ヤキマおろし

2000年4月


ヤキマ(Yakima)の丘

米国のテレビで Weather Channel を見ていると、米国上空の気流の向きを解説いていることがある。それを見ていてわかるのだが、シアトルやポートランドでは太平洋を蛇行してきた気流が、西からぶつかる。その結果頻繁に雲が発生し、良く雨が降る。蛇行しても風はサンフランシスコやロサンゼルスまでは降りていかないので、同じ太平洋岸でも、天気が良いカリフォルニアとは随分気候が違うのである。

さて、この風はシアトルを吹きぬけ、ヤキマを越える。ヤキマはヤキマ・バレーと呼ばれる通り盆地であり、周囲の丘から風が吹きおろしてくることになる。この時起こるのが、鳴門の渦潮を垂直にしたような、縦の渦。これによりある場所では、上から風がさらに強く吹きおろして来る。飛行機が着陸のため下降しだし、更にこの下降気流に遭うと、真下に落ちるように機体が下降する。 遊園地の過激な乗り物のような感じである。

今回ヤキマに飛んだ時は、5〜6回まさに下に落ちていくような縦揺れがあった。乗客は皆、不安げに顔を見合わせた。着陸の直前になると安定しだし、無事到着した。

帰りは、機体が上昇するので、縦揺れはひどくなかったが、今度は蛇行するような左右の揺れがあった。乗務員は、帰りも落ちるような揺れがあるだろうと言っていたので、この揺れは頻繁に起こるようだ。



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