テレビの修理

2010年 5月作成


今回修理してもらったTVの一台
14インチ SANYO製

以前に、腕時計の修理・電池の交換冷蔵庫の修理の話を紹介したが、今回は、テレビの修理の話である。日本では、デジタル放送への移行に伴い、テレビもブラウン管から液晶へと移行している場合も多く、何を今更ということになりそうだが、フィリピンでは、まだまだブラウン管テレビが主流で、日本から流れてきた中古品を使っている場合も多い。

何でも直す修理先進国・地球に優しい国フィリピンと私は呼びたいが、この意見に賛同して頂ける人は少なくないはずだ。日本では、テレビが故障したら、これ幸いと、もっと良いテレビに買い換える場合がほとんどであろうが、フィリピンでは、修理するのが基本である。以前は、例えば、テレビの電源が入らなくなると、修理費用が100ペソとレギュレーターの部品代100ペソで修理できていた。

今回、日本から送ったテレビの電源が入らなくなってしまい、さらに 以前にフィリピンで買った日本メーカーのテレビまで故障してしまった。そこで、近所の電気屋に修理に持って行った。

最近は、残念ながら物価が上がってしまったようで、基本料金が350ペソと言われた。別の修理屋で、壊れたテレビやその他の家電を山積みしているところがあり、そちらの方がいかにも安そうだが、既にテレビを持ち込んでしまったのと、すぐに直してくれそうだったので、今回はこの電気屋に修理を依頼した。

横一

故障の内容は、一台は、一般に横一と呼ばれている画面の真ん中に横に線が一本表示されているパターン。それなら横一線と言えばよいと思うが、それでは、どんぐりの背比べという意味になるので、それと区別するため横一なのだろう。

余談だが、以前からある小浜市に対して、オバマ大統領が登場し、小浜はドドドで発音し、オバマはミドドで発音する。英語のObamaとは、似ても似つかないので、かなり違和感があるが、これも区別のためだろうと容易に想像できる。今やオバマの発音は定着したので、小浜市をドドドドでなくて、ミドドドで発音すると、オバマ氏と思われてしまう。これと同じような感覚で、横一も、違和感があり、イマイチだと言いたいが、仕方ないのだろう。

話を戻すと、横一は、垂直同期の電圧がブラウン管にかかっていないのが容易に想像できる。小便小僧が、いきおいよく前に飛ばすのに、横風にあおられると、風の向きに曲がってしまうが、風がないと曲がらずに前方に進むというのと同じような話で、電子ビームに垂直方向の力が働かず曲がらなかったということだ。

最初に修理可能かどうか問い合わせに行った時に、店の人の話では、接触不良か、部品の故障とのことだった。
こちらでは、潮風の影響もあるのか、デスクトップ・パソコンのハードディスクのSATAケーブルの接触不良で、永らく苦労した。ケーブルを抜き差しすると接触が良くなり、何ヶ月かは動く。そこで、調子が悪くなるとハードディスクから沙汰無しとぼやいていたが、最後には年貢の納め時が来て、抜き差ししても動かなくなり、ケーブル交換でもだめで、結局ハードディスクの方を、昔ながらのIDEに戻して、インストールしなおした。どう見ても、IDEの方が ぐさっと刺さって、接触が良さそうだからだ。実際 交換後 ハードディスク関連のトラブルはない。

この事例もあるので、ブラウン管の後ろ側のケーブルの抜き差しで 直りそうにも思ったが、慌しくしていたので、それは試さず、そのまま電気屋に故障したテレビを持ち込んでしまった。店では、テレビのカバーを外して修理していたので、まじめに働いてくれたと思っておいてもよいが、フィリピンのことなので、それはカムフラージュで、実は ブラウン管へのケーブルの抜き差しだけで、直ったのではないかと疑いたくもなる。インターネットで検索したところ、以前なら、テレビの型式を指定すれば、横一修理キットが手に入ったという記事も見つかった。部品代を請求されなかったので、接触・配線の問題ということになり、ブラウン管のコネクタの接触のみの可能性もあり疑念を抱くわけだが、それはやり過ぎで、修理できたことを率直に喜んでおくべきだろう。

電源入らず

日本で不要になったテレビをフィリピンに送って、DVDプレイヤーにつないで たまに使っていたが、しばらくして電源が入らなくなった。電源が入らないのは、お決まりのパターンで、レギュレーターの交換で直る場合が ほとんどである。
もしも、私と同様の状況で だれか日本人がテレビを修理に出すと、電源ケーブルとトランスをビニール・テープで固定して、離れないようにした方が良いと必ず指摘されることだろう。100Vの電化製品を 間違って220Vのコンセントに挿したら、壊れて同様の症状になる。普通なら、原因はそれであろうと考えるからである。しかしながら、今回は、それが原因ではない。トランスに電源コネクタを挿入して電圧を落として、ずっと使っていて、その状態で急にお亡くなりになった。

とにかくお決まりのパターンで、レギュレーターの交換と相成ったが、日本から送ったテレビなので、その電気屋には、修理部品の在庫がなかった。ドゥマゲッティで買って来いと言われたが、時間の都合で行けず、その電気屋が、ちょうどセブに買出しに行く予定があり、ついでに買って来てもらった。フィリピンでは特殊な部品で、当初300ペソと見積もっていたが、買って来たら550ペソと言い出した。当然、マージンも含まれているはずだが、ぼられてしまったとも思う。


今回は拙速で、ぼられてしまったとも思えるが、それでも日本に比べれば、一桁安く済んだとも言える。しかし、日本では、修理は高くついて割り合わないので、大抵は修理には出さない。日本との比較はあまり意味がないとも言える。次回機会があれば、もう少し安いところを見つけたいと思う。

今回の二つの症状はかなり典型的で、日本の自宅でも 同じ症状で廃棄したものがあった。テレビはフィリピンで直る場合が多いと言えそうである。

その他、叩いたり、電源を入れてしばらくして温度が上がると症状が変わる場合をよく見かけるが、これは、典型的な接触不良で、ソケットの抜き差しや、部品をお箸か何かで上から押したりして、自分で故障を発見できることもありそうに思われる。しかし、そんなことに貴重な時間を費やしているより、例え350ペソ払っても修理に出した方が良いとも思える。

こちらでは、やることがなくて、暇で仕方がない日本人が居る一方、私の場合は、時間がなくて、体が十くらい欲しいと思えて来て、どうして、こんなに差がついてしまうのかと考え込んでしまう。大工や、学生アルバイトなど、いろいろ仕事を出してやってもらっているが、大抵は手離れが悪くて、自分の仕事が増えてしまう。それでも、一人だけでは、できることが少しだけになってしまうので、発注できるものは、外に出すしかない。結局いろいろなフォローが増えて時間が足りない。

テレビの修理の話などは、重要性が低いので、書かずにやめておけばよいとも言えそうだが、インターネットで情報を公開するのは、いろいろな人のアイデアの参考になる可能性があるので、やはり重要視したい。

かなり ボヤキのようになってしまったが、嫌々やっているわけではない。基本は気が向いたらやるという事だろう。テレビの修理も同様で、次回テレビが壊れて、たまたま その時気が向いたら、30分くらいは中の様子を見てみたい。ただし、高圧注意なので、深追いは禁物だ。


ホームページへ戻る