竹大工教室

2018年 3月作成   




シキホール島で運営している
ラーニングセンターの取り組みが最近 低調で、その対策として、全部で10コースの授業を食堂のメニューのように挙げて、その中で人気のあるものから実施した。その一つが竹大工教室で、以前に紹介したモバイル教室の建物を実習の制作ターゲットにすることで、受講者は練習ができ、できたものはモバイル教室として使えるという一石二鳥を狙った。ただ、世の中というかフィリピンはそんなに甘くなくて、駆け出しの見習い大工のサポートに莫大な時間を取られ、できたものも、かなりの手直しをしないと使えないという かなり厳しい状況だった。しかし、実際には そこまで悪くなくて、受講者は次につながるものを いろいろ身に着けることができたし、今回は 近くのシニア・ハイスクールと共同で実施したが、シニア・ハイスクールの先生たちは、後にある写真のように満面の笑みを浮かべ大満足で、外からの知恵とサポートで、レベルの高い授業ができて非常に喜んでいた。共同主催者の私の方は、ストレスが溜まったとも言えるが、本来やりたいことである 他ではまだあまり無さそうなユニークな取り組みができて、結構満足している。 

ここで取り上げているのは、似たようなことをやりたい人の参考にしてもらうためである。
今回は、シニアハイスクールの都合で、全部で30人ほどの参加があり、材料の調達も含めかなり大がかりなことになったが、そもそもの募集定員は若干名のつもりで、こじんまりと行うはずだった。少人数なら始めやすい。
また、大工仕事は外でできるので、ラーニングセンターのような施設がなくてもできる。自分で竹細工をやりたい または 得意な人なら、ターゲットの制作物は他にいろいろあろうが、とにかく、似たようなことを お手軽な規模で 簡単に試せるはずだ。
竹細工という言葉が一般的だが、今回のような大きさの制作物だと 竹細工とは呼びそうにないので 竹大工教室と呼んだが、そこまで大きくなくて、家具をつくれば竹細工教室となり、そちらの方がお手軽で希望も多そうだ。個人的には、それではありふれているので やりたくないということになるが、人それぞれだろう。

さらに、自分自身の好みを書かせてもらうと、次のステップとしては、今回のモバイル教室よりも大きく、ニッパ・ハットと呼ばれる竹と茅葺のコテージを作ることである。プラモデルのように図面の付いたキットを作り、受講者は自宅の横で組み立てる。そこに廉価で観光客に泊まってもらえば、貧しい現地の人と、安宿を求めている旅行者とでWin-Winが実現できる。もしも、うまくいきそうなら 許認可関係の検討も必要だろう。

以下、今回の実習の様子を写真で紹介する。

オリエンテーションと簡易実習
@ラーニングセンター横の広場
実習の様子 1
実習の様子 2 実習の様子 3

完成した製作物は、シキホール州全体のシニアハイスクールの成果発表会で展示され(下の写真、2018年2月)、先生が説明員になり、熱心にアピールしていた。

シニアハイスクールの成果発表会での展示の様子
写っているのは先生たちで、中央が校長先生

モバイル教室利用の様子

以前に紹介した写真を再登場させておく。

使用前

使用後

竹を使った建物の例

今回製作したものより はるかにレベルが高いが、もしも この教室を、今回の初級から、さらに中級・上級と進めることができた場合に参考にできそうな建物を取り上げておく。

ショッピングモールの前で展示されていた
かなり大きなコテージ
@ロビンソン、ドゥマゲッティ

Bamboo House@シキホール島
写真がイマイチで申し訳ないが、雰囲気が良いお宅で、通りがかりで家を見せて欲しいという人が多いそうだ。

竹藪の様子

今回の竹を切り出した竹藪の写真を以下に紹介しておく。
日本の竹藪では、竹の株が分散し、平行に伸びているので切り出し易そうだが、フィリピンでは、一か所から放射状に沢山伸びていて、切り出すのが大変だ。さらに、根本にはトゲがあり、さらに厄介だ。
シキホール島でも沢山竹藪があり、知り合いが所有する竹藪から有償で切り出した。

竹藪の様子

竹の根本あたり
かなりトゲがあり近づくのが大変


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