特集 日本からフィリピンへ その寄り道で行く雲南・ベトナム

第十二部 ベトナムのビーチリゾート ニャチャン (Nha Trang)

2009年11月作成
2016年11月最終更新


(→2016年11月更新分へ)


ニャチャン(Nha Trang)は、ベトナムを代表するビーチリゾートの町。サイゴンから東北へ約300kmのところにある。

世界中 多くのビーチリゾートで見られる囲い込みのプライベートビーチではなくて、マイアミやワイキキのように、どこからでも簡単に行けるパブリック・ビーチになっていて 好感が持てる。ただ、アジアの田舎の島のビーチのように、コテージに泊まってのんびりするという感じではなくて、町には大きなビルが建ち並んでいる。

ビーチの様子

ビーチの横の大通り

ビーチで軍事教練中の学生たち

マイアミのサウスビーチとその北側の関係と同じで、ビーチの北側には、大きなホテルができかけている。新たに広い土地を求めて、北へ北へと開発が進んでいるということであろう。

ビーチの北の方に建築中で、ほとんど完成しているシェラトン・ホテル

シェラトンの横にある立派なホテル

チャンパ寺院の遺跡

町の近くにチャンパ寺院の遺跡がある。この手の遺跡に行ったのは ここが始めてだったので、見ごたえがあった。
場所は 町の中心から北へ2kmほどのところで、私は歩いて行ったが、他に歩いて ここに向かっている人を見かけなかった。帰りは、少し離れた場所からバイクタクシーに乗った。こちらで勝手に料金を決めて払ったところ、ドライバーは、お金とこちらを交互に見ながら、不満そうにしていたが、私は そのまま立ち去った。払った金額は たぶん 現地の人の5割増しから倍程度。 外国人観光客の半額程度であろう。

町のその他の様子

ダム市場

ニャチャン川に並ぶ水上家屋

今回泊まった宿

今回の旅で パターン化してしまったが、オープンツアーバスを降りると客引きに引っ張られ、すぐ横のホテルに泊まった。またバスに乗ることを考えれば、引っ張られて行ったホテルがそんなに高くなければ、わざわざ遠くの方まで宿を探しに行く気がしない。建物は綺麗で、部屋は十分広く、バスタブ、エアコン付きで、インターネットも使えて 料金が10ドルだったので、あっさりそこに決めた。

1、2週間程度の旅なら、10ドル以下なら許容範囲としたいが、長期で旅をしている日本人バックパッカーの話では、5ドル以下でないと駄目ということだった。

今回泊まった路地裏ホテル

近くにもホテルが並ぶ

ニャチャンで食べる

朝食で食べたBo Ne(ボ ネ)は、今回のベトナム滞在の中で一番コストパフォーマンスが良かった。(17000ドン)
同様のビフテキは2万ドンだった。もちろん値段は店によって異なり、庶民的な大衆食堂での話だ。

Bo Ne(ボ ネ)

店の名前もBo Ne 32
値段は安いが専門店


(2010年4月

バスの乗り継ぎで 朝2時間だけニャチャンに行った。前回入ったお店で、今度はビフテキを試して、今回も大満足だった。値段は昨年の2万ドンから2万2千ドン(110円足らず)に値上がりしていたが、ドンが下がっているので、日本円では ほとんど同じだ。

肉の厚さを求めるなら、米国に行って、スーパーでステーキ肉を買ってきて、ユースにでも泊まって自分で焼いて食べるのがお得だろう。しかし、それは、超食べ過ぎの世界で、普通の日本人には こちらのビフテキの量で十分だ。味は自家製のたれで、この値段にして 文句の付けようがない。前回に比べるとバナナがついていないが、まだまだボリュームは十分だ。道で山積みで売っているフランスパンのレベルが高いのもベトナムの強みだろう。

この店(Bo Ne 32)の場所は、Sinh cafe(シンちゃん喫茶?)のバス乗り場の一筋北の通り。

ビフテキ 2万2千ドン

再び ビーチの様子

前回ビーチを歩いていたら、軍事教練の学生は見かけたが、海水浴客やビーチでのんびりする人は、あまり見かけなかった。そのため、どうもニャチャンは人気がない場所だと思ったが、今回は、ビーチに出ている人も多く見かけた。前回と今回の違いには、いくつか理由があろうが、一番の理由は、特に現地の人々がぞろぞろするのは、暑い日中を避けた早朝や夕方、晩だということだ。これは熱帯に住む人々の間では普通で、フィリピンでも同じだ。今回でも朝6時、7時に沢山の人が海水浴を楽しんでいた。そして、朝食の時間になると帰りだすということだ。

その他、欧米人の東南アジアへの旅行シーズンは、避寒の意味合いで冬場になるが、今回はハイ・シーズンのうちで、前回はロー・シーズンだったということもある。ビーチへ向かう欧米バックパッカーの姿も今回は結構見かけた。


