じく、サウナのある建物の3階にホステルがあった。ここは、共用の広いスペースがあって、そこでくつろぐことができ、さらに調理場もあり、長期滞在者が少なくなかった。ところが、昨年の11月には、そちらは閉鎖された。これはホステルの客が減ったためで、広いスベースに少ない客では、維持費がかさむ。経費削減のためホテル用の部屋の幾つかをドミトリーにして対応していた。

今年の9月には、客は増えたようだが、残念ながら以前の広いスペースの方は復旧しておらず、もう一つの別館がホステルのドミトリーに使われていた。そちらの建物に調理場などの設備があるのか確認していないが、以前のサウナの上の方が設備がよく居心地が良かった。

入り口

現状のホステルである別館

ホステルの部屋の中

ホテルの方の玄関

サウナと旧ホステルの建物

→ 残念ながら茶花賓館は取り壊されて、無くなってしまった。(2015年10月記)

初回、昆明に来た時には、何箇所かホテルに試して泊まってみたが、今回は、茶花賓館からの浮気で、駅の近くのホテルにも泊まってみた。近くのバスターミナルがあって、朝早くバスに乗るのに便利であり、いろいろ試してみたかった。バスターミナルの裏や周辺にも何軒かホテルがあり、バスターミナルの裏通りにあるホテルに泊まった。一泊80元だったが、残念ながら部屋はあまり綺麗ではなくて、快適とは言い難く、建水の50元のホテルや、元陽の30元の宿の方がよっぽど快適だった。しかし、探せば、コストパフォーマンスの良い宿もありそうで、今後も調査を継続したい。

汽車駅前にあるバスターミナルの裏通り


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