Public library project

2002年1月作成   
2003年11月最終更新


→ 2003年11月更新分 Mini Library へ

(2001年1月)

米国の公立図書館に行くと、中古のペーパーバックが安くて売られていることが多い。値段は50¢程度であり、新品を買うのに比べ1桁以上安い。そこで、これらの中から良さそうな内容の本を選んで、大量に持ちかえり、簡単な図書館(図書室)をつくり、沢山の人々、特に子供たちに手軽に本に親しんでもらっはどうかと考えた。1000冊買っても500ドル。とても手頃な値段であり、量としても決して少なくない。
私の場合なら、頻繁に米国に行くので、本を買ってくることは、体力勝負を厭わなければ、すごく簡単なことである。また、そういう人で無い場合でも、本が有効に使われることを示せれば、図書館から直送してもらうことは十分可能であろう。米国やカナダからなら、バリック・バヤン・ボックスという箱に詰めて、日本から送るよりも安く、直接フィリピンに送ることができる。

場所については、市長に話したところ、市庁舎を移動するので、移動後 元の市庁舎の一部屋を提供してもらえるとのこと。他の可能性も含め 場所をみつけるのは容易だ。


以上が、特に、資源の有効利用の観点から思い浮かんだアイデアである。

そこで、実際に何十冊かだけ本を買ってきて、実験的に、まずは回覧することから始めようとした。ところが、そこで、2つの課題が浮んできた。

1.もともと公立学校へ行けば、図書室があり、特に子供たちは容易に本を借りることができる。ところが、ほとんど本は借りられていないとのことである。貸し出し状況については、地域によって大きく異なるだろうが、要するに既に対象としているものが存在しているので、わざわざ、さらにつくる必要はあるのかどうかということである。

2.米国のペーパーバックを、大人や子供に読んでもらったが、理解できる人はほとんどいないのである。私も英語を話すネイティブでないので、結構難しい。自分の経験を例にとると、ペリー・メイソン・シリーズのような かなり言葉が平易なものから読み始め、英語でも本を読むのが好きになった。 平易な本を沢山取り揃える必要があろう。

以上の課題のため、残念ながら、このプロジェクトは、しばらく新しいアイデアを検討中となっている。
現状のアイデアとしては、対象が主に子供であることは そのままであり、その子供たちが、いかに本に親しむようになるかということが大切。そこで、遅れている自宅ができれば、そこに小さな庭をつくり、快適な椅子を置き、近所の子供たちがやってきたら、ノンビリ、快適に本を読めるような環境をつくる。本もそれなりに揃えておく。そのようなことを検討中である。


(2003年9月更新分)

Mini Library

本の貸し出しを始めた

図書館作りのプロジェクトは、最初に検討したような課題があったが、

・ペーパーバックが100冊程度集まった。
・さらに、忍者屋敷と呼んでいる建物が ほぼ完成し、子供たちがパソコンを練習する場所として使い始めた。さらに この建物はFilipino Japanese Friendship Houseとも呼んで、いろいろな目的に使う予定にしている。

以上のように状況が整ってきたので、忍者屋敷に本を並べて、貸し出しを始めた。

パソコンの練習に来たHigh schoolの生徒が、ついでに借りていくというのが現状ではあるが、これまでに10人余りが本をその場で読んだり借りて行ったりした。

普通のペーパーバックは ちょっと難しすぎるのではという課題は残っているが、フィリピンの小学校3年くらいの教科書でも、私のまったく知らない単語が沢山使われている。 結構 難しい英語にも慣れているはずである。 また、読書が趣味という子供も多い。普通の英語のでも、それなりには読めるだろう。
いずれにせよ、もちろん 平易な英語の本も増強していく。

学校に既に図書室がある点については、噂を聞いているだけで、それ以上は調べていない。
学校の図書室とは違い、こちらでは 米国の図書館の古本を直接買い付けているので、内容の違った本が多いとは思っている。とにかく、こちらの本を読んでいる子供が結構いるので、新たに作ったからといっても、重複して意味が無いということにはならないだろう。


(2003年11月更新分)

Mini Library続編

ある日、パソコンの練習に来たハイスクールの同級生が それそれ1冊ずつ本を借りていった。理由を聞いてみると、宿題が出て、読書感想文のように、本を読んでレポートを書かないといけないそうだ。それで分かったのだが、学校には図書室はあるが、本は無いそうだ。フィリピンなので、どういうことが起こったのか、大体想像はできるが、とにかく、本を読む課題が出されても、読むべき本が図書室にない。それで、困って私のところにある本を借りて行ったのであった。

気の毒やら、情けないやらではあるが、幸か不幸か一部競合していると思っていた学校の図書室に本がないので、こちらの方では、どんな本でも揃える意味合いが出てきた。

本が沢山あった方が良いことがわかったので、米国に行った時に 図書館で古ペーバーバックを買って来ているのだが、できるだけ沢山買って来ることにした。

先日、パソコンの展示会であるCOMDEXのため訪れたラスベガスで、とても良い場所を見つけた。空港から市バスで15分ほどのところにあるClark County Libraryという図書館にある古本ショップである。古ペーパーバックの在庫が多く、値段も25¢と安い。ドネーションで、近所の住民が、不要な本を持って来るので、在庫が尽きることもなさそうだ。

輸送は、まずは体力勝負。自分で運んで、飛行機に預けて持って帰る。これが一番安い。100冊で20kg程度なので、他に荷物がなければ、米国から日本へ一度に200冊ほど持って来れそうである。

またフィリピンに物を送ると言えば、バリックバヤン・ボックスと呼ばれる箱に詰めて、船便で送るのが一般的。ただし、この場合には本が安いので、相対的に運賃が割高になりそうである。1冊25¢だと、100ドルでも400冊も買えてしまうからだ。

インターネットで検索したところ、ラスベガスからでも、バリックバヤン・ボックスで荷物は送れそうである。米国のどこから送るかはわかならいが、そう遠くない時期に、試してみたい。

日本からだと、例えば1万3千円程度という業者があるが、トロントからだと これの半額程度で遅れると、知り合いのカナダ人は言っていた。米国からでもそこそこ安いはずだ。マニラと小さな島など、送り先の違いによっても料金は変わってくる。

距離がはるかに遠い米国やカナダからの方がなぜ安いのか疑問は残るが、ある意味で簡単に想像はつく。


ボランティア20の実験へ

ホームページへ