(2011年7月)

またまたトランジットで、バスが早朝到着、同日夜出発というパターンでニャチャンに行ってきた。ここに来ると コストパフォーマンス抜群のBONEを いつものように朝から食べに行きたくなる。同じようなパターンで行動して、前回とどう変わったか紹介する。さらには、前回までの行動範囲をはみ出して、ウロウロしてきたので、そちらの犬棒の結果も取り上げる。

(1万円=約250万ベトナム丼 @2011年7月)

ビーチの様子

天気が良くて、外国人バックパッカーの姿もビーチで沢山見かけた。暑いので、大抵は 屋根の下で寝そべっているだけだ。日曜日でサイゴンからの客も多そうだ。因みに、いつも乗っているオープンツアーバスは、今回は1号車と2号車に分かれていた。

ニャチャンのビーチの様子

BO NE屋を目指す

BO NE 25000ドン

通い続けているBo Neの店

味も内容も従来どおりで、値段が順調に上がっていく。
ビフテキは 20000ドン(2009年) → 22000ドン(2010年) → 30000ドン(2011年)
BO NEは 17000ドン(2009年) → 25000ドン(2011年)
2年で50%ほどの値上げである。
ただし、インフレにつれてベトナムドンが下落しているので、日本円で言えばそれほど変わっていない。

隆山寺

1889年に創建された町外れにあるお寺。

隆山寺

大仏

横たわる大仏

ボーイ(ガール)スカウトが参拝に来て、その後みんなで遊んでいるところ

その他の様子

ニャチャン駅

ニャチャン大聖堂

樹木が多く 雰囲気が良いカフェ

安宿を探す

2年前に泊まったところを目指したら、10ドルから15ドルに値上がりしていた。インフレしているが、週末で割高な分もあったのかもしれない。結局部屋は小さくなったが、海がよく見える別の宿の部屋に12ドルで泊まった。これは少し高過ぎではないかと思い、今後のために安宿探しをしてみた。泊まったところが海に近いので、海から離れ、路地裏を目指したら、130000ドンと書かれているところが見つかった。宿の主人に聞いてみると、それはエアコンなしの値段で、エアコン付きだと3ドル・プラスになるとのことだった。

海から離れ、週末を避け、エアコンの不要な時期に行けば、かなり安く泊まれそうである。

海から外れ、狭い道にある安宿街


(2014年8月)

ロシア人観光客で賑わう

今回も利用したSinh cafe/Sinh touristのバスのオフィス近くは、リトル・モスクワ、リトル・ロシアとでも言えそうなロシア人だらけの状態になっている。これまでも同じ地域に泊まっているが、見かけたのはベトナム人のグループや、欧米のバックパッカーだった。最近は何処へ行っても中国人が増えているという話はあるが、今回は状況がかなり変わっていた。ロシア語の看板がやたらと多く、ロシア人向け店が沢山あったり、コンビニにやたらとウイスキーやウォッカなどが並んでいたり、ロシア人が多いのは一時的なことではないのが分かる。
2013年11月にもニャチャンに来たが、その時はロシアからはシーズンで、さらにロシア人を沢山見かけた。

ニャチャンの一角では、ロシア語の看板を沢山見かけた。

街中で、ロシア人観光客をやたらと見かける。

Bo Neの値段

 5年前に17000ドンだったものが、順調に値上がりし、2013年には3万ドン、そして2014年には3万2千ドンになってしまった。5年で2倍近くになってしまい、いい加減にしてくれと言いたくなる。フォーの値段があがっているのと同様、全般的な話だ。 経済成長という名前をまとったインフレが特に旅行者の財布に厳しくのしかかっている。

それでも、日本円で150円程度で、内容が充実しているので、まだまだこの値段なら十分安い。今後、特に円や米ドル換算でどういう値段の推移になるのか興味津々だ。台湾などでも、昔は順次インフレしていったが、その後インフレが止まった感がある。

ベトナムのぼったくり文化では、機を見て値段を吊り上げようとするので、簡単にインフレが収まるとは思いにくい。それよりも、これまで同様、ベトナムドンがそれなりに下がる方があり得そうだ。

Bo Ne 3万2千ドン@Bo Ne32

シーズンで大きく変わる宿代

ニャチャンは宿代が安いという印象があったものの、他の物価と同様値上がりが続いていた。しかし、そのしっぺ返しか、2013年11月に行った時には、これまでの最安値で1泊6ドルのホテルに行きあたった。これでもエアコンも使え、部屋も綺麗で、標準的な広さで十分だった。そこで、2014年の7月に再度行ってみたら、1泊32万ドンと言われた。3倍近い値段である。結局、この時はベトナム人にとって、ハイシーズンでやたらとベトナム人海水浴客を見かけた。

オフシーズンに6ドルだった宿のある一角

町のその他の様子

ビーチの様子@2014.7
ワールドカップの影響もあってか、
ビーチサッカーをしていた。

ビーチの様子@2013.11
欧米の避寒のシーズンで、見たところ
ロシア人ばかり

今回も利用したSinh cafe/tourintの
事務所。 以前の場所に近いが、少し移動した。付属のホテルもできていた。

観光客とは関係無さそうな普通の通り


(2016年11月)

アイランド・ホッピングの顛末

観光客向けのボート(手前)とミウ島(沖合)

現地人向け乗合船

ニャチャンに来た回数はかなり増えているが、まだ行ったことがないところへ試しに行ってみようと、今回は島巡りを思い立った。地図を見れば、ニャチャンの周辺には、いくつも島がある。その中で、近くて日帰りで簡単に行けそうな島としてミウ(Mieu)島に目を付けた。普通なら、ツアーを利用すれば、宿まで迎えに来てくれて、労せずして島巡りができるのだろうが、それは私のやり方ではないので、市バスを乗り継ぎ、町中から7〜8kmほど南下した船着き場に向かった。そこで、それぞれの島へ行く船のスケジュールが書かれていたり チケット売り場があったりすれば何の問題もないのだが、流石ベトナム 予想通りで簡単ではなかった。

スケジュールも見当たらず、チケット売り場もなく よくわからないので、その辺でたむろしている人に聞いたら、船に連れて行ってくれたが、15万ドンと言われた。ミウ島まで1〜2kmほどしかないが、貸し切りで、船頭さんもそれくらい払ってもらわないとやってられないのだろう。しかし、こちらは、船をチャーターしてまで行こうとしているわけではないので断った。 しばらく様子を見ていると、乗客が集まっては、いろいろな島へ向けて 船が出ているのが分かり、ミウ島行きの船を見つけることができた。他の乗客が5千ドンを握りしめているので、私も5千ドンをちらつかせ乗り込もうとすると、船頭さんから乗船拒否された。乗り場の横の売店のおばちゃんが5万ドンだと言っていて、5万ドンなら乗せてくれそうだったが、納得行かないので今回は断念した。

船に乗り込むまでに、島民を見つけて友達になり、現地人になりすまして、そのまま一緒に乗れば、通常の運賃で乗れそうで、次回機会があれば、その手を試してみたい。

Do島

ミウ島行きが未遂に終わり、バスでトボトボ引き返したが、これで終わっては癪なので、今度は町の北側にむかって ずっと歩いて行くと、小さな島が目に入った。海岸沿いに大きな公園を造る計画があるようで、広い範囲で工事中だったが、工事現場の道を横切り 海岸まで行くと、島との間を小舟が往復していた。こうなったら行くしかなくて、舟に乗せてもらって島に渡った。特に料金はなくて、無料でも乗れるが、チップ入れのようなものがあったので、そこに1万ドン程入れておいた。
島に行ってみると慈尊寺というお寺があり、そこへの参拝者に無料で舟を出しているということで、お布施、賽銭のように、舟でもお金を置いていく人が多いということだった。 

島の中央にある慈尊寺

島の海岸線にある岩場

この島は、Google mapにも載っていて、Hon Doという名前だそうだ。仮名漢字変化では当然のように堂島と変換され、ニャチャンの堂島というニックネームをつけたくなる。かなりニッチな場所で、初もの好きの私としては、この島に来たのは、日本人初かなと期待するが、何とも言えない。

島には、お寺と岩場と木々の緑があるだけだが、普通の観光客は来そうになくて、探検心をそそられる。
ただし、特に見どころがあるわけではないので、日本からわざわざこの島を目指してくるような場所でもないだろう。
もしも、そのような場所を挙げるとすれば、以前行った
マーシャル諸島の離れ小島を推薦したい。

しかし、Hon Doの方も、私のように普通でないのを好む人には、ニャチャンで機会があれば訪ねてみて欲しいものだ。

またまた Bo Ne

これまで何度も訪ねていたBo Ne屋(Bo Ne 32)は、残念ながら、ロシア人向け旅行代理店兼宿に変わっていた。仕方がないので、その向かいにある食堂でBo Neを食べた。以前の店に比べ、サラダやバナナなどが少なくて、物足りなかった。

旧Bo Ne 32 改め旅行代理店

今回Bo Neを食べた食堂

今回食べたBo Ne
3万5千ドン


最後に、ニャチャンのメインのビーチ沿いで、以前は、工事中だったところに、新しくホテルが立ち並んでいたので その写真を紹介しておく。米国系のホテルなどもあるものの、ホテルとビーチの間に幹線道路が通っているのに、信号にはなかなかたどり着かず、道路を渡ってビーチに出るのに苦労する。道路を歩いて横断するのが、外国人にとっては命がけという状況はベトナム各地で経験するが、これはベトナムの途上国らしい一面と言える。

ビーチ沿いに立ち並ぶ高級ホテル


特集のページへ戻る